以前、家庭内の資産をできるだけ株にしている人がいて、普通預金なんかにいれておくよりも良いとか、高配当銘柄が安心だとか言っているので、この人凄いなと感心していました。
けれど、ある一言で、その感心度合いも急落しました。
「あ、年末の宝くじ当たっているかな?」
え?株式投資をやっているのに、宝くじもやっているの?って思ってしまいました。
私の感覚では、株式投資をして、配当のインカムを狙って、コツコツと資産形成・資産運用している人は、宝くじで一攫千金を狙うという姿勢ではないと思っていたのです。
結局、この人の株投資って、宝くじを買うような当てものをやっているのかな?と少し疑問に思ったくらいです。
私は宝くじの仕組みを見ると、全く投資する気にならないのですけどね。
■「1000万分の1」と「47%」
宝くじの当選確率は「1000万分の1」と言われ、配当率は「47%」です。
半分以上も抜かれた後に、半分以下の金額を当選者に分配されているなんて仕組みは、どう考えても、割に合わないとしか言いようがありません。
「億万長者になれるかも」だけで、1000万分の1にかけるというのは、そのような姿勢で生活に臨んでいる人は割り切っているので良いと思いますが、株式投資もしながら、宝くじも買うという感覚が、どうにも私には理解ができませんでした。
当ブログで投資信託のことを書いていますが、「つみたてNISA」の商品基準からしてみると、販売手数料を取られないノーロードであることがまず基本なわけです。
配当率47%ということは、53%分を手数料として徴収されているわけで、大きなマイナスからスタートするわけです。
宝くじを300円×10枚を購入したとして、3,000円の投資となります。
そのうち、53%分を手数料として徴収されるわけですから、3,000円×53%=1,590円が期待リターンとしては手元には返ってこない費用となるわけです。
実質1,410円からのスタートとなるわけで、もし仮に売り場でそのように徴収されると誰も買わないでしょうね。
■3,000円あったら信託報酬の安いインデックスファンドを買う!
株式投資をやっている人で、手数料やコストを意識して投資している人は、このようなものに自分の大事な資金を投入しているはずがないと私は思っていましたが、実際に両方に投資をしている人がいると知って衝撃的でした。
株式投資は富裕層がするものであり、一般庶民には関係のない投資だと思われている部分がまだ残っていると思いますが、決してそんなことはないでしょう。
株式の個別銘柄に投資をするのであれば、単元分の資金が必要となるので、数万~数十万円、大きな銘柄になると百万円単位で資金が必要になります。
そうなると、一般庶民の余裕資金では投資をするのにもハードルがあるかもしれませんし、そこに自己資金を投入するとなると躊躇するのも理解できます。
しかし、最近では、投資信託を買えば100円から投資が可能となっています。
3,000円も出して、配当率47%で期待値が1000万分の1のものに投資するのであれば、私だったら3,000円で一番安い信託報酬のインデックスファンドを買います。
信託報酬は必ず年利でマイナスになりますが、現状では0.1~0.2%程度の信託報酬のファンドは数多くあります。
その他の売買コストなどの実質コストを加えても、0.5%以下までには抑えられるでしょう。
そうであるなら、53%の手数料と0.5%以下の手数料を比べるのなら、投資信託の方が良いと思えないでしょうか。
■サンクコストの呪縛からコツコツ地道に資産運用に
「投資信託は元本割れするかもしれないじゃないか!」という人に限って、宝くじを買うわけです。
私からしてみれば、10枚の連番を買って、1枚分しか当たらないので、「宝くじはほとんどの回において還元率10%で、90%の元本割れだよね」と言いたいです。
各人では、年に何回購入して、1回でいくら購入するのか分かりませんが、それを全額、毎回、投資信託に回したとしても、過去の歴史から現価格が10%までに落ち込んでいることはないと思います。(当然、特殊なファンドを選ばずに、無難なファンド商品の選別は必要ですが)
株価もトレンドの波がありますが、期間を分けて購入していると、それだけ平均化されますし、ドルコスト平均法になっているでしょうし。
世の中、一攫千金を狙っている人が多いのは事実だと思いますが、私は複利の効果は侮れないと思っています。
忍耐強く、長期間、何十年もかけて投資をすれば、一攫千金を狙うよりも、リターンの高い投資効果は表れています。米国の歴史ではそれが証明されています。
サンクコストの呪縛で、次に自分に幸福が回ってくる回かもしれないと思うよりも、コツコツと地道に投資をしている人の方が、着実な資産運用ができているのでしょうね。
本日は、少し驚いた事実から、投資のことを考えてみました。
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