なんでも道しるべ

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老後資金額は「3,000万円必要」ではなく「年収倍率」という新たな指標

老後資金に3,000万円を貯めようという噂が広まっています。

この金額に何の根拠があるのかな?と個人的には思っていました。

他方、2019年5月に、金融庁が報告した文書によると、公的年金では賄えないから2,000万円は貯蓄してほしいという内容が書かれていたという。

安心老後を掲げていたはずでは?社会保障のための消費税増税なのでは?と一瞬思ったのですが、政治に文句をつけたところで、どうしようもありません。

少子高齢化が深刻な問題となっているのは承知の事実ですので、社会保障や年金に課題があるのは確かでしょう。

したがって、政治の問題にしたところで、日本社会がこのようになっているのは仕方ないので、自分で防御を図るしかありません。

政治が選挙の票だけでなく、しっかりと少子高齢化問題に早く取り組んでいれば、ここまで深刻にならなかったのかもしれませんが、ようやく動き出した感じです。

さて、老後資金の金額に根拠がないと個人的に思っているのは、それは生活水準によると考えるからです。

当たり前ながら、住んでいる地域が違えば物価も違うでしょうし、南に住んでいるのと北に住んでいるのでは、必要な経費も違って当然だと思います。

したがって、3,000万円の数値上の根拠は乏しいです。

そんな中、金額目標でない指標が示されており、なるほどなぁ・・・と感じたことがありました。

■老後資金に新たな『年収倍率』という考え方

新たな指標を示されたのが、「フィデリティ退職・投資教育研究所」です。

退職準備として、『年収倍率』という指標でした。

この年収倍率は非常に面白い考え方です。

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60歳の時点で、年収の6倍の老後資金を蓄える必要があるということです。

最近は定年後も継続雇用されるため、退職年齢が上がっていますから、退職年齢を67歳とし、その時点で年収の7倍の資産を蓄えておけばゴールということです。

現在の20代や30代の現役世代が、定年間際まで進むと、(現在から平均寿命が極端に下がらない限り)ほぼ確実に70~75歳程度まで延長雇用となっていると思いますが。

この年収倍率というのが、私の感覚では非常に心地よいです。

なぜなら、年収によって生活水準や生活レベルというのは変わります。

実際に年収が高い世帯は、あらゆる面で高いものを求める傾向にありますから、年収倍率は非常に良い観点だと思うのです

■各年齢での到達目標

ここでいう年収というのは、明確には定義されていませんでしたが、定年間際の延長雇用時の年収ではないと思います。

おそらく50~60歳の人生で最も高い年収を基準とした方が賢明でしょう。

この年収倍率では、20代~50代の現役世代でも目標とされる倍率が書かれています。

ただ、20代、30代、40代、50代で年収が変わってきます。

年功序列の日本社会なので、20代はそれなりに低い年収であり、順調に昇格すれば50代の役職時には最も年収が高い時となるでしょう。

ただ、50代の年収までは想定できないので、現在20代の人は現時点の年収、30代の人も現時点の年収を基準とするしかありません。

フィデリティ退職・投資教育研究所が発表している各年齢層での年収倍率の目標は下記のとおりです。

  • 30歳 年収の1倍
  • 40歳 年収の2倍
  • 50歳 年収の4倍
  • 60歳 年収の6倍
  • 67歳 年収の7倍

とても興味深い年齢層での目標ですが、非常に厳しいのが50代の時ですね。

■年収によってゴールの金額が異なるのが納得できるポイント

50歳前後というのは、子育てをしているとそれなりにお金がかかるときです。

さらに、順調に昇格していたら役職手当も多く、年収が人生においてかなり高い時です。

その50歳時点で年収の4倍というのは、かなり頑張らないと目標達成は難しいでしょう。

さらに、60歳の段階で6倍、67歳の時点で年収の7倍がゴールです。

高年収時代に800万円の年収がある人なら、5,600万円がゴールとなります。

人生において400万円の年収の人なら、2,800万円がゴールとなります。

約3,000万円近い差があるのが、この年収倍率という考え方ですので、非常に理にかなっていると感じます。

60歳前後は退職金があるにしても、7倍のゴールは頑張らないと到達できないでしょうね。

■60歳の6倍到達に必要な視点

とにかく、退職時点の老後生活が始める段階で年収の7倍が目標ですから、30歳の年収相当、40歳の年収の2倍というのは、通過目標として達成したいものです。

我が家の場合、年収を世帯年収として考えた場合、約1,200万円の貯蓄が必要となります。

30歳到達時点では厳しかったですが、現時点では目標通過しています。

40歳に到達時点で世帯年収の2倍である、2,500万円(さらに世帯年収が上がると想定して)となると現時点では少々厳しいと言えそうです。

ただ、簡単には諦めません。

たとえ40歳で目標達成していなくても、40代半ば等に到達できていれば良いと思っています。

そして、50歳の4倍、60歳の6倍にも挑戦したいと思っています。

ただ、一つ言えることは、これらの目標達成に、貯金だけでは達成が難しいと考えます。

30歳、40歳の時点の目標なら貯金だけでも行ける可能性が高いですが、60歳の6倍に行くには複利の恩恵を受けないとかなり厳しいです。

さらに、実生活でも資金が必要な年代なのですから、お金でお金を稼いでもらわないといけません。

この運用の必要性においても、今回の記事の最後に重要な視点として書いておきたいと思います。