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逆相関に働く債券も良いが、現金ストックで暴落時に拾うテクニックも大いに有り!?

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先日の記事で、現金を保有しておく意義について少し書きました。

2018年版の積立ポートフォリオのまとめ。現金を数十万円保有しておく意義とは? - なんでも道しるべ

時期を同じくして、The Wall Street Journalの記事でも、「ポートフォリオに再び現金を入れるべき理由とは」というものが出てきました。

私は専門的な解釈や計算、ポートフォリオ設計の詳しいところまでは分かりませんが、株式・債券・現金の3つだけを考えた場合、個人として調整がしやすいのが、株式と現金の比率です。

年齢的に債券を中心に運用しようと思っていないので、株式・現金を中心に考えているわけですが、アセットアロケーションをしっかりと計算すると、債券が株式に対して相関係数がマイナスになる魅力が分かります。

しかし、この魅力があっても個人では調整が難しいと私は考えているので、債券を組み入れる場合は、少しばかり信託報酬というコストがかかったとしても、バランスファンドを買い付ける方が楽です。

今日は、The Wall Street Journalの記事に書かれていることを見ながら、現金保有について考えてみたいと思います。

■株式と債券の組み合わせの意義とは

アセットアロケーションを組む場合には、①まずは自分のリスク許容度を決め、②期待するリターンを考え、③これらのリスクとリターンを得ることができる株式と債券の割合を決定するというのが、基本的な流れです。

さらに詳しく計算するのであれば、国内と海外、さらに先進国と新興国に分けていきます。

リスクは、変動値動きなので標準偏差の数値をどこかが公開している参考データを持ってくる必要があります。

リターンは、それなりにデータが公開されやすいので、一般人でも入手しやすいです。

もう一つ厄介な値が、相関係数です。

アセットアロケーションには相関係数が必須で、相関係数とは各投資先同士の騰落の相関を表しています。

例えば、相関係数がプラス1の場合は、同じ値動きをするということです。

逆に、マイナス1の場合は逆相関なので、全く逆の値動きをするということです。

そう考えると導き出されるのが、もっともリスクが無い理想的な投資としては、マイナス1の逆相関のもの同士を1:1で持つということです。

そうすると、騰落の値動きは完全に相殺されますので、利回り(株式でいうと配当、インカムゲイン)を享受できることになります。

リスクゼロで利回りリターンだけを得るという、最強の運用ができるわけです。

まあ、そんなものは無いですけどね。あくまで理想です。

■短期的には強い逆相関、長期的には上昇はこれからも続く?

記事の中には、このようなことが書かれています。

債券価格と株価は長らく強い逆相関の関係にあったため、投資家はそれを当然だととらえがちだ。
だが1990年代終盤まで、両者の関係は違っていた。
債券利回り上昇と株価下落が同時に起きることが多かったのだ。
-途中抜き-
実質金利の低下は、株と債券の両方の価格上昇を長期的に後押ししてきた。
つまり、インフレ問題は過ぎ去ったとの確信を受けて株と債券の価額が営業日ベースでは逆の方向に動く一方で、長期的にはいずれも上昇した。
-途中抜き-
インフレ率と金利が上昇し、リーマン破綻後の懸念が去ったため、株と債券がそろって下落する頻度が高まり、ポートフォリオで債券が果たす役割が低下する可能性がある。
-途中抜き-
歴史的にみると、現金保有は報われないようだ。
1900年以降、インフレ調整後のリターンは株が年率6.5%、債券が2%に対し、現金は0.8%にすぎなかった。
(引用:ポートフォリオに再び現金を入れるべき理由とは、The Wall Street Journal、James Mackintosh、2018/4/6より抜粋)

あくまで可能性であり、今後も短期的には株と債券は強い逆相関を示して、長期的には両者とも上昇するというのは継続するかもしれません。

ただ、私のような弱小個人投資家の考えでは、株式と債券の調整は、私のような素人がするのではなく、プロに任せようという感覚です。

現時点では、この記事でも書かれているように、リターンが株の方が債券よりも4.5%も高いので、現状で債券を持つ意義が感じられないことから、株式100%の運用を選択しています。

こればかりは、個人の自由とリスク許容度の問題ので、値動きと抑えたい人は債券を組み入れる方がマイルドになるのは間違いないと思います。

■現金保有でチャンスを伺う戦略も一つか?

現金を保有することは、個人のちょっとした操作が簡単にできやすいのが特徴です。

単に、証券会社に現金で置いておけばよいだけです。

ここでの葛藤は、現金で保有していても、スズメの涙のような金利だけしか生まないので、インカムゲインもキャピタルゲインも何も生まないという機会損失の大きさです。

この機会損失が辛いという人は、おそらく、フルインベストメント戦略を取っていると思います。

記事にも記載されていましたが、現金という緩衝材を持っていることで、下落時に拾えるというチャンスが生まれます。

2017年は残念ながら、右肩上がりの絶好調相場だったので、拾うチャンスが全くありませんでした。

2018年は現地点では、拾うチャンスはかなりありそうです。

まあ、これは、一度保有した投資額の下落を全く意識せずに、世間が売りたがっているときに拾うという非常に勇気のある戦略なのですが、これもまた投資です。

そして、長期投資家には誰しも根底にあるのが、いくら調整の時期があったとしても、長期的には経済は右肩上がりの成長をして、株式市場も右肩上がりを示すという確信を持っているはずです。

なので、このような行動がとれるのだと思います。

私は、長期投資を目指し、暴落時に拾うことができる投資家になりたいと思っています。

そのために、全投資額の数%の現金保有というのも一つの戦略なのかと思うわけです。

債券比率のポートフォリオを組むことに対し、現金保有でチャンスを伺うのも、投資戦略としては醍醐味があるのかもしれません。