投資をする人にとって役立つ本の紹介の第2段です。
前回は、この本を読まずにインデックス投資は語れないという有名な本(参考書かな?)を紹介しました。
今回紹介する本も、この本を読まずに銘柄投資していたら、個人投資家は翻弄されて負けるかもしれないということがデータで示されている本です。
さらに、この本を読むと日本株から米国株に鞍替えする人が続出中ということです。
今回紹介の本は、ジェレミー・シーゲル先生の『株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす~』です。
■本の紹介
この本もウォール街のランダムウォーカーと同様に、ハードカバーで、分厚いです。価格は2,200円+税です。
最初に手に取った人は、こんな分厚いの読めるかな?となるかもしれませんね。
ただ、字が大きいので、どんどん先に進めます。
それに、内容があまりにも過激すぎて、というのは、先が知りたくなる内容なので、サッと読み終わるような気がします。
私は1週間程度で読み終えたような記憶があります。
記憶をたどると、ショッピングモールなどに入っている本屋さん(まあまあ大きめの本屋)でも置いてなかったような?
繁華街にビルで備える大型書籍店などではあるかもしれませんが、一般的な本屋では置いてないケースが多いと思います。
それほど人気がないのか?
たぶん、人気がないのでしょうね。(笑)
日本人で株をやる人が少ない現状で、さらに、インデックス投資に目覚め、この本で「成長の罠」を勉強しようという人なんて、ごく僅かでしょう。
でも、私が思うには、株を長期にわたって運用して、高確率に収益を上げたいと思っている人は、ぜひ一度読むべき本だと思います。
私は、『ウォール街のランダムウォーカー』と『株式投資の未来』の2冊を読んで、銘柄選択をして、個別株を購入するということから完全に引きました。
それほど印象深い本の1つです。
■ド素人が語るこの本の感想
さて、この本の内容ですが、いくつかキーワードフレーズが印象に残ります。
その一つが、先ほどにも書いた『成長の罠』です。
皆さんが個別株を選択する時に、何を基準に選択していますか?
有名な企業?、成長力のある企業?、開発力がある企業?、グローバルな企業?、もっと単純にはメディアに紹介されている企業?
私はそうだったのですが、企業分析を専門にやっていない素人が手を出してしまう銘柄というのは、世間から注目されつつある企業で、さらに、インターネットを駆使して、その世間よりも先に情報を得れたらラッキーとか思ったりして、銘柄選択していました。
その企業の株価チャートを見た時に、1年程前にストップ高の兆しがあったりすると、「あ、やっぱりこの企業は注目されているんだ!」と思って、焦って、この銘柄を購入に走ってしまう。さらに、株価チャートが上って下がっている状態だったら、「今が仕込み時かな?」とか思って買ってしまう。
その後は、急落やダラダラ下がったして、「えー!!全然アカンやん!この企業(怒)」ってなり、株は難しいって印象が植えつけられる。
私はそんな感じでした。
ここには『成長の罠』というのが隠されているというのが、シーゲル先生の指摘です。
世間が良いと言っている企業への投資は、株価を評価する数値(PER、PBR)を無視して投資するのが多いですし、さらに、収益が上っていると、これらの数値はとても良いところに落ち着きます。
その銘柄が急成長のチャートを描いていると、みんなはそれに群がります。
本の中では最初に、「IBM」と「スタンダード・オイル・オブ・ニュージャージー」と比較しています。
約70年前の1950年にどちらに投資した方が良かったのか?
世界的に有名で、ハイテク企業の第一線を走ってきた「IBM」と答えた人は、『成長の罠』に引っかかっているらしい。
1株当たりの売上も、1株当たりの利益も、1株当たりの配当も、ハイテクセクターの成長率も、株価上昇率も、これら一般的な株指標の数値は「IBM」が勝っていると書かれています。
ただ一点、「スタンダード・オイル」が勝っていたのは、『配当利回り』なのです。
この一点だけで、IBMに勝るのだから恐ろしい。
この内容が最初の章で書かれていて、私は鳥肌が立ちましたよ。
私なら、「くそー、IBMに投資していたら、今なら億万長者なのに!」って悔しがっていたと思う。けれど、それが逆だったなんて。
急成長のグロース株は、長期間のうちにどこかで急落していることがあります。
それは、世界的なショックが蔓延した時が多いのかと思いますが、この時に一番影響を受けるのは、急成長株です。
なぜなら、すでに成長を見込んで高価格で株価を買っているので、少し下がると大きな損失が自分にかかってくるからです。
そんなことが、自分の投資の期間にあったら、これまでの収益が全て吹っ飛んで、即退場になるかもしれません。
私は、この本を読んでそう思いました。
たった数年でインターネット環境をここまで整備してくれた人は、ハイテク企業や資本企業ではありません。全て投資家です。
投資家が成長株に投資をして、その株価を原資に、ここまで急加速で整備が整ったのです。
その後に投資家にもたらすのは何だろうな?
『ウォール街のランダムウォーカー』と『株式投資の未来』を読んだ人は、答えが見えてきているかも知れませんね。
■配当再投資が投資戦略の第一かも
この本の中に紹介されている、約50年間投資して、リターントップ企業はどこでしょうか?
答えを先に出すと、それは、『フィリップ・モリス』です。
私はタバコを吸わないので、良く知りませんが、マルボロのメーカーなのですか?マルボロは吸わない私でも知っている有名ブランドですよね。
このフィリップ・モリスが第1位だそうです。
私は驚きましたよ。おそらく99%の人が驚いたのではないでしょうか。
そらそうでしょ!って思った人は、株で大儲けできる素質がある人だと思います。
私は全く想定外でした。
ポイントは、
- 配当利回りが高いこと
- 株価が低迷してバリュー株で放置されている期間が長いこと
タバコ銘柄特有の特殊事情なのかもしれませんが、タバコ故に訴訟問題などが日常茶飯事です。
そんな銘柄をずっと保有し続けて、配当再投資を繰り返す勇気がある人に大きなリターンをもたらしてくれるそうです。
■理想のポートフォリオを作るなら
シーゲル先生は、おすすめのポートフォリオを紹介してくれています。
私がこれまで記事で書いている、円グラフがそれなのです。
シーゲル先生の戦略としては、
- 配当をきっちり出して株主還元している銘柄を選ぶこと
- 国際的なトレンドを意識し、発展途上国へのシフトに乗り遅れないこと
- バリュエーションを見極めて、市場の大勢が買いとしている銘柄は買わないこと
弱小投資家の私が、シーゲル先生の戦略に乗っかって運用する場合は、
- 高配当株ETFを購入する
- 世界分散投資をしているETF・投資信託を購入する
- 成長の罠に引っかからないように、世界経済の中心である米国株を中心に購入する
当ブログで紹介している数々のETFや投資信託は、シーゲル先生の投資戦略がベースになっているのは間違いありません。
ここにマルキール氏のインデックスファンドを融合すれば、長期的に安心した投資運用ができるのではないかと考えています。
この本に興味を持たれた方は、ぜひ読んでみてください。