実はここ2年の米国株式相場指数は全然上がっていないので、このデータを見てビビってしまう人は、投資を止めておいた方がいいと思います。
世の中は株高と言われており、何十%上がったとか、インフレ対策には株とか、様々なことを言われていますが、全てはポジショントークだと考えた方がいいです。
データは自分で確認し、投資戦略は自分で立てることをしなければなりません。
そうしないと、結局は誰かのアドバイスどおりにしか投資ができないので、誰かに騙される可能性を残したまま投資をすることになります。
誰かが言っているからそのとおりにする、皆がやっているから乗り遅れたくない、そのような考えが一番危険なのです。
データを見てもらったら良いと思いますが、今日本人で人気の投資先の一つにS&P500があると思いますが、直近の高値からどのくらい上がったがご存知でしょうか?
こんなことも分からずに投資をしているのなら、投資は止めておいた方が良いです。
今の株高がどの要因で成り立っているか、自分の目で確認すべきなんです。
■株式相場は好調ではない
最近投資を始めた人は、どこから得た情報なのか、みんなS&P500と口をそろえて言いますよね?
もう一つの人気の投資先としてはオルカンですが、米国株に期待している人はとりあえずS&P500を買っておいたら間違いないみたいな話があります。
本当にそうでしょうか?
米国指数S&P500の元指数ってきちんと確認されたことあります?
たいていの人は自分の買っているファンドが何%上がったとか、何%下落したとか、そんなことしか把握していないと思いますが、これはある意味、きちんと相場が見れていません。
インデックスファンドなんて、所詮は、指数と為替の足し合わせなんですから、S&P500の元指数がどれだけ上下しているかを常にチェックしないと投資をやっている意味がないです。
買って寝ておけば大丈夫的な話がありますが、そんなことをしたら、暴落した時に狼狽売りしてしまいますよ。
定期的に株価チェックをして、自分のリスク許容度を上げていかなければならないです。
さて、本題ですが、S&P500は2年程まえに新高値更新しましたが、そこから今の2024年5月の段階で何%上がっているでしょう?
答えは、たったの6%です。
2022年の1月に新高値を出しましたが、そこから2年強たっても、たったの6%なんです。
S&P500の数値でいうと、5月3日の指数は5127ポイントで、2022年1月付近の最高値が4818ポイントになっています。
なので、5127÷4818で、1.064倍となりますから、実質6.4%しか上がっていないことになります。
投資して、2年も持ち続けて、たったの6%というのが今のS&P500の実力です。
ではなぜ、ファンドが上がっているのかですが、それは単純に為替が円安になっているからです。
今のドル円は153円ですが、2022年1月のドル円は115円でした。
ですから、153÷115で、1.330倍ですから、33%が為替で上がっているのです。
元指数が6%しか上がっていないのに対し、為替効果で33%というのが現実なのです。
ですから、ある意味、ドルを買っていただけで、株を買っている旨味はほとんど無かったことになります。
■米国金利が下がるとどうなる?
これが現実なので、ここからもし、米国利下げが起きたり、日本の金利が上がったりしたらどうなるか?
答えは簡単で、円高に逆戻りする可能性があるということです。
ここまで2年間で30%以上の円安だったわけですから、もし米国が利下げをドンドン行っていくと、円高になって、この30%というのが食われてしまう可能性があります。
この現実を知って、今から円建てでS&P500を買いますか?って話なんです。
これでビビっているようでしたら、おそらく、ファンドを持ち続けることは難しいので、ここから周りに合わせて株式を持つ、インデックスファンドを持つ、という選択は止めておいた方が身のためということになります。
投資をするということは、この現実を知ったうえで、自分で判断して、自分の意思で株式を買っていかなくてはいけません。
誰かに勧められたからなんて言い訳にもならないんです。
これからの米国は利下げになる可能性がかなり高まりました。
先週のFOMCと雇用統計の結果からは、いつ利下げが始まるのか?って話になってくると思われます。
だからといって、株価が上がるなんて限りません。
景気後退になると株価は下がるものですし、もし利下げが遅くなると株価下落は免れません。
そして、利下げが開始されると、円高になって、もしかすると円建てファンドはダブルパンチを食らう可能性があるのです。
この辺りのデータをしっかり見ると、今ここでS&P500のインデックスファンドに一括投資をするという判断がいかに無謀かというのが分かると思います。
ここから投資をやるのか?積立をするのか?それとも現金で保有するのか?
そう言った最初のところから判断していかなければなりません。