さまざまな方々のブログ等で紹介されている本から、私が実際に読んでみて、参考になったと思える本を紹介していこうと思います。
まず、この本を読まずにインデックス投資は語れないというほどの本です。
バートン・マルキール氏の『ウォール街のランダム・ウォーカー(株式投資の不滅の真理)』です。
■超有名すぎて、私が感想を書くまででもないですが、私視点での感想をすこし。
この本、分厚いです。ハードカバーです。2,700円の本ですが、手に取ると驚くかもしれません。
最初から読むのを躊躇するくらいの本ですが、読んでいくと、「これは参考書だな」と思えてきました。
後から知ったのですが、あのインデックス投信を熱烈に押している、山崎元氏が大学の講義で使用している本だということです。
この本を、半年間かけて読んでいくとのことで、私もその講義聞きたいなと本気で思ったくらいです。
なぜなら、一人で読んでいても意味不明なところが多く、おそらく、ある程度知識がないと読み解くのが難しいのかもしれません。
興味があったので私は少しずつ読み進めましたが、投資に興味がない人は全く読めないでしょうね。
この本を私に株を教えてくれた叔父に貸したのですが、10ページも読めなかったとのこと。
投資に興味があって、それを理論的に解釈したいと考える人にとっては面白いのかもしれませんが、そうでない人には辛いのかも。
そのような投資理論に興味がある人は、是非読んで欲しいと思います。
■この本の最初の1/4を読んで、私はなんてバカな投資をしていたのだろうと正直感じました
もしかすると、投資により資産形成をしているつもりなのかもしれないが、全資産を流してしまうかもしれないと正直焦りました。
株の銘柄を選別するのは楽しいかもしれませんが、逆にそれは素人がするべき作業ではないことのなのかもしれません。
プロの集団が公に戦っている株式相場に、ド素人が挑んでいる自分の状況に、無駄な時間を使っているような気がしたのです。
本の中には投資の歴史がかかれています。そして、投資を通じて、人間の欲望とそれに踊らされる人々によって、モノの価値が造られ、そして暴落する。
昔のチューリップバブルなんて、読んでいると笑えてきますが、実は同じことが近年である2000年のITバブルで同じことを繰り返しているそう。
人は忘れっぽいものですが、そんな昔のことを経験していなければ言い伝えだけであり、バブルは後からみて、バブルだったと気づくわけですよね。
いま自分が投資している銘柄が、もしかしたらバブル銘柄かもしれないと考えると恐ろしくないですか?
私は恐ろしかったです。
■テクニカル分析vsファンダメンタルズ分析、そして、アクティブファンドvsインデックスファンド
この本には、テクニカル分析vsファンダメンタルズ分析という、昔から犬猿の仲である分析者同士の言い分についての解説や、両方の分析手法には矛盾があることを忠実に書かれています。
投資のプロであるファンドへの投資を勧め、さらに、アクティブファンドは、猿がダーツを投げて選んだポートフォリオと同じまたは負けるレベルってことだそうです。
プロ集団のアクティブファンドですら、私が手足も出ないレベルと思っていたのに、そのアクティブファンドが猿に負けてしまうレベルということ。
紙切れになるかもしれないリスクを負いながら、株の銘柄を一生懸命に情報収集して選んでいる自分が情けなくなりました。
そして、この本をきっかけに投資信託がド素人の私にとっては救世主ではないかと思えたのです。
実際には、猿のダーツに負けると言われているアクティブファンドを買っているわけですが(セゾン資産形成の達人ファンドやひふみ投信)、インデックスファンドが一番良いということは今でも忘れずに頭に入れています。
■最後の章には、年齢別の投資戦略が書かれています
私が印象に残っているのは2つ。
- 投資をするにはインカム(収入)が必要だということ。
- 定年間際の年齢からの投資は債券を主体にポートフォリオを組むべき。
投資をするのには元手が必要なので、まずはあれこれ考えずにインカムを得るべきです。
そしてインカムを得れば、あとは下手に自己流で投資銘柄を選ばずに、インデックスファンドに任せるってことでしょうね。
会社を定年退職する人が退職金を得て、慣れない投資をするのは無謀だということ、さらに、リスクを減らさないとインカムが無いので怖い。
したがって、債券を主体に守りを固める必要があるということです。
この本からの私の感覚としては、定年が見え出した頃には、セゾン投信の『セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド』が、なかなか良い選択なのでは?と思っています。
株式・債券が50:50であり、さらに、世界の時価総額比率で分散投資しています。
信託報酬が0.68%で若干高めなので(かなりインデックスファンド病になってきました)、個別のファンドで組んでしまうのも手ですが、配当再投資が面倒であるのなら、セゾン投信にお任せしておくと、かなりディフェンシブに運用が可能かと思います。
私の年齢や我が家では、すでに記事にしている理由(無リスク資産の拡大)と、少し時期尚早かなと考え、このファンドは購入を停止しましたが、おそらく、50代後半くらいになってくると、ポートフォリオにかなりの割合で組み込んでいくと思っています。
それ時までに、セゾン投信がさらに信託報酬を安くしてくれていたり、もっと良いファンドが出現したり、もしかしたら、バンガード社に直接口座開設がしやすくなるかもしれませんね。
■まとめ
『ウォール街のランダム・ウォーカー(株式投資の不滅の真理)』は少し気合いを入れて読んでいく必要がありますが、もし今でも銘柄選択をして株式投資をやっている人にとっては、ビックリするような内容かもしれません。
それが目から鱗なのか、単なる戯言とみるのかは、人それぞれですね。
私はこの本をきっかけに投資信託という選択肢が大きくなったのは事実です。
ぜひ一度読んでみて下さい。