先日、日経新聞で金融機関各社が発表した共通KPIに基づく「運用損益別顧客比率」の集計結果が公開されました。
その集計結果から、直販を主スタイルとしている独立系の投信会社がトップ3を独占しました。
投資ブロガーの中では有名な3社で、私も直販ではないですが、ファンドの積立をしています。
本日は、「運用損益別顧客比率」により、直販、大手証券、ネット証券、銀行系で、優劣が明確となった結果について書きたいと思います。
■トップ3は有名な3社が独占!
まずは、トップ3を発表します。
- コモンズ投信
- レオス・キャピタルワークス
- セゾン投信
個人投資家でブロガーの方々から情報を集めている人は必ず知っている有名な3社です。
「なんだ?こんな会社知らないぞ」と思った方は、現代投資の勉強不足です。
世の中のトレンドは確実に変わってきており、このような設立約10年の会社が顧客本位のファンド運用と販売を行い、受益者に利益を与えてくれています。
これらの会社の「運用損益別顧客比率」は当ブログですでに取り上げましたので、過去記事をご確認ください。
祝!!第1位・コモンズ投信の運用損益別顧客比率が驚異の97.9%という結果(凄) - なんでも道しるべ
ひふみ投信の運用損益でプラスの人は91%!狼狽売りをせずにホールドが決め手? - なんでも道しるべ
【2018年9月号】セゾン投信で運用中の人は84.9%がプラス!世間の54%を大きく引き離す… - なんでも道しるべ
この3社はファンドの運用実勢も素晴らしいリターンを出していますが、それだけではありません。
積立投資というスタイルをきちんと確立してくれており、少額投資の個人投資家に向き合ったビジネスを進めているからです。
大手の証券会社や銀行では相手にされなかった少額投資の個人投資家がきちんと利益が上がるようにしてくれています。
利益を出すにはファンドの運用実績が重要であることは間違いないですが、実はそれだけでは利益を出している人が80~90%以上といったことにはなりません。
その理由は、一括投資をする人、利益確定をする人、高値掴みする人、安値売りをする人が必ず現れるからです。
この3社の素晴らしいところは、人間の欲や戸惑いなどをできるだけ排除できるような積立投資を確立してくれています。
そして、一度始めると簡単には解約できにくいシステムを与えてくれています。
それは、手続きが面倒であるなどのこともありますが、一番大切なのは、ファンドを運営しているファンドマネージャーの声が聞けるということです。
株式市場は、加熱したり、調整したり、上下に変動しながらトレンドを示します。
大事なマネーを託しているわけですから、一喜一憂して、加熱時にスポット買いしたいという思いが出てきたり、調整時に怖くなって狼狽売りをしたくなったり、積立金額を変更したりしたくなるものです。
そのような気分になった時、最も衝動的になるのが、市場が-5%程度の調整をした時に、一気に売りたくなる気持ちが出てきます。
その時に、ファンドマネージャーから「今はこのような理由で調整していますから心配しないで積立を続けましょう」といったようなメッセージが発信されます。
それにより、調整時にも安心して定額積立を継続し、数を増やすことができるのです。
その結果、トップ3になるような利益顧客比率が誕生するということです。
信頼してお金を託すことができるファンドを選ぶことはとても重要であることが、今回、まさしく証明されたということです。
■大手証券会社は健闘? ネット証券会社は悔しい結果?
4位以下は、大手の証券会社やネット証券会社が連なりました。
大手の野村やSMBC日興、みずほ証券の3社が4~6位となりました。
まずまず健闘したと思いますが、トップ3からは数値として離されている印象があります。
7位~10位の4社には、ネット証券のSBI、マネックス、楽天証券、カブドットコムの順番で入りました。
ネット証券からすると、大手の証券会社に負けたのは悔しいでしょう。
数値としては大きな差ではありませんが、負けてしまった結果となりました。
ネット販売ということで、利用者も操作がしやすく、売買が容易となっている点が、含み益の人が減って、含み損の人が増えている理由だと感じます。
「アクティブに売買を繰り返すと結局は損をする」というのは通説のように言われていますが、運用損益別顧客比率からも証明されてしまいました。
したがって、ネット証券での売買は簡単で便利ではありますが、できるだけ積立設定をするようにして、狼狽的な売買をしないように心掛けることが重要であるということです。
■下位は銀行系が並ぶ結果に・・・
さて、今回の結果からは、11位以下には銀行系が並びました。
11位~最下位の順は、りそな銀行、大和銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三菱モルガンということです。
トップ3の直販ファンドの経営者は、この結果を微笑んで見ているでしょうね。
なぜなら、過去の銀行のファンド回転営業を痛烈に批判していたからです。
この回転営業により、手数料負けして、受益者が含み損を抱えているという話を様々なところで発信していました。
私自身、そうなのか…程度で聞いていましたが、このような結果と順位が出ると、本当なのだなと再認識しました。
「銀行に行けば、自分のことを考えて親身に話を聞いてくれる」と思って、窓口に訪問する人は大きなネギを背負ったカモというわけです。
銀行員も営業ノルマがあり、家族のために仕事をしているわけですから、何とも複雑な気持ちではありますが、大手銀行も営業活動の方針見直しが必要になってきましたね。
我々のような個人投資家は大切な資産の運用を託すわけですから、情報を精査して、損をしない行動をすべきだと痛感しました。