貯金は、収入から支出をマイナスしたものですので、単純なものです。
けれども、その貯金がなかなかできないもので、世の中の3割の人が貯蓄ゼロであると言われています。
収入が多ければ貯金できるのにと言う人もいると思いますが、そもそも支出のコントロールができていなければ、貯金はできないです。
その理由は、人は収入に応じて支出を増やす傾向にあるからです。
収入が低ければ、それなりの生活をするけれど、収入が増えれば、それはそれで支出が増えるという仕組みですね。
日本は年功序列の社会なので、年齢を重ねれば、収入が増えていくものですが、それでも支出が上がってしまったら貯金なんてできません。
まして、今は税金や社会保険料が上がっている状況ですから、額面の収入が増えても。手取りはそれほど増えないという現実です。
収入と手取りの関係は、3歩進んで2歩下がるという印象です。
一瞬だけ収入と手取りが増えても、数ヵ月や1年経過後には控除が増えて手取りが減るのは日常茶飯事です。
こんな状況だと真面目に仕事をするのが馬鹿らしくなるのですが、そんなことを嘆いていても何も始まりません。
まずは自分の生活を守るため、そして、貯金を増やすために必要なことをやるべきです。
支出を減らすために必要なことは、無駄遣いをやめること。
簡単なことですが、これもなかなかできないです。
それは、脳が無駄遣いをやめられないようにできているから。
そして、無駄遣いをさせるように、脳に対するマーケティングを仕掛けてくるからです。
当たり前ですが、世の中の会社は収入と利益によって成り立っています。
自分の会社が儲かるのであれば、他人の脳なんて騙したところで、何も悪いことはないです。
それが合法なマーケティングなのですからね。
脳を騙されないようにすることで、貯金ができるようになります。
■無駄遣いの原因
無駄遣いをしてしまう人は下記を意識すれば、無駄遣いを減らすことができます。
- 無駄遣いはドーパミンの影響
- 皆と一緒という気持ちが無駄遣いを生む
- ランキング1位に騙されるな
- 店の配置はたくさん買わせるように設計されている
- 自分だけは大丈夫が無駄遣いを生む
- 自己顕示欲が無駄遣いを生む
- 後に引けない気持ちが無駄遣いを生む
- 返品無料に注意する
どれも大切なことで、どれも無駄遣いに直結するものですが、これらの中で一番大切なことは、最初のドーパミンです。
これにより様々なところで、無駄遣いを発生させています。
お金を使うことで快感を覚えたり、お金を得ることで優越感に浸れたりするのは、このドーパミンが影響しています。
そして、このドーパミンは一瞬で無くなります。
無くなるからこそ、脳としては負担がかからず良いらしいのですが、人間は欲深いですからね、このドーパミン放出が欲しくて、再度、同じことを繰り返してしまうわけです。
なので、ドーパミンが出ていることを意識すれば、これはダメなやつだなというのが判断できます。
そして、それを遠ざけることで、自分の無駄遣いを減らすことが出来るのです。
■承認欲求とサンクコストに注意
他の項目は、ドーパミンを放出させるために、マーケティングにより影響を受けているものばかりです。
自分は何に影響を受けるかなと考えることが必要ですが、私が知る限り、もっとも影響を受けるのは、自己顕示欲ですかね。
いわゆる承認欲求の上位概念です。
他人によく見られたい、自分をアピールしたい、自分自身で納得したい、これらの想いが、承認欲求を満たすための無駄遣いに繋がります。
ブランド物で周囲を固めているひと、中身よりも外見にこだわる人、他人と比較しやすい人、お金が出ていくものに投資する人、これらを日常的にやっている人は、どうしてもお金は貯まらない傾向にありあります。
自己顕示欲が高い人は、年齢を重ねるごとに、余計に自分を高く見せたがりますから、支出が増えても仕方ないでしょうね。
そして、承認欲求ではないですが、注意しなければならないのが、「後に引けない気持ち」というものです。
これって知らず知らずのうちに起きているのですが、別の言い方では、サンクコストやコンコルド効果というもので、これまでや今に投資をしているから、それに見合う見返りを受けるまでやり続けるということです。
もしかすると、未来では取り返せないかもしれないのに、これまでの投資やコストを意識しすぎて、それを回収したい気持ちになり、さらに投入するというものです。
これは、支出だけでなく、資産運用でも起きる話なので、意識しなければ、熱が入ってしまいます。
もう回収できないものは、キッパリを諦めるのも重要なことです。
無駄遣いを減らすと、貯金につながるのですが、これがなかなかやめられないのが人間というものです。
脳を騙すようにマーケティングされているので、ある意味仕方ない部分もありますが、自分の性格を客観的にみて、もし騙されているものがあれば、ある程度距離を取るというのも一つの戦略だと思います。
私自身も注意しないと。