「全世界株式インデックス(オール・カントリー)」が遂にeMAXIS Slimから設定されました。
全世界株式インデックス(オール・カントリー)というのは、その名のとおり、全世界の株式をインデックス投資するためのもので、全世界株式型というのは、日本人には結構人気があるようです。
インデックスファンドが多い、米国では日本ほど人気は無いようですが、その辺りは国民感覚の差、投資スタイルの差なのでしょうか。
これまで、eMAXIS Slimの全世界型のインデックスファンドは、「全世界株式(除く日本)」や「全世界株式(3地域均等型)」のように、全世界型であっても、まるまる全世界でないインデックスでした。
Slimではない、eMAXISには全世界株式があるのですが、信託報酬が高いということから、新規ではSlim経由で注文が入るのは確実なのでしょう。
2018年10月31日に設定され、その日にきちんと「つみたてNISA」にも認定されており、非課税口座を使って全世界株式の投資ができるようになっています。
全世界型はライバルもいるのは確かですが、そのライバルから奪いにかかっているような気がします。
本日は、eMAXIS Slimから設定された「全世界株式インデックス(オール・カントリー)」について書きます。
■オール・カントリーの信託報酬はeMAXIS Slimシリーズ内でも安値圏
まず、eMAXIS Slimの商品は、かなり信託報酬がやすいことから、人気がどんどん出てきているようです。
マザーファンドも巨大なので、実質コストもあまり膨れ上がらないだろうという安心感から、1年経過後の報告書を待たずして、eMAXIS Slimで積立を開始している人が多いようです。
私自身もeMAXIS Slimは安心していますし、信託報酬も他社に追従するように値下げしていますから、とりあえずeMAXIS Slimを持っていればOKだと思っています。
信託報酬については、下記の一覧のようになっています。(2018年11月現在、つみたてNISA対象商品)
- 国内株式(TOPIX) 0.159%
- 国内株式(日経平均) 0.159%
- 先進国株式インデックス 0.1090%
- 米国株式(S&P500) 0.160%
- 新興国株式インデックス 0.189%
- 全世界株式(除く日本) 0.142%
- 全世界株式(3地域均等型) 0.142%
- 全世界株式(8資産均等型) 0.159%
- 全世界株式(オール・カントリー) 0.142%
今回のオール・カントリーは、「除く日本」や「3地域均等型」の0.142%と合わせてきました。
非常に低コストで全世界株式に投資できる投資信託ですので、低コストだからETFを選んでいる人も、このコストだったら投資信託でも良いかなと思えるのではないかと想像します。
eMAXIS Slimの信託報酬の設定率は面白く、一見するとなぜこの率なのか?と思う商品もあります。
例えば、日本だけに投資の方が、海外株より高かったりもします。
これは、完全にライバル商品を見ながら信託報酬の値下げをしているために起きている現象で、ライバルが安い商品を出してくると、eMAXIS Slimも値下げを実行するという構図です。
したがって、eMAXIS Slimを持っていれば、他社品の信託報酬を気にする必要が余りなくなってくるということになります。
私自身は、これらの商品の中から、「米国株式(S&P500)」「新興国株式インデックス」「全世界株式(除く日本)」を積立しています。
eMAXIS Slimは尖った商品がなく、一般的な商品をラインナップしていますので、分散を効かせて、気軽に積立投資をしたい人にとっては良い商品ばかりだと思います。
今回、オール・カントリーが商品化されたことで、さらに一般的な商品が増え、インデックスファンドで気楽に投資したいというニーズに応える商品がほぼ揃ったことになるのではと感じます。
■ライバルは楽天のVTでしょうか?
ライバル商品としては、やはり「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」になるのでしょうか。
楽天はVTのETFを直接買い付けて、全世界株式に投資するという方法ですが、先日の運用報告書で実質コストは高かったので、かなりのブロガーの人々に叩かれていました。
このタイミングに合わせて三菱UFJ国際投信が設定したのか分かりませんが、eMAXISシリーズの安定したコストでの運用を考えると、楽天よりもeMAXIS Slimの方が良いのではないか?と思う人が増えてくるのではないでしょうか。
日本人には「いつかはVT」という、ちょっとしたブランドイメージがついていますが、同じようなオール・カントリー商品ということで、安定重視でeMAXIS Slimにと思う人も増えそうです。
楽天にとっては厳しい時期での商品設定となりましたが、2年目が勝負だと思います。
実質コストを安くできれば、VTというブランドイメージで運用できると思いますが。
■マザーファンドは3つ
「全世界株式(オール・カントリー)」のベンチマークは、「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」ということです。
マザーファンドは3つ用意されており、「外国株式インデックス」「新興国株式インデックス」「日本株式インデックス」の3つで運用するということですが、マザーファンドはeMAXISシリーズで巨大なので運用に関しては安心できるのではないでしょうか。
実質コスト面もおそらく低コストで運用してもらえると期待していますが、約1年後の運用報告書を見ないと何とも言えないのが辛いところではあります。
■私の投資戦略では、まだオール・カントリーには投資しない
ここまで、eMSXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を紹介してきましたが、私自身はオール・カントリーのファンドは未だに積立していないです。
理由は、当ブログで何度か書きましたが、日本株式のインデックスにそれほど興味が持てないためです。
米国と違って、バブル期の高値を更新できていませんし、現状はアベノミクスや日銀によって底上げされている状況でもあります。
今後も少子高齢化社会で、日本株式のインデックスが上昇するような期待が持てないので、アクティブファンド(ひふみ投信・コモンズ投信)に厳選してもらって投資をするというスタイルにしています。
投資年数を重ね、年齢も上がって、資産形成から資産運用にシフトしてきたときには、オール・カントリーというファンドで、じっくりインカムを得るという手法にするかもしれません。
日本の低コストインデックスファンドの枠組み自体がどこまで成長するか分かりませんが、eMAXIS Slimの低コストファンドはかなり残りそうな気がしますね。