現役世代から老後資金を貯めないとって言われながらも、実際のところ、全く溜まっていないというか、不安に思っている人が多いんだなという印象が強いデータがありました。
今の現役世代の人は、老後2,000万円問題というのを言われているので、貯金をする人が増えていますし、貯金がある程度できれば、投資などの資産運用を始めようとする人も増えているようです。
けれども、今の老後世代の人達は若い時に投資をやったことないのか、短期間で資産を爆増させたいという想いからか、普通では考えられない商品を購入しているようです。
今日紹介するようなデータから感じるのは、投資は若いうちからは長期にやるべきだということが言えると思います。
若い時、現役世代に、そのような投資経験が無いと、老後になって投資期間が短いと感じるようになると、変な投資商品に手を出してしまう可能性があるということです。
■20代と60代の投資信託ランキングは全く違う
皆さんは、どのような投資商品を買っていますか?
今は、NISA制度などで、投資信託が注目されているので、ファンドを購入している人が増えていると思いますが、ファンドを購入する際の注意点があると思います。
金融庁が新NISAの対象外とした商品ですが、そうです、レバレッジ商品は新NISA対象外です。
まあ、理由としては長期投資に向かないからです。
短期で売買するものがレバレッジ商品だからですね。
それが、そのとおりの結果になっており、衝撃を受けました。
楽天証券のデータですが、20代の投資信託のランキングって下記のとおりとなっています。
- eMAXIS Slim全米株式(S&P500)
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim先進国株式インデックス
このランキングは全く違和感ないですね。
楽天証券なので、楽天の商品にメリットが働いていますが、おそらく、SBI証券だとSBI・Vシリーズに変わるだけで、大きくランキングが変わることは無いと思います。
なので、この結果は受け入れることができます。
対して、60代の投資信託ランキングとなると、様子が一変します。
- eMAXIS Slim全米株式(S&P500)
- eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
- 楽天日本株4.3倍ブル
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- 楽天日本株3.6倍ベア
このランキング、ちょっと驚きませんか?
3位に4.3倍ブル、5位に3.6倍ベアが入っています。
レバレッジは長期投資に向かない、言い換えると、短期投資向けと言っても、60代の人達にそんなに人気なのだとは思いませんでした。
これって、短期で投資を楽しんでいるのでしょうか?
私にはそう思えず、投資期間が短いと思っているから、短期で儲かるレバレッジ商品に偏った投資をしているのではないかと思うのです。
こんなことをしていたら、そもそも老後資金が少ない人が、さらにせっかくの退職金や貯金が無くなってしまうのが目に見えています。
今の若者や現役世代で、長期投資を視野にいれた商品選びをやっている人達は、老後になってもこのような投資商品を選ばないと思いますけどね。
■60代以上は個別株がお好き?
この結果は、金融教育をやってこなかった金融リテラシーの低さが結果に出ていると思えます。
さらに面白い結果もあります。
40代までの人は、個別株と投資信託の比率は同等、もしくは、投資信託の方が比率が多い傾向があるのですが、50代以上、さらには、60代以上になると、個別株の比率が多くなってきます。
70代以上にいたっては、投資をやっている人の8割以上が個別株をやっている結果も出ています。
70代以上の人で、投資をやっている人は、昔から投資といえば個別株というイメージが強いと思うので、投資信託なんかに目も向けないのかなと思います。
なんで、ファンドに手数料なんか払わないといけないんだという頭の固さも想像できます。
分散投資とかインデックス指数なんていう概念はあまり通用しないのかもしれません。
仕方ないですね、日本は金融教育をやってきたわけではないですし、インデックスファンドが根付いてきたのはここ数年ですから、年配者が知らない、信用ならない、そのように感じるのはある意味、必然なのかもしれません。
このような投資という方法が、まだまだバブル期以前の感覚が残っていると、投資で失敗する人の割合は減ってこないような気がしますし、さらに老後で焦って、手を出してはいけない商品に手を出してしまう可能性もあるのかなと思います。
若い人は間違っても、このようなレバレッジ型のブルベア商品には手を出さないことをお勧めします。
現役世代の人の大きなメリットは時間があることです。
投資はタイミングではなく、タイム(時間)です。
株式市場に長く居たものが勝つというのが、これまでの過去の投資データが物語っています。
老後世代の人達が焦ってやっているような商品がランキングで上位にあるからといって、それが日本中で流行っているわけではないということは知っておいた方が良いでしょう。