本日で「家計の金融資産」について、3記事目になります。今日は最後です。
一昨日は、金融資産の額に関するデータについて挙げました。
やっぱり気になる…金融資産アンケート結果から見える他人の家庭状況 - なんでも道しるべ
昨日は、金融資産の長期運用やリスク資産への振り分けに関するアンケート結果について書きました。
【続】やっぱり気になる…金融資産アンケート結果から見える他人の家庭状況 - なんでも道しるべ
資産運用というと怖いものという認識が強い人が多いのは確かなようです。
確かに、元本割れのリスクはあります。ただ、リスクを抑えておけば、怖いと感じるまではいきません。
恐怖感が拭えない人は、自分のリスク許容度以上のリスクを取っているだけです。ただ、リスク許容度は個々で異なって当たり前です。
『リスクを取れる人がリターンを得ることができる』のは間違いありません。
リターンが高く元本割れしない商品は、ハッキリ言って詐欺です。
貯金だけで、子育てや教育などの資金、老後の資金を確保するのは反対はしませんが、効率が悪いと私は思っています。
子どもや孫が豊かに暮らすには、リスク資産をポートフォリオに組み込み、長期運用を基本とするのが将来にわたっての投資であると考えています。
本日は少し話が変わりますが、同じアンケートの結果から、借入金と家計に関する結果を見てみたいと思います。
■借入金のある世帯
借入金のある世帯の割合についてです。
ここでの借入金は、住宅ローンやその他の借入金を指します。
ほとんどがが住宅ローンだと思いますが、その他に、教育ローンや自動車ローンなども入ってくると思います。
借入金のある世帯の2017年の割合は、「39.7%」でした。
過去10年間のデータを確認すると、40%前後を推移していますので、世の中の借入金に関する感覚は変わっていないことになります。
アベノミクスで景気の刺激をしていますが、日本人はデフレの時代をずっと過ごしてきたので、借金に対するハードルは下がっていないです。
借入金はマイナスの金利がかかりますので、良いことではないですが、長期運用のリスクと同じように、借入金がないと豊かさは増幅していかないと私は考えています。
特に住宅ローンは、数十年もの期間を現状では1%以下の金利で銀行が貸してくれるわけです。
住宅購入を全部貯金で賄うのも一つの方法ですが、貯金を一生懸命している間は賃貸に住むのもどうなのかな?と感じるわけです。
借入金額は、借入金のある世帯のみで、2017年は1,340万円とのことです。
これも過去10年ほどで大きく変わっていないので、家計のデフレマインドはなかなか変化していないと思います。
借入金の9割以上は住宅ローンだという結果です。それはあまり驚かないですね。
■家計のバランスと生活設計
続いて、家計のバランスに関するアンケート結果です。
この結果は面白いですが、選択肢とその割合は以下のとおりです。(2017年)
- 資産と負債のバランスにはゆとりがある 6.1%
- 資産と負債のバランスには不安はない 9.2%
- 資産と負債のバランスには不安を抱いている 14.1%
- 意識したことがない 66.1%
- 無回答 4.5%
先ほどの借入金のある世帯の割合が39.7%でしたので、借入金のない世帯は60.3%となります。
借入金のない世帯の人は、意識したことがないのか、不安を抱いているから借入金がないのか、それとも、借入金が無いからゆとりがあったり、不安はないのか。
結局は、意識したことないという世帯が66%もあるというのは、とても残念な結果です。
借入金があっても無くても、資産と負債のバランスについては意識しておくのが必要では?と感じます。
同じようなアンケートで、生活設計策定の有無に関しても回答割合がありました。
- 生活設計を立てている 36.7%
- 現在生活設計を立てていないが、今後は立てるつもりである 39.0%
- 現在生活設計を立てていないし、今後も立てるつもりはない 22.9%
- 無回答 1.4%
生活設計を立てている人は、先ほどの資産と負債のバランスは意識されていることでしょう。
ただ、興味深いのが、生活設計策定を今後は立てるつもりであるというのが39.0%もあることです。
生活設計策定に興味はあるけど、立てれてないということでしょうか。
二人以上世帯のアンケート結果なので、夫婦で話し合いができない家庭なのかな?と思います。
どちらかが主となって生活設計は立てないといけないと私は思いますが、まずは作ってみることが大切だと思います。
私はこのようなものに興味があるのですが、妻は全くといっていいほど興味なしです。
資産設計のExcelファイルをプリントアウトして見せても、ふーんっていった感じですので。(笑)
■老後の生活の不安
老後の生活についてのアンケート結果です。
「非常に心配である」と「多少心配である」の合計が、81.5%となっています。(各37.8%、43.6%)
それほど心配していないのは、17.8%という結果でした。
この推移は過去10年間で、徐々に心配している人が減ってきているようですが、10年前は約84%でしたので微々たる改善です。
心配の理由は、ほとんどベスト2の状態です。(複数回答できる)
- 年金や保険が十分でないから 72.7%
- 十分な金融資産がないから 69.6%
他の選択肢は50%を切っていますから、この2つの理由でしょう。
この2つに共通するのは当然、マネー関係です。年金と金融資産ということです。
心配しているのなら、なぜ自ら動かないのでしょうか?
国が自分たちを守ってくれると思っているのかな?
預貯金だけでは金利は微々たるものだということは肌で感じているはずですが、運用をするようにと国が後押ししてくれていても何もしない人が多いわけです。
しかしながら、心配はしているわけです。
国は、NISAやiDeCoという本当はしたくない税金を抑える制度を構築してまで、運用をしてほしいと働きかけています。
それは、少子化であり、人口が減るから、年金制度だけでは今の現役世代の人を老後に賄えないということが分かっているからです。
リスクがあり、元本保証がないので、絶対にしなければならないわけではないですが、年金や金融資産を心配しているのなら、自ら動くべきだなと感じます。
資産形成や資産運用は難しいというよりは、勇気がいることかもしれませんが、新しいことに挑戦するのも人生なのだと思います。