SBI証券から新サービスが開始されるとの情報です。
そのサービスとは、「米国株式/米国ETF定期買付サービス」とのことです。
おそらく、2018年から始まった「つみたてNISA」に伴って、米国ETFを投資信託としたファンド・オブ・ETFが乱立していることか、顧客離れが出ているのだと想像しています。
実際、我が家でも、私の口座では一般NISA口座を残して継続していますが、妻が新たに新規開設したNISA口座は「つみたてNISA」です。
「つみたてNISA」は、金融庁が認定したファンド・ETFを積立形式で買付できることがポイントではありますが、資産形成に一番効果的なのは何も考えずに定期的な買付を続けることです。
さらに、最近では「ワンタップバイ」などのスマホツールでの定期買付もできるようになってきています。
SBI証券がこのようなサービスを展開し始めたことで、他の証券会社にも様々な波及があると思われます。
■米国株式/米国ETF定期買付サービスの概要
サービス開始は2018年3月10日とのことです。(すでに始まっています)
前々から情報が入ってきていなかったので、おそらく、急な発表と、開始までの時間は少なかったと想像します。
「米国株式/米国ETF定期買付サービス」は、事前にしていた設定内容と元に、一定数量または一定金額以内の単元株を定期的に買付するサービスらしいです。
要点としては以下のとおりです。
- 定期的に買付したい日や曜日設定が可能。さらにボーナス月指定もできる。
- 株数(口数)指定/金額指定、円貨決済/外貨決済の組み合わせが可能。
- NISA枠ぎりぎり注文、課税枠シフト注文の選択もできる。
利用条件は以下のとおりなので、SBI証券の口座を持っていても、外国株式の取引を開設しておく必要があります。
- 外貨建商品取引口座を開設していること
- インターネットでのお取引が可能であること
- 「米国株式定期買付約款」「外国株式説明書」を閲覧、同意していること
外貨建商品取引口座の開設はそれほど難しいものではありません。
SBI証券にログインして、右列で並んでいるアイコンの中から、外国株式をクリックして「開設」するだけです。
数日(もしくは数時間)で使えるようになったはずです。
外国株式の取引画面が別になる点は私も最初は戸惑いがありましたが、特に口座維持手数料も無料なので、開設しておくだけでも良いと思います。
この取引画面が別になっているのは、SBI証券に改善してほしい点ではありますけど。
利用者が増えてくると、国内取引のシステムと一緒になるのかな?
■買付日の日付設定、曜日設定
では、一つずつ見ていきたいと思います。
まず「定期的に買付したい日や曜日設定が可能。さらにボーナス月指定もできる」という点です。
買付したい日付指定、曜日指定ができるということです。
残念ながら、営業日だけを買付できる毎日設定はできないようですが、上記の設定を上手にすれば、毎日設定もできるということです。
ただ、投資信託の積立設定と違う点は、単元以下の買付ができないということです。
当たり前ではあるのですが、米国株式や米国ETFを市場で買付するので、単位が決まっています。(米国の場合は1株(口)単位です)
米国ETFでも、1口は数十~百ドル程度はするので、毎日買付をするとNISA枠をオーバーしてしまいます。
課税口座で買付をすると、米国株式・ETFの売買手数料は割高であり、下限手数料が決まっていますので手数料負けしてしまいます。
したがって、投信のような100円積立みたいなものができないので、毎日買付はあまり意味がないものだということです。
NISA口座で買付手数料は無料にしてくれているので、買付日のリスク分散をする場合には、週に1回や月に数回の買付をしていくのが、買付ペースかと思います。
■株数(口数)指定/金額指定および円貨決済/外貨決済
続いて、「株数(口数)指定/金額指定、円貨決済/外貨決済の組み合わせが可能」である点です。
「株数(口数)指定/金額指定」については、株数指定は分かりやすいので問題ないですが、買い付け額が変わるという点では注意となります。上限が無くなります。
金額指定に関しては、金額指定内の金額になるように単元株を買付するということなので、上限が決まってくるわけです。
どちらが良いか微妙ではありますが、上限を決めておいて設定しておいた方が、妙に跳ね上がった時に買付されなくても良いというリスクヘッジからは有効かもしれません。
逆に下がった時に、通常よりも多い株数(口数)が買付できるのも有利な点であると考えられます。
「円貨決済/外貨決済」については、私の感覚としては、円貨決算の方が楽で、外貨決算の方がコストが安くなると思っています。
楽に積立を継続するのであれば、円貨決算を選択しておくと、ほったらかしの買付ができます。
外貨決済の場合は、あらかじめドル転をしておく必要がありますが、「住信SBIネット銀行」を使えば、ドル転のスプレッドが安いので、為替コストが究極に安くできます。
細かいことですが、塵も積もればとなってきます。
SBI証券と連携していますので、ドルの口座振替も簡単に完了することができます。
ただ、ドル転するタイミングを図ろうとしてしまうので、為替を気になるようになってしまいます。それに簡単といっても作業が一つ増えます。
ある程度、投資用資金に余裕がある人で、円高に振れた時に一気にドルに替えておくことができるような人は、外貨決済がコスト的に有利であることは間違いないです。
■NISA枠ぎりぎり注文・課税枠シフト注文
最後に、「NISA枠ぎりぎり注文、課税枠シフト注文の選択」についてですが、これは円貨決済との注意が必要な点だと思います。
「NISA枠ぎりぎり注文」はとてもよいサービスで私は今後も使ってみようと思っています。
ただ、「課税枠シフト注文」に関しては、例えば円貨決済で思いのほか買付時に円安に振れてしまっているとNISA枠がいっぱいになり、課税枠にシフトされます。
そうすると、あまり大きな金額の買付設定をしていない場合は、米国株式の取引は手数料が高いので、高コストな手数料を払うことになります。
米国株・米国ETFの買付に関しては、大きな金額を動かしていない、私のような弱小個人投資家は、NISA枠ぎりぎり注文で留めておくのが良いと考えます。
■まとめ
なかなか面白いサービスで、ようやくここまで来たかと思えるほど、使いやすいサービスであると思います。
私自身は米国ETFを保有していますが、米国ETFの魅力は何といっても低コストであるということです。
ただ、米国ETFの場合は、分配金がでますので、分配金再投資も上手く活用しなければなりません。
この分配金も、ドルで受け取るようにして、買付も外貨決済をすると、為替転換のスプレッド負けをすることがないです。
ほったらかしの方が都合が良い人は、投資信託を活用して「つみたてNISA」で買付するの方が楽だと思います。少しコストが上がりますが。
そういう意味では、少額投資非課税制度を活用した個人投資家に選択肢がもう一つできたのは、非常に嬉しいことです。
私自身、今年のNISA枠がまだ完全に残っていますので、どのように買付しようか考えられる楽しい悩みが一つ増えました。