2024年から新NISAが始まりますが、選べる商品の数が大変なことになっています。
新NISAはつみたて投資枠と成長投資枠の2つがあります。
それぞれ、年間120万円と240万円ということになっていますが、選べる商品としては成長投資枠の方が多くなっています。
つみたて投資枠は、現行のつみたてNISAで選択可能な商品が選べるようになっています。
先んじて、成長投資枠の方で選択可能な商品が発表されていっています。
この中に含まれている商品であれば、投資信託やETFへの投資が可能です。
成長投資枠の商品群に選ばれているからといって、つみたて投資枠に選ばれているかというと、それは違っていて、つみたて投資枠はさらに厳選されているということになります。
なので、選べる商品数としては、成長投資枠>つみたて投資枠という感じになりますね。
ただ一つ思うのが、この商品の数で、実は2000くらいの商品数を選択可能にしていく計画なのだそうです。
これを聞いて思ったのが、え?多くない?というのと同時に、以前のiDeCo問題ってなんだったのかな?という感覚です。
■iDeCoが広がらないのは商品が多すぎだから?
iDeCoは老後資金への資産形成ということで、節税ができる仕組みとして広がりましたが、一定数の広がりがあったのですが、それ以上は広がらないという問題が数年前にありました。
その理由が、選べる商品数が多すぎるって問題提起されたのです。
実際のところは、そんな問題ではなく、60歳まで引き出せないデメリットとか、そもそも、iDeCoなんて知らないという方や、投資なんて怖くて出来ないって人が多いのだと思いますが、何をどう解釈を間違えたのか、商品数が200以上もあるから選べないから広がらないんだという結論にあったのです。
その対策として、運用可能商品数が上限35商品となり、35以上あったiDeCoの販売会社は商品を厳選する必要が出てきました。
さらに、商品をいろいろ選ばせてあげたいとか、運用会社の業界都合により、プランが2つあるiDeCoも存在します。
まさしく、自分がやっているSBI証券のiDeCoがそれで、プランが2つから選べるようになっています。
本気で意味が分かりません。
この時はたった200の商品で多すぎ問題が出ていたのにも関わらず、今回、新NISAで2000もの商品から選べることになっており、かなり矛盾していると思いませんか?
■新NISAは2000以上の商品群から選択可能
商品数が2000もあったら、何を選べばよいか訳が分からないということになりますし、そもそも同じ指数の商品が何個もあるというのも起きています。
人気の米国株S&P500とか、オールカントリー商品とか、本当に何個も商品が存在しています。
結局は、信託報酬や手数料勝負になっているのですが、これもほとんど差が無い現状なので、最終的には自分が好きな運用会社を選ぶことになっているのが現状です。
これって、iDeCoの見解からすると、商品数が多すぎて制度が広がらないってことになりませんか?
おそらく、この商品数問題は見当違いだったのでしょうね。
iDeCoが広がらない原因は、もっと違う所にあったということにあります。
私が思うに、日本人のマインドです。
得する制度は何か裏があるのでは?とか、iDeCoなんて政府にお金が奪われるだけという勘違いがあるとか、年金なんて気にしてられない、いま生きるのが精一杯とか、株式運用なんて怖すぎるという考えもあるでしょう。
それが、iDeCo商品選びで定期貯蓄商品へ積み立てている人が多い問題がでているのだと思います。
■若い人はNISA?iDeCo?
新NISAでこれだけの商品数から選べるのであれば、iDeCoも商品上限の撤廃をして欲しいものです。
実際、最初は分からずにiDeCoの口座開設をしたけれど、投資に慣れてきて、この商品を選びたいけど自分のiDeCo口座の選択肢に入ってないという問題はたくさんあると思います。
私自身はある程度慣れていたので、ネット証券のSBI証券で口座開設しましたが、それでも、今はもっと良い商品が出ているから、それも選ばせてほしいなと思うこともあります。
新NISAが2000以上の商品から選択可能なのに、iDeCoが35商品上限なんて理屈にあっていないと思います。
まあ、iDeCo自身が退職金控除問題などを秘めていますので、これからはあまりキャンペーンをしないような気もします。
新NISAが1,800万円まで非課税枠があるので、これを使える人はこちらを優先に使うことも一つの考え方です。
iDeCoのメリットは節税ですが、退職金控除問題で節税効果が薄れてくる可能性もあり、さらに60歳まで引き出せないデメリットもあると、若い人はiDeCoよりも新NISAの方が使い勝手は良いような気もします。
50代以上になって、老後が見えてきて、教育費なども一息ついた人であれば、所得税控除と退職金控除上限の天秤をかけて、メリットが大きければiDeCoを選択するというのも考えの一つだと思います。
置かれた環境によってケースバイケースだと感じます。
商品上限問題って、結構難しいのですが、商品が多くて選べないから始めないって人は少ないと思います。
本気ややろうと志す人は、商品が数千あっても、きちんと良いものを選びますし、そのための情報収集も行いますからね。