お金を守るという感性は非常に理解ができます。私も自分のお金を減らされたくないです。
異次元金融緩和政策でも個人の預貯金比率が減っていないのは、当ブログで以前に取り上げました。
【今年はお世話になりました】自分流の投資スタイルを探す参考ツールとなるために! - なんでも道しるべ
さらにタンス預金が増えているようです。
確かに私の周りでも、タンス預金をしているという人が何人かいます。
今日はそんなタンス預金のことを書かれた記事を取り上げてみます。
■タンス預金の問題は金融市場との切り離され
タンス預金という風習は日本だけでないようですね。
量的金融政策を取ってきた、欧米でもみられたようなので、日本だけが預貯金が増加していて、かつ、タンス預金も増加しているわけではなさそうです。
金利が低下すると、おカネを銀行など金融機関に預ける気持ちを低下させる。
マイナス金利は個人顧客には適用されないものの、結果的に現金保有(いわゆるタンス預金)を増やす結果となった。
昨年末で現金(紙幣)の発行残高は106兆円超であった。
その内、タンス預金は約40兆円と言われている。
これも量的金融緩和・マイナス金利の副作用である。
タンス預金の増加は、同じ量的緩和政策を採用している日米欧で発生している。
タンス預金の問題点はいろいろある。
現金はマネーロンダリングに使用されたり、脱税に使われれば税収が下がる。
さらには金融およびその先にある金融市場と切り離されるために、金融政策の効き目が悪くなる。
そのため、早急に対応をしなければならない。
(引用:日銀はまもなく利上げ、1万円札はなくなると予想する理由、ダイヤモンドオンライン、宿輪純一、2018/1/24より抜粋)
タンス預金の増加による問題は、贈与税や相続税の税収懸念だけかと思っていましたが、「金融市場との切り離される」という問題があるのですね。
確かに、日銀は国民の資産を調査して、金融政策を考えているわけですが、タンス預金はおそらく消去法で残った最後の資産でしょうね。だれも把握できないわけですから。
そうなると、いくら、日銀が政策をとっても、全く効かない預金となるわけですね。
マイナス金利という政策を出しても(実際には個人までは影響はしていないけど)、期待した効果が得られなくなる可能性があるわけです。
ただ、個人的には、タンス預金でお金を守りたいと思う気持ちは分からなくはないです。
けれども、私はタンス預金をしていないです。
逆説的になりますが、インフレを起こさせようとしている金融政策に反して、個人的にタンス預金策を取ったとしても、自分に良い効果をもたらしてくれると思えないからです。
インフレが起きずにデフレになれば、お金を持っている人が得をするわけですが、それは、先進国各国が取っている政策に逆行しているからです。
■セールスが面倒だからタンス預金?
ではなぜ、日本では、インフレ政策の逆のリスクを取ってまで、タンス預金が増えてくるのか?
贈与税や相続税対策といった、一部の富裕層のみの問題は置いておいて、ここでは庶民的な感覚での理由を考えてみたいです。
- 単に金利が付かない金融機関に預けておくのがバカみたいだから
- 金融機関に普通預金や定期預金で預けていると、投資信託や外貨預金などのセールスが面倒だから
- 金利がつかないのに、時間外手数料だけはしっかり取られるから
- マイナンバー制度が拡大することによって、預貯金を国に把握されるのが嫌だから
私が聞く話では、2.を理由にしている人がいました。
最近良くあるのが、給与振込を複数口座に分けることができるということです。
毎月、同じ金額を給与振込されていて、そのお金を積立のように貯めているという人が多いのです。
そして、その口座はできるだけ手をつけないように努力しているということ。
金融機関からすると、非常に良い顧客で、その口座をベースに、定期積金や投資信託のセールスをしてくるということです。
そんな積立をしている人からすると、定期積金なんて全く興味がないとのことです。
そんな定期をしても、金利が微々たるものしか付かないから、定期積金や定期預金の契約が面倒だと言っていました。
さらに、そのような現金主義の人に、投資信託のセールスは全く聞く耳のない話ですよね。
そして、そのようなセールス会話が面倒だから、タンス預金にするということです。
■マイナンバーの届け出でタンス預金が増える?
今後は、「マイナンバー」を理由にしている人も出てくると思います。
2018年からマイナンバーを預金口座にも届け出てもらうように、お願いが始まりました。
何でお願いなのか?と個人的には分からないのですが、ほぼ義務化に近いのではと思います。
株取引をしている人は、以前からマイナンバーの登録をお願いされてきました。
登録しないと、2019年から取引できなくなるのかな?と思います。
同じように、金融機関でもマイナンバーを提示してもらわないと、預金できなくなるってことになってくると思います。
そうなると、さらにタンス預金が増えそうな気がするのですが、どうなのでしょうか?
「マイナンバーを提出する=預貯金残高を把握される」という構図の考えが成り立つような気がします。
実際に、そうだとは言わないけれど、本質的には国民の預貯金残高を管理したいのでしょうね。
■1万円札廃止は効果ある?
預貯金残高を把握されたくないから、やっぱりタンス預金しておくとなったら、どうなるのでしょうか?
国はきちんと対策を取ると思います。同じ記事の中に紙幣廃止のことも書かれていました。
紙幣の廃止が始まっている。
まず欧州は500ユーロ紙幣の廃止を決定している。
さらなる高額紙幣の廃止も検討中だ。
日本も現金の電子化と紙幣の廃止を進めている。
日本の場合、対象は1万円札だ。
2020年に向け通貨の電子化を政策的に推進しており、新聞記事もひっきりなしに掲載されている。
1万札円の廃止は5年~7年後ともいわれている。
米国の場合は日本以上に難しい。
米国に駐在または旅行した方はお分かりだろうが、米国国内では100ドル札や50ドル札までもが、受け取りを拒否されるなど実質的に使用できない。
(引用:日銀はまもなく利上げ、1万円札はなくなると予想する理由、ダイヤモンドオンライン、宿輪純一、2018/1/24より抜粋)
さて、日本ではどうなるのでしょうか。
日本はよくガラパゴス化することがありますから、紙幣が無くなるということへの反発が起きる可能性はあるかもしれませんね。
以前に当ブログでも取り上げましたが、コンビニでの決算で、いまだに現金で支払っている人は約9割いるとのことです。
それだけ、現金レス化は進んでいないです。
この記事をみて、私が思ったのは、タンス預金派の人たちは、おそらく千円札をタンス預金するのでは?と思いました。
とても大量の札束になりますが、富裕層でなく、単に管理されるのが嫌という人はそうなるような気がします。
■新紙幣発行+マイナンバー制度
ド素人の私が考える方法は、新紙幣発行+マイナンバーです。
紙幣を新しくして、旧紙幣を使えないようにしたら、新紙幣に交換せざるを得ません。
さらに、金融機関での新紙幣への交換には、マイナンバーを登録が無いと交換できないとする方法です。
そうすると、マイナンバー登録をしなくてはいけませんし、タンス預金額が一気に把握できるわけですね。
でも、そんなことをしたら、抜け道を考える人は絶対いると思いますけどね。
■現金レス化の方策
あと、現金主義から、現金レス化にする方法としては、私は高速道路のETCカードが参考になると思っています。
ETC化するための方策として、現金支払いはETCよりも高くなるという設定を目に見えるようにしました。
この「目に見えるように」というのが必要だと思っています。
クレジットカード決済はポイントが溜まってお得と知りながらも、現金支払いの人が多いです。
逆に、スーパーでの買い物時の支払いで、例えば『現金支払いは10%付加されます』とするわけです。
値引きではなく、付加されると、人いうのは非常に損をした気になるわけです。
同じように、買い物袋も同様の傾向が出ています。
以前は、マイバック持参でスタンプカードにハンコ1個で貯まったら値引きみたいな感じでしたが、今では袋1枚5円などとなっています。
お金を取られるならということで、マイバック持参の人が一気に増えました。
同じようにすれば、一気に現金レス化してくると思います。
それが、タンス預金減に繋がるかは分かりませんが、現金大好きな人は時代とともに減ってくるかもしれませんね。