もうすぐ2024年になり、新NISAが始まります。
最近は投資ブームになりつつあるので、何もしていない人は少し焦っている人が出てきているようで、様々なところで、様々な質問が飛び交っているです。
一番の問題点は、今持っている資産からいくらの金額を投資に回すのか?って話ですが、そもそも日本人は10%ちょっとしか投資していませんからね、これが平均値だと考えると、やっている人はトコトンやっていますから、投資未経験って人が大半でしょう。
そのような人が、急に、新NISAで年間360万円上限とか、生涯で1,800万円上限とか、そのような制度改正を説明されても、違う世界の話なのでしょうか?という受け止め方しかできていないでしょう。
逆に、ブームに乗り遅れて、焦っている人は、自分のリスク許容度も分かってないうちに、何を投資したらよいのか?とか、分割が良いのか、一括が良いのか?なんて、質問が出てくるのです。
本当に資産の大半を投資の世界に放り込むことができるのか、その辺りは十分に検討した方が良いです。
特にこれまで投資なんてやってこなかった人は、本当に注意です。
マスコミで新NISAが取り上げられるとブーム化するので、乗り遅れたら大変だという焦りがでてきます。
それにより、そこに付け込む営業がありますから、それで騙されることだって十分にあり得ますからね。
このように言いつつも、非常に気になっていることがあります。
それは生活防衛資金の金額です。
投資をやってない人は全くやっていないですが、これから始める人に、生活防衛資金として2年分を貯めましょうというアドバイスを見て驚きました。
確かに、リスク許容度が低い人が急に初めて、投資比率を大きくするのは危険ですが、生活防衛資金を2年貯めるまで投資はやるべきではないというアドバイスはちょっと変です。
2年も必要ないですし、そもそも、2年分も貯めるとなると、何百万円も必要になりますから、貯蓄ゼロが3割を占めている日本で、そんなことをやっていたら投資なんてできません。
投資を貯蓄の一部とすると決めるなら、2年分なんて金額を貯めないで、数ヶ月分とかでサッサと投資を始めてしまった方が良いということです。
■アドバイザーは自分の立場を気にしている
最近は、ファイナンシャルプランナー(FP)だけでなく、投資系のユーチューバーなども、資産形成や投資に関する質問のアドバイスをしています。
ちょっと本などを読めば分かることではあるのですが、書籍の知識だけだと不安に思うのも分かりますので、確証が欲しいというか、他人に直接回答してほしいという想いも理解できます。
けれども、回答者のリスク許容度も人によって違いますから、答えてくれた人のとおりにする必要もありません。
このブログも、私自身のリスク許容度で発信している部分が多いにありますから、万人受けするようなアセットアロケーションではないですし、ポートフォリオでもないと思っています。
人によって、家族の環境や住んでいる場所も違いますし、稼ぐ力や支出の量も違いますから、100人いたら100通りの資産運用方法があって当然だと思っています。
したがって、生活防衛資金も様々な意見があって当然だと思っていますので、3ヶ月分という人もいれば、半年という人もいますし、金額として100万円という人もいます。
まあ、1ヶ月分でOKと言う人は今まで聞いたことないですけどね。
今回、生活防衛資金が2年というアドバイスを聞いて、それは無いだろ!って突っ込んでしまいました。
アドバイスをする人って、結構、質問者のことを考えるのではなく、自分の立場を考える人も多いです。
その人が深層心理では、半年や100万円だと思っていても、その金額で始めてしまって、もし質問者が損をしてしまったら怖いし、後から余剰資金のことで言われたくないと考えると、2年というとかなり無難だと思うのです。
そのような想いが出ているのではないかと想像します。
■生活防衛資金を貯めながらも少額投資を始めよう
そもそも、生活防衛資金を貯めるまで、全く投資を始めないというのは、私からするとナンセンスです。
今の時代、買付手数料のかからないノーロードの投資信託が一般的で、1ヶ月に100円からでも投資できる状況なのに、何も始めないというのはあり得ません。
生活防衛資金は必ず貯める必要があると思いますが、結局、貯めたところで、リスク許容度がゼロだったら、投資なんて始めることはできないです。
それは生活防衛資金が半年なのか、100万円なのか、はたまた2年分なのか、そんなことは関係ないのです。
生活防衛資金を貯めながらでも、月100円でも良いから投資を始めることです。
たった100円でも、されど100円であり、投資により増えた、減ったというのは、精神的に気になるものです。
全く投資をやったことない人は、100円であっても、投資を始めることで、世の中のニュースや経済に興味が出てくると思います。
最後に、私の感覚では、生活防衛資金は3ヶ月分です。
金額としては100万円でしょうか。
それだけ持っていれば、あとの資金は投資に全力でも良いと思うのですが、そんなことをできる日本人はほんの一部です。
投資を投機だと勘違いしている人は別で、そのような考えの人はそもそも生活防衛資金を貯めることが出来ていない人が多いでしょうから、資産形成のスタートラインにすら立てていないと考えています。