「ひふみ投信」を運営しているレオス・キャピタルワークスには3つのファンドがあります。
- ひふみ投信
- ひふみプラス
- ひふみ年金
3つのファンドは同じマザーファンドで運用しているので、投資方針や銘柄は同じです。
したがって、この3つのパフォーマンスに変わりはありません。
基準価額が違いますが、これは、設立日が異なるからです。
投信でよく勘違いが起きるのは、基準価額が割高とか割安とか判断する人がいますが、違います。
私も最初は勘違いしていました。
基準価額は、毎日、貸借対照表で計算されますので、基準価額の比較はできません。
貸借対照表と信託報酬で、ひふみの3ファンドに関して、私が今になって気づいたことがありました。
今回はそのことを書きたいと思います。
基本は同じでありますが、3つのファンドの違いは、購入方法と信託報酬にあります。
■購入方法
購入方法としては、
- ひふみ投信は直販。
- ひふみプラスは販売会社を通じて購入。
- ひふみ年金は確定拠出年金。
購入方法は、それぞれに特徴があり、私は直販でひふみ投信を購入していますが、2018年のつみたてNISA開始により、ひふみプラスにしようと考えています。
それは、NISA口座が1つしか開設できないからです。
ひふみ投信でつみたてNISA口座を開設すると、ひふみ投信しか購入できません。
販売会社の例えば、SBI証券や楽天証券につみたてNISA口座を開設すると、ひふみプラスの他に、他の投信も買付可能になります。
投資の基本は分散ですので、ひふみの3ファンドは非常に良好なリターンをたたき出していますが、過去は過去です。
ひふみの投信も積立するけれど、他の投信も積立するという姿勢が必要かと考えています。
■信託報酬
信託報酬が今回の記事のメインになります。
信託報酬が3ファンドで異なります。これも悩む要素の一因であるのですが。
- ひふみ投信は、0.98%(税抜) ※資産形成応援団という還元制度がある
- ひふみプラスは、純資産総額が500億円までは0.98%(税抜)、500億円を超える部分は0.88%(税抜)、1,000億円を超える部分は0.78%(税抜)
- ひふみ年金は、0.76%(税抜)
この制度は非常に複雑なので、同じマザーファンドなのに信託報酬が異なることで、どれにしようかと変な悩みが出てきます。
でも、気づきました!そんなことは一切気にしなくて良いです。
レオスは、この3ファンドの基準価額の推移をホームページ上で毎日更新しています。
前日比という項目がありますが、その数値を確認すると、「ひふみ投信」も「ひふみプラス」も「ひふみ年金」も同じ値です。
少々0.01%程度の違いがありますが、それはその日だけの問題で、次の営業日になると修正されていることでしょう。
(修正:2017/12/29)
上記のように考えていましたが、信託報酬は年率なので、日々の基準原価には日割りでかかってきます。したがって、毎日の差は非常に小さいので、前日比では分からないのではないかと思いました。
基準価額が先ほども書きましたが、設定日がことなるので、3ファンドは異なって当然です。
したがって、どのファンドを購入しても比率が同じなので、全く問題ありません。
そこに、先ほどの信託報酬と貸借対照表が絡んできます。
基準価額は、毎日、信託報酬やその他の経費などを計算して、算出されるわけです。
信託報酬が3ファンドで異なっているのだったら、基準価額の前日比が異なって当然だと思うのですが、3ファンドは変わりません。
ということは、この3ファンドに均等に信託報酬がかかっていることになると思います。
■ここが重要!
ひふみ年金は確定拠出年金なので、信託報酬が0.76%(税抜)となっていますが、買付・売却の仕組みが違うので、今回は置いておきます。
「ひふみ投信」と「ひふみプラス」を比較すると、ひふみプラスが純資産総額によって安くなっていくので得なような気がしますが、全く関係ないことになります。
ひふみ投信を買付している人が、ひふみプラスと比較して損しているように感じていたのですが、ひふみプラスの信託報酬が下がっている利益は得られているということです。
さらに、ひふみプラスを最初に始めた人(500億円までで購入した人)であっても、しっかりと現在の1,0000億円を超えた信託報酬が享受されていることになります。
そうすると、「ひふみ投信」の信託報酬の欄で※印で書いた資産形成応援団というのが、別枠でかかってくるので得ということになります。
資産形成応援団というのは、5年以上保有している分には0.2%を還元し、10年以上保有している分には0.4%還元される制度です。
これは、説明上では信託報酬が実質安くなるとされていますが、基準価額を計算するときには反映されていなく、個人ベースで還元されるので、得ということです。
私の結論としては、信託報酬などの手数料を安くするためには、やはり直販の「ひふみ投信」が最も得ということです。
ひふみプラスが証券会社等からの買付ができることがメリットで、先ほど書いたように、NISAを利用する場合は他の投信も買付できます。
資産形成応援団がある「ひふみ投信」 vs 買付方法の多様化にメリットがある「ひふみプラス」 ということになるでしょうか。
■所感
これまで、何も考えずに基準価額の報告値を見ていましたが、前日比を見ても何で一緒なんだろう?って思わなかったです。
逆に、信託報酬の違いで悩んでいた時期があったので、この仕組みを考えていたらそんな悩みはいらなかったです。
私は、つみたてNISAを2018年から始めようと手続きをしていますし、「ひふみ投信」だけで枠を使うのは分散の意味からも良くないと考えています。
資産形成応援団のメリットを受けれませんが、「ひふみプラス」で進めようと考えています。
レオス・キャピタルワークスとしては、買付・売却・解約などを頻繁にされやすい「ひふみプラス」よりも、どっしり腰をすえて買付してくれる直販の「ひふみ投信」のお客様を第一に考えているのだと思います。