前回の記事で、S&P500指数の投信でビッグ2のeMAXIS SlimとSBI・Vを紹介し、リターンがeMAXIS Slimの方が高いのですが、実質コストが高いeMAXIS Slimの方がリターンは高いというのが変だと思い、運用報告書の内容から私の考えを書いています。
結果としては、ベンチマークとのかい離がリターンをもたらしており、そのかい離で要因であるなら、それによってリターンが高いのであれば、それは逆も有り得ることなので少し危ないです。
どちらを選んでも大差はないのですが、リターンだけを見てeMAXIS Slimを推奨されているのは変だと思いますので、気になる人は一つ前の記事をご覧ください。
さて、その記事において、私が投資している商品がSBI・Vの方であると書きました。
それは実質コストの手数料が低いという理由が第一ですが、実はもう一つ理由があり、本日はその理由を書きたいと思います。
データというよりは、少し感情的な部分なので、共感できない人は無視してください。
■SBI・Vは楽天証券からは投資できない
最初に結論から書くと、「eMAXIS Slimの方が楽天証券経由で積立投資している人が多いはずだから、逆に怖くて投資できない」という理由です。
詳しく説明すると、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)という商品は三菱UFJ国際投信が運用しており、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの方はSBIアセットマネジメントが運用しています。
グループ会社間の問題があり、個人投資家が良く利用している2大ネット証券は、SBI証券と楽天証券だと思いますが、それぞれで扱っている商品が異なります。
eMAXIS Slimはどこでも扱っているのですが、SBI・Vは楽天証券では扱っていないのです。
SBIグループが嫌がったのか、楽天グループが嫌がったのか分かりませんが、楽天証券がSBIアセットマネジメントの商品を販売しないのです。
元々、S&P500の商品はeMAXIS Slimの方が早く設定したので、純資産総額はeMAXIS Slimが2兆1千億円で、SBI・Vが9千億円となっており、圧倒的にeMAXIS Slimの方が多いです。
とはいえ、100億円あれば投信は安定運用ができると言われていますから、どちらも全く問題ないんですけどね。
このeMAXIS Slimが早く設定されて、早く販売されていたことから、eMAXIS Slimファンが多いのも事実で、また、楽天証券のサービスにより顧客が多いのも事実なんですよね。
よくある話では、楽天カードで投信積立をすると、楽天ポイントがもらえるって話ですね。
ポイントが欲しいというのと、投資も始めたいという、2つの想いから楽天証券で投資を始めた人が大量に存在します。
それが怖いことなのです。
■楽天ポイントの改悪で顧客が離れる可能性も
クレジットカードによる投信買付は、今でもやっている人が多いですが、最初の頃はかなりブームになっていて、積立投資よりもポイント還元がかなり記事になっていたことがあります。
これにより今の純資産総額になっているのだと思いますが、この流れってある意味危険です。
というのは、今まではインデックス投資って結構安定していました。
もちろん、コロナショックはありましたが、コロナショックは金融政策により数ヵ月で元の株価に戻っていましたし、逆に2021年の年末まではさらに爆上げしていたので、投資資産が増えた人が多いです。
また、2022年からの米国金利上昇による株価下落でも、円ベースから見ると為替の円安効果により、それほどダメージを受けていないのです。
なので、様々な大きな調整があったとはいえ、投資マインドを変化させるほどのものではありませんでした。
けれども、ここから先は分かりません。
以前、ITバブルが弾けた時や、リーマンショック後の時には、インデックス投資は終わったという噂が出たほどにインデックス投資から離れた人が世界中でいました。
そのようなことが起きると、楽天証券で始めた投資初心者というのはそのまま売却しないで投資をし続けるかどうかが微妙だと思っているのです。
ポイント欲しさに積立投資をしていたとしたら、逆のマインドが浸透すると、一気に売却する人が増えてくるかもしれないと感じているのです。
■SBI証券は昔のEトレードから引き継いでいる
対して、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの方は、楽天証券での販売が無いので、楽天ポイント欲しさに投資をしている人はいないです。
もちろん、SBI証券にもポイントサービスがあるので、SBI証券利用者にポイント欲しさでやっている人がいないのかと言ったら、いると思いますし、私もその一人ですが、SBI証券って昔のEトレード証券からの利用者も多いので、楽天証券利用者に比べると投資玄人の人が多い印象です。
なので、SBI・Vの方が、様々な株価調整を経験している人が多いので、積立投資を継続することや、バイアンドホールドをしっかり出来る人が多い印象です。
あくまで、私の偏見なので、楽天証券をやっている人でも、しっかりと自分の軸を持って積立投資をしている人も多いと思いますが、何となくSBI証券で売買している人の方がブレない人が多そうなイメージです。
純資産総額の流入・流出って結構重要で、流入が続く方が安定していますし、無駄なコストがかかりにくいです。
運用報告書で比較している実質コストにも大きな影響を与えるので、安定して流入が続いている投信に乗っかるというのは非常に大切なことだと考えています。