親の間違った偏見が、子どもの成長や学歴に大きな影響を与えることを認識しておく必要があります。
私自身も、親として子どもを育てながら、世の中の常識と思っていたことが覆されたり、自分自身が子どもの時に聞かされていたことが間違っていたり、他人やネットの情報が実際と違っていたり、等々、いろいろな視点から情報を取るスタンスを取っています。
いまは、ネット社会ですので、情報を取ろうと思えば、どこからでも手に入れられます。
一昔前のように、誰かの情報を鵜呑みにしなければならない環境は無くなってきました。
情報戦と呼ばれる受験においても、塾や予備校などは、そのあたりの心理戦は非常に気にしているかもしれません。
惑わされず、いろいろな知識を入れながら、自分の子に最も良いと思える環境を整えることだと思います。
本日は、公立と私立について書きます。
■「公立高校に通うと楽しく自由。私立に通うと中学校の延長。」の嘘
小学校から大学にかけて、国公立に通うと学費が安くなるというのは事実で、私立になると費用が何倍もかかるというのは誰もが知っています。
今は高校が私立であっても様々な補助金によって、公立とさほど変わらない学費になってきました。
その点は大きな変革だと思います。
けれども、私自身は子どものころ、親から私立に対する常識を下記のように聞かされていました。
「公立高校に通うと楽しく自由。私立に通うと中学校の延長。」
「賢い子は公立に通う。勉強できない子は私立に通う。」
ずっとそう思って学生生活を送ってきましたが、実際、私立高校に通うことなく大人になったので、それが本当なのかどうなのかは知る由もありません。
ただ、いま分かることは、これは全くの嘘だということです。
私が学生の時というのは何十年も前ですから、今のように授業料補助が無い時代です。
ですから、親は私立の費用を払いたくなく、どうしても公立に進学してほしかったから、このような嘘を言ったのだと思います。
親の非常識や偏見が、子どもに影響を与える一例だと思います。
このような嘘を教えるのではなく、学費が払えないから公立に通って欲しいと正直に言うべきだと思うのです。
■「私立は塾に通わなくても良いようになっている」の嘘
公立と私立では学習カリキュラムが異なります。
公立の場合は、小中高において学校格差が起きないように調整していますが、私立は自由なので、そのような縛りはありません。
学習指導要領を守らなければならないと思いますが、それに乗っていて、大きく外れていなければ、自由裁量の部分は残っているように思えます。
娘が幼児教室に通っていた頃、その先生が言ったことです。
「私立は塾に通わなくても良いようになっている」
学校の先生によっては、塾嫌いの先生が多いのも事実です。
それは、塾がメインになって、学校の宿題や課題を後回しにする子がいるからだと思いますが、私立に通えば塾が必要なくなるというのは嘘です。
特に、私立小学校の場合、エスカレータで中等部に進学するのを除けば、中学受験が必要となりますが、中学受験の内容は小学校のカリキュラムで学習しない内容なので、塾に通うのは必須となります。
したがって、中学受験をする場合、公立であっても、私立であっても、塾通いは必要です。
公立小学校に通っている場合は、中学受験をするのか、地元の公立中学に通うのか、という選択があるので、必ずしも中学受験用の塾は必要ではありませんが、中学受験はちょっと異質なので、難しいポジションだと思います。
■「進学実績は学校主体の実績」の嘘
どの学校でも進学実績という情報を公開しています。
この情報を鵜呑みにすると、この学校に合格すれば、これほど高偏差値の高校や大学に行けるのではないかと夢をみるということです。
「進学実績は学校主体の実績ではなく、あくまで個人主体の実績である」
その学校に通っているだけで、そんな高偏差値の高校や大学に行けるはずもありません。
あくまで通っている生徒が、個人的に努力して得た実績であるこということです。
個人的というのは、塾や家庭教師などの力を借りえているということです。
ただし、輝かしい進学実績を持っている学校にはそれなりの利点があります。
それは、「足を引っ張る生徒が少ない」ということです。
中高生の思春期というのは、やはり様々なことに興味がある年齢です。
ちょっとしたことで、これまで頑張ってきた姿勢が脆くも崩れることが多いです。
様々な家庭環境や修学に対する姿勢が異なる生徒もいるでしょうから、同じ志の生徒が集まる学校というのは非常に大切です。
そういう意味では、優れた進学実績のある学校に通うことにはメリットがあります。
■親には情報を取捨選別する能力が必要
本日は、公立と私立のことを中心に、常識と言われてきたことが覆された内容を書きました。
これらの内容は、自身にも経験があった人もいると思いますが、何が正しくて、何をスルーするのか、は自分で判断しなければなりません。
情報が無限にありますから、取捨選別するのは個人の責任です。
情報化社会で生きていくうえでの必要なスキルであり、逆にいうと様々な情報があるがゆえに、上手く活用すれば、もっと有意義な子育てができるのではないでしょうか。