バフェット氏のバークシャーがIBM株の保有率を減らして、アップル株の保有率を増やしたという記事です。
この記事を単純に読んで、アップル株へ走る人だけにはなったらダメだと思います。
今日は、バフェット氏の投資方針と分散投資について考えます。
記事は重点と思われる部分を抜粋しました。
米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資・保険会社バークシャー・ハサウェイは7-9月(第3四半期)にIBMの持ち分をさらに減らす一方で、アップル株の保有を増やした。
バフェット氏は2011年、IBMに100億ドル余り投資した。
同氏は自分の専門外だとしてそれまでテクノロジー株を避けていただけに、この投資は多くの人を驚かせた。
その後、IBMが売り上げ減少に苦しむ中でも、バフェット氏はこの投資の正当性を主張してきた。
しかしバフェット氏は今年に入って自分の考えには誤りがあったと認め、IBM株を手放し始めた。
このIBMを巡る動きは世界の時価総額最上位を占めるようになったハイテク株への投資で、バフェット氏がいかに後れを取ったかを如実に示している。
同氏は今年5月のバークシャー年次株主総会で、早い時期にグーグルに投資しなかったことで「しくじった」と述べるなど、自分の判断の誤りを認めた。
しかし、バフェット氏はこの失敗から学んでいることも示した。
バークシャーの新たな主要投資先の一つはアップルであり、補佐役の一人が昨年投資を開始したことをきっかけにバフェット氏は持ち分を増やしている。
(引用:米バークシャー:アップル株保有を拡大、IBMは減らす-7~9月、Bloomberg、Noah Buhayar、2017/11/15)
■バフェット氏の方針
個人投資家には、IBMを保有している人が多いようです。そして、バフェット氏が保有しているから安心だ!と。
このように、バフェット氏がアップル株の保有を増やしたという記事が出ると、おそらく、アップル株が良いのではないのか?という推測により保有する人がふえるのではないか?と思います。
これだと、雑誌などの有望株30選を見て、買い付けていることと同じだと思うのです。
バフェット氏でさえも、テクノロジー株は基本的には避けていたように、個別銘柄を当てるのは非常に難しいということを示唆しているのではないでしょうか。
「グーグル」への投資しなかったことで「しくじった」と述べているけれど、新たな投資先は「アップル」なのです。
これだけ偉大な投資家であっても、悩んで、迷って、そして遅れて投資しているということですね。
米国が「アクティブ運用はインデックスに勝てない」というデータが出ているのが良く分かります。
米国のような右肩上がりの成長をしている国は、インデックス運用の方が都合が良いのかもしれません。
■分散投資を心掛ける
バークシャー・ハサウェイもしっかりと分散投資を心掛けていると思います。
先日、ある投信のセミナーに行きましたが、この銘柄は非常に良いと思っても、最大5%までしか保有しないというルールとしていると言っていました。
極論で、5%だと、最少20社への分散投資となります。
20社だと少なすぎるというのが一般論でしょうか。
マルキール氏の「ウォール街のランダムウォーカー」で紹介しているのは、分散投資によるリスクの軽減です。
分散投資は、できるだけ多くすれば良いってことは無いです。分散すればするほど、その分、不安定な企業も含まれることになるからです。
リスクが低めに接近してくるのが、おおよそ50銘柄の分散だと書かれていました。
それも同じカテゴリーの銘柄ばかりの50銘柄だとダメだと言われています。地域とカテゴリーの分散が本来必要だということです。
個人で投資する場合、50社でも管理が十分大変な気がしますね。
この記事から、バフェット氏のアップル保有によって、アップルへの投資を考える人が出てきますが、ここは一つ分散投資を心掛けましょう。
バフェット氏も当然分散投資をしているはずです。
1つの銘柄に一極集中は非常に高リスクであることを理解しておく必要があります。
■S&P500でアップル株比率を高める
この記事を読んで「アップル株」を持ちたいと思った人は、分散投資を心掛けるために、S&P500のETFや投信を保有するのが良いと思います。
S&P500の筆頭銘柄は「アップル」です。
当然、500社入っていますので、その他の銘柄も入っていますが。
S&P500の比率を上げることで、アップル株の保有比率が上がり、そして分散投資も問題ありません。
私だったら、S&P500を保有してアップル株比率を上げようかと考えますが、すでに私のポートフォリオではS&P500の比率が高いのが現状です。
少し前の記事で書きましたが、最近の米国株が絶好調で、S&P500のフリーETFであるSPDR500が全て現金化されてしまいました。
こんな状況は稀なのですが、それだけ相場が過熱状態であると思っています。現実は最適水準なのかもしれませんが。
SPDR500のフリーETFは売買してしまう葛藤を抑えられないので、少しでも継続保有するために、S&P500の投信への積立の必要性を強く感じてきました。
■参考までに過去記事を紹介
・フリーETFのSPDR500の保有率が0になった件
・信託報酬0.225%のiFree S&P500投信が安くて使い勝手良いと思える件
株や投信やETFの購入は自己責任ではありますが、様々な人の意見はとても参考になります。