つみたてNISAの認定ファンドに新たな風が出てきて非常に驚きました。
2018年までの開始まで1ヶ月と少しですが、年末まで何が起きるか分かりませんね。
■SBIアセットマネジメントより注目の新規ファンドが2つ
SBIアセットマネジメントより、手数料が安いインデックスファンドが12月に設定されるということです。
完全に後出しジャンケンだと思いますが、ある一面では非常によく考えたファンドの中身だと思います。
新規設定されるのは、下記の2ファンドです。
- EXE-iつみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド
- EXE-iつみたて新興国株式ファンド
この2ファンドで私が興味が出たのが、「つみたてグローバル」の方です。
したがって、今日はつみたてグローバルについて特徴を書きたいと思います。
■ベンチマークに驚き
「つみたてグローバル」の投資対象は全世界となります。
まず驚くのが、ベンチマークが「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」であることです。
これまで良く使われてきた、全世界のベンチマークは、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)」ですが、今回は異なります。
そして、今回の「つみたてグローバル」と同じベンチマークを使うインデックスがあります。
それが、2017年9月に設定された「楽天・全世界株式インデックス」なのです。
「楽天・全世界株式インデックス」はバンガードのVTのETFを直接買付しますので、VTがベンチマークとしている「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」が間接的にベンチマークとなるわけです。
今回、SBIアセットマネジメントは、確実に楽天・バンガード・ファンドに対抗してきたことになります。
■「VT」でないのに「VT」と同じベンチマーク
「つみたてグローバル」の投資方法はETFの買付となりますので、これも「楽天・全世界株式インデックス」と同じです。
ただし、「楽天・全世界株式インデックス」はVTのみを買付しますが、「つみたてグローバル」は下記のETFを買付することで異なります。
- シュワブ U.S.ブロード マーケットETF [SCHB](50%)
- SPDR ポートフォリオ・ワールド(除く米国)ETF[SPDW] (40%)
- SPDR ポートフォリオ・エマージングマーケッツETF[SPEM] (10%)
このETFの組み合わせで、「VT」と同じベンチマークになることに私は感心しました。
比率が50:40:10となっていますが、ベンチマークの市場性が変わってきたら、この比率も追従して変わっていくのかな?と予測できます。
■信託報酬は全世界対象では最安値
一番興味があるのが、信託報酬です。
設定から1年経っていませんので、実質コストが不明であることが不安要素ではあるのですが、純資産総額が右肩あがりであれば、それほど上がってこないと予想します。
ただし、実質コストばかりは蓋をあけてみないと分かりません。他の投信では、異常なコストアップになっているケースもありますので。
「EXE-iつみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド(SBIアセットマネジメント)」と「楽天・全世界株式インデックス(楽天・バンガード・ファンド)」を比べてみます。
- EXE-iつみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド 0.1388%(税抜)
- 楽天・全世界株式インデックス 0.222%(税抜)
この信託報酬には、各ファンドの信託報酬とETFの手数料が含まれています。
ここから、買付・売却時の手数料などの実質コストが判明してくるわけですが、「つみたてグローバル」は3つのETFを対象にしていますので、管理コストがかかりやすい可能性はあると思います。
ここでも、SBIアセットマネジメントは完全に楽天・バンガード・ファンドに対抗した信託報酬を設定してきていることが分かります。
楽天・バンガード・ファンドは、この信託報酬の発表をみて、どうするのでしょうか?
私の予想では「何もしないかな」と思っています。
なぜなら、ベンチマークが一緒というのは一部の個人投資家はしっかり見ていますが、「楽天・全世界株式インデックス」は「VT」のETFを直接買い付けているということが強みです。
日本人はなぜか「VT」が好きなようです。米国では「VT」の純資産総額があまり高くないようですが。
■積立するかどうかは悩み中…
ここまで信託報酬が下がってきたというのは、とても喜ばしく、私も非常に興味があります。
「つみたてNISA」という制度が低信託報酬合戦になるとは思いませんでした。
まだ開始まで時間があります。最初のロケットスタートが重要だと思いますので、12月に入ってからも何かの発表が出てくるかもしれません。
さて、興味津々の私ではありますが、この「EXE-iつみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド」を積み立てるかは悩みます。
おそらく、信託報酬が0.15%を切った状態だからといって、低コストを理由に積立はしないかな。
「VT」に投資をする「楽天・全世界株式インデックス」の時も、信託報酬よりも、全世界という括りで保留にしています。
やはり、「成熟した先進国」と「成長の罠がある新興国」にインデックスで投資をするのに少しの抵抗があります。
これがアクティブファンドで、投資先を厳選する投資戦略で、信託報酬1.0%以下(実質コスト1.5%以下)であれば、十分に検討対象になりますがね。