なんでも道しるべ

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【新NISAの枠復活制度は使うな!】36年間のベスト10日を逃すとリターンは半分以下になる

株は買うときよりも売るときの方が難しいと言われますし、自分もそう感じています。

新NISAでは、年間の上限は360万円までと決まっていますし、売却後も非課税枠は翌年に復活することになっています。

この枠の復活はこれまでのNISA制度には無かったことなので、この制度を好感している人も多いのではないでしょうか。

ただ、データ上ですが、買付したものは基本的には売却しない方が良いってことになっています。

もちろん、お金が必要な時は売却して現金化しなければなりませんが、いわゆる相場を読むと言いますか、安い時に買って、高い時に売ると言うスイングトレードは止めておいた方が良いです。

これは別に、相場を読むのが難しいと言っているのではなく、名言である「稲妻が輝く瞬間に相場に居合わせること」が大切だからです。

1980年~2016年の36年間のデータで、ベスト10日を逃すと、年利がかなり下がるというのは有名な話ですが、それを複利運用した場合のリターンはどうなるのか?というのを計算して下さった方がいます。

このデータを見ると、いかにスイングトレードをして、タイミングを計る運用をしているのが愚かな行為なのかが分かります。

■S&P500のベスト10日を逃すと

新NISAで枠復活制度が出来た理由が何なのか分かりませんが、その制度があったとしても、基本的にはバイアンドホールドとして、相場を読んだり、スイングトレードをしたりするのは良くないです。

もちろん、自分に自信があり、相場を読む力があって、スイングトレードをして利益を上げられるのなら話は別です。

S&P500の過去データで、1980年~2016年までのベスト10日を逃すとリターンへの影響はどうなのか?って話ですが、このベスト10日というのは、その日の上昇率が高い日をいいます。

36年のうちの10日ですから、これから未来で10日間を予言することなんて無理だと思います。

それが結論として愚かな考えだと言われる要因ですが、データはどうなっているかというと下記のとおりです。

S&P500年率 11.4%
ベスト10日を逃した場合 9.2%
ベスト30日を逃した場合 7.7%
ベスト30日を逃した場合 6.4%

このように、10日を逃しただけで、2.2%も下がる結果だったのですが、これだと投資をしたことない人にはピンとこないみたいで、これを36年間の複利計算を単純にした場合が下記となります。

S&P500を36年間複利運用 100%
ベスト10日を逃した場合 48.8%
ベスト30日を逃した場合 29.6%
ベスト30日を逃した場合 19.1%

年利では2.2%マイナスですが、これを複利運用計算すると、50ポイント以上も下がることになります。

ベスト10日を逃すだけでリターンが半分になるのですから、いかに市場に居合わせる必要があるのかが分かります。

どのような状況でも逃げるのではなく、居続けることが大切です。

■暴落直後にベスト10日の暴騰が来る

市場で稲妻が輝く瞬間っていつなのかな?って話なのですが、これも過去データしか見れないので、それで確認すると、暴落直後に稲妻の暴騰が来ているケースが多いです。

ほぼセットのように、暴落と暴騰が連続になっています。

さらに暴落と暴騰は、さきに暴落がきて、その後に暴騰が来るというようになっており、決して逆になってないのも特徴的です。

それだけ、暴落により市場が混乱した時に、急な投機買いが入ったり、市場のバランスを戻すための暴騰が入ったりするだと思います。

なので、暴落が来ても狼狽して売ってしまわないことが大切で、逆に、暴落時は少しでも買い増しできるような余力を残しておくのも一つです。

そして、買ったものは何があっても売らないという気持ちが大切で、それは平常時に分かっていたとしても、混乱時は必ず心が乱れるので、このようなデータはいつでも確認できるようにしておいた方が良いですね。

ところで、今回、この計算にはおまけがあって、良く書籍ではS&P500のデータが多いのですが、これをNASDAQ100で計算したらどうなるのか?って話もありました。

NASDAQ100の場合はもっと強烈で、下記のとおりとなっています。

期間は同じく、1980年~2016年の36年間のデータを拾っています。

NASDAQ100を36年間複利運用 100%
ベスト10日を逃した場合 33.5%
ベスト30日を逃した場合 14.8%
ベスト30日を逃した場合 7.7%

S&P500と違って、NASDAQ100はベスト10日を逃すことにより、60ポイント以上も下がっていることが分かります。

NASDAQ100は値動きが荒いのが特徴ですが、それでもバイアンドホールドをしなければならないので、S&P500で狼狽するような人はNASDAQ100だとキツイかもしれません。

けれども、これを乗り越えられる人はNASDAQ100の大きなリターンを得ることができます。

それが資産形成に繋がるのですから、それこそ余裕資金で投資をして、何があっても売らないという強い気持ちでバイアンドホールドをするしかありません。

したがって、新NISAの制度で枠復活がありますが、それを有効に使うってことはあまり考えない方が良いってことです。