投資において、最も重要なことは、アセットアロケーションだと言われています。
投資って、買うタイミングとか、利確とか、銘柄選択とか、ポートフォリオとか、そのような株取引に関することが重要だと思われがちですが、実は株取引を始める前のアセットアロケーション(資産配分)が一番重要です。
これを曖昧にしていると、リバランス効果は望めませんし、機会損失も起きますし、逆にメンタルがやられることもあります。
資産形成や資産運用を上手にやるためには、自分のなかでどのように配分するかを決めていかなければなりません。
とはいえ、ファイナンシャルプランナーのような難しい資産配分を考える必要なんて無いと思っています。
あくまで、生活と投資との関係性であり、個人投資家が考えるべきものはもっと先にありますから、アセットアロケーションで悩んでいたら前に進めないのです。
■素人投資家は現金と株式で十分
リスクもリターンもしっかり考えて、分散もリバランスもしっかりと対応する人であれば、アセットアロケーションには、現金と株式の他に、不動産や債券、金や仮想通貨、コモディティなども入ってくると思いますが、そもそもこれらをプロのようにコントロールできる人なんて少ないと思っています。
これから資産形成をする個人投資家ができる範囲としては、現金と株式の比率をコントロールするくらいでしょうね。
そこに、債券やREITや金・仮想通貨などを加えていくことになるかもしれませんが、それでも、きちんと分散投資をするために加えるのではなく興味が先にくると思います。
その程度で十分というか、考えたところで、何億円や何十億円の資産運用をしているわけではないので、大きなリスクヘッジにならないですからね。
数百万円や数千万円程度であれば、現金と株式でも十分かなと思います。
一部の投資マニアを除いてってことになりますね。
ところで、本日の記事の趣旨ですが、この現金と株式の割合について考えるうえで、現金にも2種類あることを書きたいと思っています。
現金が2種類?って思うかもしれませんが、実は現金には2種類あって、それをきちんと把握していないと、日々悩むことになるからです。
今日は簡単なアセットアロケーションを考えるうえで、現金を2種類に分けることを示していきたいと思います。
■現金には2種類ある
個人投資家がアセットアロケーションを考えるうえで、最初にしなければならないのが、絶対に現金で死守したいお金を決めることです。
直近で使う予定がある現金とか、老後のためにリスクに晒したくない現金とか、自分のリスク許容度的にここまでは現金で確保しておきたいとか、その辺りを比率もしくは金額で考えることが必要です。
実はこれが一番難しいのです。
なぜなら、株式投資をやりたいと思う瞬間って、市場が活性化していて、周りの成功体験を聞くことが増えたときです。
なので、機会損失になりたくないから、自分が思っているよりも多くの金額を市場に投入しそうになるものです。
ここは冷静になって、自分のリスク許容度を考えないといけないのですが、まだ株投資をしたことない人でだと、そのリスク許容度が分からないのです。
ゆえに、現金で死守したい金額や比率が分からないというのが普通です。
こればかりは、投資をやっていって、徐々に分かっていくものなのかもしれません。
逆に、投資を始めていって、自分のリスク許容度を考える瞬間を作らないといけないということです。
そうでないと、市場に流されてしまって、自分のリスク許容度を超えた投資をすることになりますから。
そして、現金が2種類あるという話ですが、この2種類とは、先ほどの「絶対現金で死守したいお金」に対して、「投資をしても良い現金」ということです。
投資をしても良い現金とは、現時点ではまだ株を購入していないけれど、いつかは買っても良いと考えている現金分という意味です。
というのは、一括投資と分割投資を考える場合、この株式投資をしても良い現金を把握しておかないと、死守したいお金にも手を付けてしまう可能性があるからです。
現金と株式の比率を考えたからといって、一気に現金から株式に変換してしまうのは、それはそれで危険な行為です。
データ上では一括投資が一番有利という数値が出ていますが、それを鵜呑みにして、一括投資をしてしまうと、自分のリスク許容度を超える可能性もありますし、まだ育っていないリスク許容度だってあるわけです。
現金には2種類あって、その2種類をそれぞれ分けて把握しておく必要があります。
新NISAが始まって、投資がニュースでも取り上げられるようになってきました。
そうすると、あまりにも投資額が大きいのでは?って思う人が増えている印象です。
自信のリスク許容度以上の投資をしてしまうと、少しでも含み損を抱えると、一気に狼狽してしまいますし、メンタルをやられてしまいます。
まずは死守したい現金の確保、そして、投資をしてもよい現金の把握、そこから株投資が始まることを忘れてはいけないと思います。