社会主義国よりも資本主義経済の方が国の成長は著しいと言われるように、子どもの学習にとっても、切磋琢磨できる環境は必要です。
小学校受験や中学校受験で、難関私立を目指す家庭があるのは、同じ学習モチベーションの仲間に囲まれた方が伸びるからです。
学校にはとりあえず行っておけばOKというような教育環境の友達や家庭と一線が引けるというのも一つでしょう。
まあ、競争率の低い平凡な私立だと単に家がお金持ちというだけの子もいるので、学習環境に重きを置くのであれば、学校選びも重要ですが。
同じ考えで、塾選びもとても大切です。
大学受験ともなれば、あまりにも年齢や勉強環境が違いすぎますし、個々の置かれた立場や自我なども違うので、いかに自分を律して勉強するかですが、小中学生の時であれば、学習環境は子どもにかなりの影響を与えると言えます。
■集団授業の方が成績優秀者が多い
塾一つをとってみても、集団授業、半個別指導、マンツーマン指導、家庭教師など様々な形態がありますが、小中学生の場合、成績の良い生徒は集団授業を受けている子が多いです。
母数が多いということもありますが、割合としても多いのではないでしょうか。
最近は個人のレベルに合わせた個別指導が流行っているので、個別指導塾に通う生徒が増えていますが、トップレベルの中学・高校へ受験する生徒は、やはり集団授業に在籍している人が多くなります。
その理由はとても明確で、切磋琢磨して、他人と比較されることが、最もその子のやる気を引き出すからです。
大学受験と異なり、中学受験や高校受験というのは、それほど難易度が高いわけではありません。
偏差値70超の超難関校などになると、難易度が異次元なので、ある意味天才しか行けませんが。一般的な難関校であれば、努力によって到達できる可能性が高いです。
その努力代を引き出すのは、やはり集団授業の環境だといえます。
■人数が多く、成績別にクラス分けをする塾
集団授業一つをとってみても、実は様々な塾があります。
地域密着型の塾であったり、大手のフランチャイズ塾であったり、地域では複数の系列校がある塾であったりと本当に多種多様です。
子どもにとって一番良い塾というのは、その子の性格によっても変わると思います。
例えば、成績の良い子が多いところだと委縮してしまう子に対し、自分より成績の良い子が多い方が燃える子もいるでしょう。
家から遠い塾だと行くのが嫌になる子もいれば、電車で通ってでも大手の予備校に行きたがる子もいるでしょう。
塾と本人の組合せは無限にありますが、実際に通える塾が圏内にあるのかも重要です。
ただ、これらの条件を考慮しても、やはり最も成績があがるのは、人数が多く、成績別にクラス分けをする塾です。
人数が少ないと「自分はこんなもので満足」という感覚がどうしても抜けません。
自分より成績の良い子に追いつきたい、成績の下の子には抜かれたくない、そんな意識が働く環境がやはり良いのです。
■中学校の場合は最初の成績が肝心
中学校の3年間は、良し悪しは別として、内申点というルールの中で戦わなくてはいけません。
学校間差や先生のえこひいきなどの問題が多々ありますが、文句を言っても仕方ありません。
置かれた立場で、精一杯頑張るしかないのです。
授業の受け方や提出物の配点もありますが、やはり一番はテストの成績です。
テストの成績でオール90点以上取ることが、成績を上げるための近道であることは間違いないです。
また、中学は3年間もあるのでなく、3年間しかありません。実際には2年半でしょうか。
さらに、最初の成績が最後まで尾を引くともいわれます。
ある意味、最初の印象が先生の印象として残るとも言えると思います。
最初に優等生だと思われた子は、3年間でテストの成績さえ下がらなければ、優等生の成績を貰えます。
逆をいうと第一印象で悪かった生徒は、なかなか這い上がりが厳しいといえます。
■先を見据えた塾選びを
全ては最初が肝心です。
最初の印象で決まると言っても過言ではないので、1年の1学期最初の実力テストと、1年の1学期最初の中間テストで、その子の印象は8割方決まると思います。
その為には塾選びはとても大切です。
安易に家に近いからとか、個別指導だから性格に合いそうとか、月謝が他の塾と比べて安いとか、そんな単純な理由で決めていないでしょうか。
後から後悔しても遅く、後から取り返そうとすると、最初よりも余計に費用がかかるものです。
塾選びの時点では、子どもの意見はあまり聞き入れられませんが、親はしっかりと塾を比較する必要があります。
大学受験という先を見据えて、今何が必要かという考えが必要です。
机に座って勉強する・しないなどという低次元レベルの塾選びだと、先が思いやられますね・・・。