大学入試と高校入試の合格判定は基準が違うと思いますし、母数の人数も層も違うので、仕組みの比較は難しいのですが、高校入試の合格判定のA~Eは非常に狭いなと感じています。
大学入試向けの模試でも、E判定が半分程度いるというのは有名な話です。
判定がA~Eの5段階あると、5段階を同一程度の比率で5分割しているように感じますが、実際のところ、ピラミッドの半分以下がE判定であり、D判定以上になると、一応半分以上の位置にいることになります。
なので、大学入試において、D判定であったとしても、あと数ヵ月で十分に逆転が可能だからしっかり勉強するようにと言われます。
塾の模試テストの結果から、高校受験はどうなのかな?と思ってみていると、もしかすると、大学受験よりも偏差値の点では広いかもしれませんが、点数換算するととても狭いなと感じることが多いです。
この辺りは母数の問題があるので、高校受験はバラバラに位置していることが影響しているのかもしれませんし、ちょっとした勉強や出題範囲の差で点数が目まぐるしく変わるので、その影響もあるかもしれません。
大学受験も同じなのかもしれませんが、結局、E判定出ない限り、誰にでも合格可能性があるのだろうなと思います。
■正答率の高い問題が正解できているか
おおよそ見ていると、E判定はその他の範囲になるので、EでもDに近いのか、全く遠いのかによって変わります。
ただ、D判定以上になると、あと何点でBになるのか、Aになるのかというのが分かってきます。
私の感覚では、DからAに上がるのは5教科でおおよそ25~30点です。
1教科あたり5点ないし6点になります。
この5点、6点というのが大きいのか、小さいのか、に関しては、採点をして間違った問題を分析してみないと何ともいえないところではありますが、中学生レベルの学習内容であれば、ちょっとした勉強量と範囲学習によって、このくらいの差は簡単に埋まります。
逆にいうと、たとえA判定を取っていたとしても、簡単にD判定まで落ちる可能性もあるということです。
採点後の分析結果を見て、周りの人の正答率が60%以上あるもので間違いがある場合、これらの問題は少し勉強すれば改善されていきます。
逆に、正答率40%以下の問題しか間違っていない場合、これはなかなか上げるのが難しいです。
とはいえ、正答率40%以上の問題を全て正解していたら、おそらく、公立トップ校であったとしてもA判定がもらえているでしょう。
あくまで、しっかりと難問を出すような塾の模試テストに限りますが、正答率の高いところからしっかりと取れて、ケアレスミスを減らせば、確実に合否判定の結果は上がってきます。
逆に、思うどおりの結果になっていない場合だと、何かの教科がとても不得意なのか、各教科で正答率が高い問題で何問も落としているのか、そのような単純な指摘ができてきます。
本人が何に該当するかを分析しておくことが重要です。
■判定はあくまで現時点
人間誰しも評価には敏感なので、判定がAだったら嬉しいですし、Dだったら焦る気持ちになります。
それが人間なので仕方ないことだと思いますが、これらのことを考えると、ちょっとしたことでDになり得ますし、出題範囲の運がよかったり、ケアレスミスが無かったりすると、Aになる可能性があるということです。
したがって、E判定でない限り、その志望校には挑戦すれば良いのですが、Aを取り続けていたとしても本番でやらかすことがあるでしょうし、Dを取っていても本番でしっかりと結果を出すことだってあるということです。
判定結果に一喜一憂してしまうことは当然ありますし、悪い結果は見ずに、良い結果だけを追いかけてしまうことだってあります。
受験は緊張しますし、近づいてくると怖いので、良い結果だけを見たくなるものです。
まあ、脳を騙して、目標に近づけるのであれば、その方法も良いかもしれません。
ネガティブ思考になるよりも、ポジティブ思考の方が良い結果になることだって多いからです。
一番大切なことは、今の結果はあくまで今の結果であり、1ヵ月後、2ヵ月後にはどうなっているかなんて分かりません。
自分自身の努力と、他人の努力なんて、日々比べようがないですし、入試本番でも自分の得意分野が出るのか、不得意範囲が出るのか、それも運の要素があります。
したがって、自分自身を見つめて、やるべきことをやるしか方法はないということになります。
本番で、この子なら合格するだろうという子が落ちたり、この子は挑戦校だなと言われる子が受かったり、そのようなことは普通に起きます。
それは、このような判定でAからDの点数が25点前後であれば、受験当日のメンタルなどで容易に入れ替わることがあるということです。
自分自身が本番のメンタルに強いのか、とても緊張するタイプなのか、緊張した方が結果が出るタイプなのか、メンタルがやられると失敗しやすいタイプなのか、どのような性格であるのかというのも、しっかりと自己分析しておいた方が良さそうです。