子どもの受験や入試を意識するようになると「偏差値」という数字から逃れることはできないです。
偏差値教育の批判はよく聞きますし、私も数字で評価するのはあまり好きではありません。
でも偏差値で評価されるのは仕方のないことです。
それは、何においても合格人数という定員が決まっているからです。
自分自身がいくら頑張っても、他人と比べて自分がどの位置にいるのかが重要です。
その点を考えるにおいて「偏差値」は切っても切れない関係になります。
■偏差値とは
私自身、偏差値というのは何となく分かっていましたが、詳しくは分かっていません。
偏差値というものが何なのか?と少しまとめておこうと思います。
結局、何なのかは明確に分からないのも偏差値ですね。
偏差値とは、集団のなかで、自分がどのくらいの位置にいるのかを表す数値です。
そして、平均点を偏差値50になるように変換したものが、偏差値となります。
この平均である偏差値50に対し、自分が高いのか、低いのかを把握できるということです。
■偏差値における「平均点との差」
偏差値をみるのに、2つの視点があります。
1つ目は皆さん意識していることですが、「平均点との差」です。
平均である偏差値50に対して、60であれば上位にいることが分かりますし、40であれば下にいることが分かります。
ただ、偏差値の数値の大小と順位が一致しないというのも偏差値の大きな特徴でもあります。
その理由は、偏差値は、偏差なので集団の点数のバラツキも影響するからです。
■偏差値における「得点のバラツキ」
2つ目の視点はあまり意識されていない人が多いと思います。
それが「得点のバラツキ」です。
2教科が、同じ点数を取って、平均点が同じであったとしても、偏差値が違います。
ここでは平均点よりも高い点数と取って、偏差値が上がる例で考えます。
まず、得点のバラツキが大きいものは、バラつく要素があるので、偏差値は上がりにくいです。
逆に、得点のバラツキが小さい時は、平均に密集しているので、偏差値が上がりやすいです。
したがって、問題の質や、受けた人数がとても影響しやすいです。
ある程度の人数が受験した場合には、バラツキの要素は無視できるレベルになりますが、人数が少ないと、正確な偏差値になりません。
また問題の質が悪くて、得点バラツキが極端に狭くなる、広くなるテストであっても、良くないと考えられます。
■偏差値と順位(簡便的な表)
けれど、やはり偏差値から大体の順位が知りたいものです。
そのような場合に、おおよそ偏差値から自分の位置がわかるような表があります。
おおよそ下記の対比で、自分の順位が把握できるように考えました。
本当なら1,000人位で考えるのが、正確に近くなるのですが、子どもは100人で考える方が分かり易いです。なので、下記の対比表が使いやすいです。
偏差値80:1位(ほぼ確実)
偏差値75:1位(だと思われる)
偏差値70:2位
偏差値65:7位
偏差値60:15位
偏差値55:30位
偏差値50:50位
偏差値45:70位
偏差値40:85位
偏差値35:93位
偏差値30:98位
偏差値25:最下位
■集団にいるメリットと危険性
この表を見ると非常に興味深いのが、偏差値60~40です。
偏差値50の平均点に対して±10の間、100人中約70人が密集しています。
したがって、単純計算になりますが(厳密には異なる)、この中で偏差値が1上がると、3~4人は抜く計算になるのです。
少し勉強すると一気に大人数を抜けることになります。
逆に言うと、この集団の中にいる場合はちょっと手を抜いただけで、すぐに何十人にも抜かれます。
■偏差値を上手く使う
この表からも分かるように、偏差値40~60の間にいると非常に成果が出やすいですが、怖い状態であることが分かると思います。
入試等で上位校目指すのであれば、こんな範囲にいたら危険です。
偏差値60以上にいなければなりません。
そして、60以上はちょっと上がっても、あまり人数は抜けないので、順位も上がってきにくいですが、安心して上位メンバーと対抗できます。
できれば偏差値65以上であれば、トップ10入りですので、励みになりますよね。
■親は偏差値を意識する
偏差値は客観的な指標なので、テストの点数だけの自分の成果よりも、広い目線で評価できる指標となります。
上手な使い方をすれば励みになりますが、下手な使い方をするとプレッシャーにもなりかねません。
子どもは点数だけで判断することが多く、100点なら嬉しく、80点なら惜しい、60点なら悲しい、となりますが、親は偏差値をしっかり確認することが大切だということです。