英検の検定料が値下げされることになりました。
昨年は英検の検定料が連続で値上げされて、社会問題になりつつありました。
私も記事で書きましたが、4技能試験に対応してきたこと、コロナ禍でも人数制限することなく受験機会を与えてきたことなどが理由で、値上げが繰り返されてきたのだと推測されますが、それでも、受験生の立場だと、あまりにも高過ぎる検定料でした。
国や文科省がもっと支援すべき内容かと思いますが、方針だけ決めて、運用は現場まかせの良くある光景ですね。
仕方のないこともありますが、ただ受験生としては受験の機会は限られていますし、人生を左右するポイントになるかもしれません。
お金が足りないからという理由で受験機会を奪ってしまうのは、国の教育方針からして、どうかと思います。
英検というのは、社会人が受ける他の語学検定と比べて、受験生が多く利用する検定です。
今回、値下げが発表されましたが、それでも高い印象がありますから、国の支援を考えるべきかと本気で思います。
そうでないと、家の経済事情が、そのまま学歴格差につながってしまいます。
一時流行った親ガチャになりかねませんからね。
■1回の検定で1万円を超える試験なんて
さて、値下げに関してですが、全ての級の値段を挙げるとキリがないので、我が家で目標にしている準1級を対象に書きたいと思います。
従来型の受験と言われる、年に3回の受験機会で、会場に一同に集まって受験するものは、2021年の検定料は1万700円でした。
1万円を超えたということで、かなりの反発がありました。
準1級というのは、少し英語が出来る人や、得意にしている人にとっては目標になる級です。
特に私文などの場合は、準1級を持っていると満点扱いなどのメリットがありますから、高校の時に出来るだけ受験しておきたいと考える学生も多いでしょう。
にも関わらず、検定料が1万円を超えるというのは、理解がある親の家でないと、なかなか厳しいと思います。
1回の検定で1万円ですよ。
ちょっと考えられませんよね。
いくら難しい級の準1級であったとしても、半値くらいで受験できないと、何回も受験しようという気分にすらならないと思います。
それに、一気に二次試験まで突破できるなんて、そんな英語堪能者は限られています。
一次試験を突破しても、二次試験で不合格という人なんて山ほどいますから、結局は2度3度の受験機会が必要なわけです。
その度に1万以上の受験料を支払うのですから、ちょっと考えられないですね。
■値下げでなんとか1万円を切った
では、今年の値下げはどうなったのかと言うと、次のようになりました。
従来型が9,800円、S-CBTが9,900円です。
まあ、何とか1万円を切った設定にしてくれましたが、それでも税込みは1万円オーバーは変わりません。
もう少し値下げしてほしいところですが、現実はこれが限界なのかもしれません。
私が思うに、最も経費がかかっているのは、ライティングだと思っています。
コロナ対策で会場確保などの経費はもちろん掛かっていると思いますが、それでもコロナ禍前から値上げがあったのですから、ライティングの採点費用は尋常じゃないほどのお金が動いていると思っています。
これはね、4技能と言った文科省の責任は大きいと思いますよ。
マークシートだけで採点できる一次試験に戻すべきだと強く思います。
■S-CBT試験の方が高くなる原因を考える
なぜか、従来型よりもS-CBT試験の方が高くなりました。
これまではS-CBTの方が安かったのですが、今回の値下げにより逆転が起きてしまいました。
S-CBTの方が高くなる原因の本当のところは不明ですが、推測するとしたら、試験官一人あたりの受験生がS-CBTの方が少なくなるからだと思います。
会場にもよると思いますが、我が家の近くのS-CBT試験センターは台数が少ないのか、受験生が少ない印象です。
それでも試験官は2名いますので、従来型に比べて、経費が高くついていると思います。
このS-CBT試験も、4技能試験を大学入試に使えるようにするといった文科省の方針によるものです。
従来型だと受験回が少なく、また日程も選べないので、受験生にとっては辛い状況でした。
それを払拭し、受験機会を多く与えようとしてくれた仕組みがS-CBT試験です。
我が家としては、学校の定期テストや塾の模試テストのスケジュールを考慮できるので、S-CBT試験は非常に助かっています。
できれば継続してS-CBT試験を続けてほしいのですが、もし今回の検定料の差に表れた、S-CBT試験の方が、経費がかかるのであれば、もしかしたら見直しになるかもしれませんね。
それは非常に困ります。
出来る限り、継続してほしいと思いますので、受験生もS-CBT試験を受けてほしいです。
従来型に比べて、戸惑うところがあると思いますが、これからの時代、コンピューターを用いた試験も多く出てきます。
早めのうちにS-CBT試験に慣れておくというのは、様々な形式に対応できるスキルが身に付くと思います。
まあ、どちらにしても、今の検定料はまだまだ高いですね。
受験生への支援を含めて国や文科省はもっと考えてほしい課題だと思います。