高校入試に関連する英語の試験は毎年目まぐるしく変わっていきます。
都立高校受験では、昨年度にスピーキングテストが導入されて、様々な問題点がニュースに出ていましたが、実のところ、大阪府でも形が違うけれども英語の試験が異なっています。
それが大学入試でも私立などで採用している外部試験による読み替えです。
学生の間では人気のある、英検、それから、TOEFL、IELTSです。
ほとんどの学生が英検の級で読み替えをしているようですが、これがまた年々凄いことになっているのです。
大阪府の公立高校入試って、A問題~C問題を各高校が選択することになっており、受験生はその指定された試験問題を解くことになっています。
A問題が標準で、BそしてC問題に行くほど難易度があがるので、当然、難関校はC問題を選択しています。
大阪府の上位の高校を受験する場合には、C問題を解く必要があります。
そのC問題ですが、意外と難易度が高いらしく、英検合格級の読み替えを使った方が点数が高くなるということが起きているらしいのです。
その読み替えですが、2級合格で80%、準1級合格で100%に読み替えしてくれます。
英語のテストは満点が90点なので、2級で72点、準1級で90点満点となります。
対して、C問題を解いた場合、2021年までの平均点が50点を切っているようで、最近はそこが問題視されたようで、22年度と23年度は60点を超えましたが、それでも、2級の72点読み替えに比べると低くなります。
そういうこともあり、府立高校の上位校を受験する場合には、C問題に挑むのではなく、英検利用で点数を確保しようとする動きが加速している現象が起きています。
そうなると、どうなるか。
当たり前ですが、大阪では、英検2級に合格する中学生がゾロゾロと出てくるわけですね。
その合格者の数ですが、それが驚く結果になってきたので、本日はそれを取り上げたいと思います。
■北野高校は英検2級合格が受験キップ?
英検2級というのは高校卒業レベル、準1級というのは大学中級レベルと言われています。
少し前であれば、中学生で準2級を取っていれば優秀で、2級を合格している生徒なんてほとんどいませんでした。
高校生になってから、英語の実力試しや、私大の受験に有利になるということから、英検2級や準1級にチャレンジする高校生が増えていますが、中学生で2級というとかなり上位者ということです。
それが、今となっては驚きの合格者ということになっています。
大阪でトップの公立高校は北野高校です。
北野高校は東大京大の合格者数がずば抜けていることから、近畿の公立高校ではトップの高校になっていますが、ここを受験する学生は、英検2級に合格している生徒が95%以上いるということです。
人数でいうと、受験者452人中、431人が英検2級以上に合格しており、さらにその中で30人の人が準1級に合格しているということです。
府立高校で2位以下の茨木高校、三国丘高校、天王寺高校、豊中高校もかなりの合格者の割合であり、茨木で83%、三国丘で75%、天王寺で84%、豊中で61%という結果です。
それ以下の高校でも10位くらいまでの高校でも30~60%くらいの人が2級以上に合格しているというデータが出ています。
人数にしても驚異的で、上位校だと200人~400人の生徒が2級以上に合格していることになっていますので、大阪全体で考えると数千人の中学生が英検2級に合格していることになるのです。
何度も言いますが、英検2級って高校卒業程度ですからね。
世の中の大学生でも英検2級に合格している人って、実は一握りです。
中堅層以下の大学に通う学生だと2級すら合格できない英語力だと思いますからね。
■大阪府の英語力は凄まじい
東京都ではスピーキングテストで賛否両論出ていますが、実のところ大阪ではちゃっかりと外部試験を導入して、英検2級以上の学生を確保していっています。
英検2級となると、そう簡単に二次試験のスピーキングは突破できないですからね。
それなりにリスニング力があって、スピーキング力も兼ね備えていないと、英検2級の二次試験は普通に落とされます。
3級や準2級までの二次試験とは全くレベルが違います。
このような取り組みによって、中学生そして高校生の英語力をアップさせている大阪府の取り組みには脱帽です。
高校入試まではその地域で戦えば良いので、地域に合った戦略で勉強すれば良いですが、大学受験になると全国大会です。
高校入試までは普通に地域内でトップの生徒でも、このような英検の取り組みをしてきた大阪府の生徒と戦うと英語では歯が立たなくなる可能性が大いにあり得ます。
大阪に住んでいる中学生は、中学校の時は大変かもしれませんが、この努力は大学受験の時にアドバンテージとして発揮できるということです。
大阪府立の公立高校の英語外部試験については、個人的には注目していて、毎年このようなデータはチェックしているのですが、年々合格者が増えていっている現状にはかなり驚いています。
今年、娘は中学3年なので、来年度に発表されるデータは同学年のデータになってきます。
娘の学年って、一気に英語学習者が増えた年度だと私は思っているので、来年度のデータは、もっと2級合格者が増え、さらに準1級合格者も増えていると思っています。
昨年度は準1級で100人未満ですが、来年だと100人は超えていると予想しています。
2級合格者はどこまで増えているでしょうかね・・・ほんと怖いくらいです。