なんでも道しるべ

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【教育格差の本質】宿題へのアプローチの仕方が家庭によって変わる訳

昔の人に比べて、現代の学生は勉強しなくなった?本当にそうでしょうか?

私は少なからずそんなことは無いと思っています。

その理由は、「昔と今では調べることに要する時間が雲泥の差である」からです。

一昔前の勉強では、ちょっと調べるだけでも、辞書を開いたり、図書館に行って調べたり、先生や友達に聞いたりと、かなりの労力がかかりました。

調べることに対する時間もかかっていましたが、その調査物まで到達するにも時間を要していたのです。

図書館に行くにも時間を要しますし、学校の先生を探すにも時間を要します。

また、友達に聞くにしても、今ではラインなどのSNSを使えば一瞬で質問できて、相手の都合の良い時に返信してもらえば良いですが、以前であれば、時間を調整して、待ち合わせて、ようやく開始といった具合です。

今と昔では時間に関するファクターが全く違っています。

では、今の学生は勉強しなくなったのか?というと、そんなことはなく、単に目標に到達するのに短い時間で達成しているから、あたかも勉強しないで過ごしていると思われているだけです。

しっかりとやるべきことはやっていると思います。

とはいえ、アクセスが早くなったからといって、それによって得られた時間をどのように使っているかが本当の勝負の分かれ目です。

現代の優秀な学生は、賢いのではなく、要領が良いのだと思います。

今日はそのような話です。

■調べものの宿題なんて容易すぎる

夏休みの宿題では、調べものやレポートの課題が出てきます。

今は、インターネットは簡単に使えるし、端末も個人で持っている人も多いです。

調べることに関しては、Googleを使えば楽勝で調べられることができるので、宿題のポイントはいかに読み手にとって理解しやすいか、整理された情報になっているか、などのプレゼンテーション能力を向上させる宿題となっています。

私は「昔だったら、この宿題は図書館に行っていたな・・・」と子どもに言うと、「え、面倒くさい」と言っていました。

確かにそうです。

社会の調べたもののレポートなんて、調べることに関しては一瞬でアクセスできる時代になりました。

昔では、資料が多いものに対して、レアなものであれば資料を探すだけで一苦労です。

調べることが宿題であったと思います。

それが、現代では一変し、調べることは容易だから、いかに整理してまとめるか、資料の整え方や発表のまとめ方が宿題のメインになっています。

■現代の宿題はプレゼンテーションの宿題

プレゼンテーションの宿題、これって意外と面倒なのです。

調べて、書いて、提出するだけなら、とりあえず調べてば勝ち的なところがありました。

それに対して、プレゼンテーション力の宿題になると、それは書き手の情報整理能力が問われます。

子どもにとっては、発表のセンスの問題です。

学校の先生は、一昔前に教育を受けた先生です。

そんな発表センスなんて、学校でしっかりと教えているわけがなく、とりあえず、教育委員会から指示された端末を使って、生徒主体の学習に取り組んでいるだけです。

先生とっては、非常にやり難い時代になったのかもしれません。

以前であれば、生徒が知らない知識を教えていれば良いのですから。

■学校の先生も混乱しているように感じる

様々な端末を学校でも使用していますが、それを家で使用できるかというと、持っていない家庭もあります。

また、パソコンを主体に触るのか、タブレットで作成するのか、そのような端末が無い家庭なら手書きで行くのか、現代では、そのような家庭環境の差が子どもの宿題の質にも影響を与えているのです。

それに、提出方法もいまだに紙ベースの提出が多く、下手をすると、画用紙に記入して提出をさせる教科もあります。

でも、教科によっては、パソコンで作成してもいいと言ったり、写真を載せたレポートにした方が分かりやすいと言ったり、本当にバラバラです。

ハッキリ言って、生徒からすると、混乱するくらいの宿題のバリエーションです。

頭の良い生徒は、要領よく、サッさと終わらせるものは、適切な端末を使って、時短で作成するのだろうなと思えてきます。

■現代は教育格差の渦の中

この要領よく宿題を終わらせるというのが、冒頭で書きたかったことです。

今の学生は様々なツールを持っていますから、時短で宿題を終わらせる方法やコツは知っています。

それを使いこなせる生徒であれば、夏休みの宿題は短時間で終わらせることができるでしょう。

対して、要領の悪い生徒や、ツールを家庭で持っていない場合は、一昔前の学生と同じパターンで宿題をすることになりますから、要領の良い生徒の何倍も時間がかかります。

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それが、現代ではまさに教育格差につながっていると思います。

こればかりは家庭事情があるので、格差を縮小させるのは先生の力ではどうしようもできないことですし、昔のような宿題の出し方をすると反発を食らう可能性もあります。

ここは難しいところだと思います。

様々な意見があると思いますが、安全面、セキュリティー面を考慮しながら、現代ツールの格差を無くすのは容易なことではないと思います。