ステルスインフレが話題となっていますが、私もコロナ禍の状況でインフレを感じつつあります。
需要と供給のバランスなのか、金融緩和の影響なのか、コロナ禍自粛の影響なのか、人手不足の影響なのか、それとも他の要因があるのか、真相は不明ですが、確実にインフレが起きてきていると感じています。
ほぼ確信に近いかもしれません。
これが給与に直結すれば、給与アップとインフレによる相殺で良いのですが、現実はそう甘くなく、利益が上がらない構造のインフレなので、おそらく、インフレ率に対して給与アップは追い付かないと思っています。
加えて、日本人は総じてケチですから、給与のベースがそう簡単に上がるとは思えません。
30年以上もデフレ環境で慣れてきた人たちが、急にインフレ対策としてお金の価値を下げるとは思えませんから。
そうなると、自分のお金は自分で守らなくてはいけません。
インカムの増が期待できないのであれば、資産を増やすしかありませんから。
■米国の株式相場主義は重要
コロナ禍の金融緩和相場もそろそろ終焉を迎える雰囲気になってきました。
日本を除く先進国ではワクチン接種が増えてきていますし、さらに、コロナ禍によるこれまでと違った生活スタイルから、様々なところでコストがかかるようになってきました。
またコロナの影響もあって、人手不足も相まって、インフレ率がかなり高い状況になってきています。
米国の経済数値を見ていると、これはいつ金融緩和が終了してもおかしくないなと思えます。
ただ、米国に関して言えば、日本と違って株式相場を非常に気にしています。
これは、企業が従業員よりも株主を重視しているのと同じような感じです。
日本とは大きな違いです。
これは、個人の資産が、株式と貯金と保険の割合で考えた時に、米国の株式資産50%以上に対して、日本は20%未満という大きな差が、国の考え方にも大いに影響を与えているのだと思います。
インフレ対策といえば、第一に株式投資です。
貯金なんてあり得ません。
したがって、日本でも徐々にインフレが起きている現状を考えると、積極的に株式投資するべきなのですが、日本の株式市場は米国の庭のような小さいものであり、日本企業の実力によって成り立っているわけではない部分が多いので、ここは米国株中心で設計するべきだという結論になります。
日本株式でもダメなことはないですが、日本の場合は、インデックス投資は向かないと思っています。
なんぜ、指数によって、構成銘柄が揺れ動き、さらに米国先物指数に大きく影響を受けていますから、インデックス投資なんて何の役にも立たないと感じています。
ファンダメンタルズをしっかりと分析できるのなら話は別です。
■テーパリングに備える
さて、このような世界市場の状況で、自分の資産を守り、さらに増やせる方法を考える必要があると思っています。
第一に米国のインデックス投資ではありますが、本当にインデックスのETFやファンドを買っていても良いのか?と少し感じてくるようになりました。
その理由が、金融緩和のテーパリングと利上げです。
テーパリングは2021年中には発表される可能性が高いと言われています。
実際にいつから発動されるかは不明ですが、遅くとも来年か再来年には開始されるでしょう。
そして、利上げも数年先には必ず実施されると思っています。
その時に、大きな影響を受けるのが、グロース株と中小型株、そして、新興国株です。
テーパリングと利上げは必ずこれらの株式に影響を与えるはずです。
影響を小さくできるかが、FRBの腕の見せ所かもしれませんが、影響を無くすことはできないと思っています。
■本当にインデックス投資で大丈夫?
グロース株が影響を受ける場合、米国を代表とする指数であるS&P500はどこまで下落するでしょうか。
おそらく、ナスダック指数は大きな打撃を受けるでしょうし、それによりナスダック100も売り圧力は強くなると思われます。
ナスダックのグロース株の影響も受けやすいS&P500がノーダメージで終わるはずがないと思っています。
その時は、以前にも起きた「インデックス投資は終わった説」が流れることになるのではないかと思うのです。
S&P500は誰もが右肩上がりを信じている指数です。
それが、横ばい、さらには下落に転じるということになると、米国指数は終わった、インデックス投資も終わったと言われます。
それだけは避けたいというのが、いまのFRBの想いなのかもしれません。
FRBが何か対策をやってくれるだろうと期待するのも一つの方法かもしれませんが、私はそのような期待だけではなく、インデックス投資からアクティブ投資へ資金シフトしておくのも一つの方法ではないかと思っています。
具体的な方法は、今は頭の中で考えていますが、資金シフトした時点で、報告したいと思います。
テーパリングの憶測な流れながらも、株式が下落していないこの6月が、投資先固めには重要な時期なのかもしれません。