米国株価が久々に大きく値下がりしています。
理由は高い金利の長期化懸念といったところで、債券金利も上がっていることから、相対的に株投資への魅力が減っていることが原因というところでしょうか。
理由は後付けなので、何とでも言えますが、資産運用をしている個人にとっては心落ち着かない日が続いています。
とはいえ、私はこのような米国がインフレ長期化の状態というのは、投資家にとっては悪いことではないと感じています。
もちろん、目先の株価は下がっていますから、資産が減っているのは確かです。
株式市場にとって、金利は高よりも低い方が良いに決まっています。
なので、嬉しいわけが無いだろと言われれば、短期目線でいれば嬉しくないでしょう。
けれども落ち着いて考えてみれば、インフレというのが社会に認識されている状態というのは、市場にとっては決して悪いことではないと考えています。
■インフレと株価
インフレが起きているということは、モノの値段が上がっています。
モノの値段が上がっているといことは、それに関係する仕事をしている人は給与が増えているはずです。
もちろん、値上げと昇給の上がり具合が合わない場合は、短期的に見たら、インフレが生活に悪影響を及ぼしているかもしれません。
けれども、それはお金の差であって、大きく見てみたら、お金の1単位の価値が下がっていることになります。
なので、株式市場にいて、株の値動きを見るのなら、市場は世の中に合っているということです。
もちろん、市場の方が先行しているという話の方が強いですし、おそらく正しいので、インフレが起きているということは、株価が上がっているということになります。
結局、モノの値段が上がっているのなら、株価が上がっても同じことでは?という話になるのですが、それは、自分の使うお金の総額と、給与や株価によって資産が増える総額の差の話になります。
これらのことを総合すると、インフレが起きているというのは長期的に見ると、株価にとっては良い傾向というか、当たり前の状態だということです。
インフレが起きるからこそ、人間はしっかり働こうとしますし、稼ごうとするわけです。
それは欲しいものが買えなくなってくるからという単純な話です。
したがって、短期目線ではインフレ長期化懸念によって株価は下がっているかもしれませんが、長期目線でみるとそれはノイズとなり、株価は市場のインフレと共に値段が上がっていくことになるのでしょうね。
もっとも、株価が先行しているのであれば、デフレ懸念の方が株価は下がりやすいと言えるかもしれません。
金利が下がっている方が株価にとっては良いので、どちらを拾った株価になっているかは結果を分析しないと分からないわけです。
■積立投資は継続しかやることは無い
私のように資産形成や資産運用をしている個人投資家にとっては、これだけ株価が急激に下がっていると不安になります。
けれども、上記のような思惑を頭に浮かべれば、今がたとえ下がっていたとしても、いつかは上がってくるのだろうなと楽観的にもなれます。
私はそれで良いと思っています。
投資なんて、怖がってたとしても、売ることなんてご法度ですし、積立をしているのなら継続するしか方法はありません。
日々の株価に一喜一憂したとしても、投資スタイルが変わらないとすると、何もできることは無いのです。
やるべきことと言えば、株価をみて、ニュースをみて、誰かの解説を読むだけです。
資産運用なんて、所詮はその程度のことしかやらないわけです。
デイトレーダーやスイングトレーダーであれば、これらを先読みした行動をする必要があると思いますが、コツコツ積み上げるインデックス投資であれば、何も考える必要が無いことになります。
投資って本当に難しいです。
積み立てをしているのなら、本来は株価が下がるのは喜ばないといけません。
けれども、人間って短期的な部分が必ずあるので、今の資産が値下がりしていると気分が良くないのは事実だと思います。
とはいえ、何も手が出せないのも事実ですし、逆にいうと、何もしないで淡々と積立投資するほか無いのです。
今の時期にしっかりと積み立てた方が後から良い想いをすることになるかもしれませんしね。
まあ、長期デフレで金融政策でないと株価が上がってこない我が日本に比べると、米国のインフレ長期化による株価下落の方がよっぽど健全だと思いますけどね。(笑)