2018年7月3日に「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が設定されました。
様々なところで噂になっていたのですが、どこに出ているのかな?と思ったら、三菱UFJ国際投資のeMAXISシリーズのお知らせページに掲載されていました。
S&P500のインデックスは、iFree(大和投資信託)が低コストの信託報酬で出していたので、我が家も「つみたてNISA」で積立買付していました。
eMAXIS Slimから設定されるということで、低コスト商品であることは間違いなく、また、今後は他社で下回る信託報酬が設定されても追従する可能性が高いです。
他商品のインデックスファンドでそれが証明されています。
同じインデックス指標の積立をするのなら、eMAXIS Slimを買付することが、気持ち的に安心感がありますよね。
iFreeで数ヶ月積立していましたが、こんなに早く見直さなくてはいけないとは。
■S&P500に関して
S&P500は非常に有名になってきましたので、解説は不要かと思いましたが、一応、紹介しておきます。
- S&P500は、S&P社が設定している米国株式市場の500銘柄指標です。
- 大型株500銘柄だけで構成されているのではなく、業種分散も考慮している。
- S&P500指数の採用銘柄は、米国株式の時価総額カバー率の80%程度となっている。
- そのため、VTI(バンガード社の米国株式インデックスファンドで米国銘柄約2300銘柄をほぼ100%カバー)と比べられることが多い。
- S&P500とVTIは、ほとんど同じようなトレンドを示していることから、どちらを買っても大差ないという結論が多く、最後は好みだという意見が多い。
- S&P500が市場は米国であるが、採用銘柄の海外売上高は40%以上となっており、世界の情勢を反映していると言える。
我が家もS&P500を中心に資産運用をしていますが、指数を見ていると、前日比の騰落率において、NYダウ平均(30種平均)やNASDAQ(ナスダック)の間を推移していることが多いという印象です。
NYダウ平均は、米国代表銘柄の30種平均なので、寄与率の大きな銘柄の影響を受ける印象が強いです。
NASDAQは、情報技術セクターの時価総額が大きいので、このセクターの影響を受ける印象が強いです。
その点、S&P500指数はうまく調整されて構成しているのか、前日比の騰落率がNYダウとNASDAQの間を位置している感じがします。
最近では、NYダウ平均のトレンドが悪いですが、NASDAQは過去最高を更新するなど、セクター間の勝ち負けが非常に大きく出ており、これらの指数はかなり差が顕著です。
おそらく、貿易摩擦の影響で、機関投資家が右往左往しているのかもしれません。
我々、長期投資を目指す個人投資家は、そんな短期的な事情は関係ありませんから、影響の少ないS&P500は精神安定的にはとてもよい投資指標だと思います。
数十年先にはどのようなインデックス指標が主流になっているか分かりませんが、S&P500が残っていて、今のようなパフォーマンスであれば、売却時においても影響が少なく投資リターンが安定的に換金できると思っています。
■驚異の低コスト(信託報酬)
さて、本題の「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」ですが、やはり注目されているのは信託報酬の安さです。
比較として、同じ指数の「iFree S&P500インデックス」と、指標は異なりますがVTI(バンガード社の全米株式ETF)を買い付ける「楽天・全米株式インデックス・ファンド」を挙げてみます。
・信託報酬 税込年率(税抜)
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500) 0.1728%(0.160%)
- iFree S&P500インデックス 0.243%(0.225%)
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド 0.1696%(税抜0.12%+VTI手数料が税込0.04%)
これを見ると、信託報酬に関しては、eMAXIS SlimはiFreeをターゲットにしているのではなく、楽天・バンガードをターゲットにしていることが良く分かります。
税込の信託報酬は、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の方が安いですが、税抜では0.160%で互角です。
したがって、eMAXIS Slimは、米国株式中心に積立投資をしている個人投資家層をターゲットにし、iFreeと楽天・バンガードから奪おうとしているのかもしれません。
■S&P500のETFを使わず運用!?
eMAXIS Slimのブレスリリースを見ていると、S&P500指数に連動する運用を行うということは当然ですが、その方法が「米国株式に投資する」としています。
これは、楽天・バンガードのインデックスファンドとは異なっており、楽天・バンガードはETFを買い付けるファンド・オブ・ETFなので、分配金などの課税の問題は免れません。
また、iFree S&P500インデックスは、S&P500のETFを約40%買い付け、先物は数%買付をして運用しています。
iFreeの目論見書を見ても、運用の効率化のために、先物やETFの利用をすることがあると書かれているので、それは想定内ではあります。
しかしながら、eMAXIS Slimのプレスリリースを見る限り、ETFの利用は書かれていないです。先物の利用は書かれていますが。
S&P500指数への連動を、基本的に株式現物でいくということだと思いますが、大丈夫なのかな?と少し不安はあります。
それは、以前からあるeMAXISシリーズにS&P500が無いからです。
マザーファンドの運用がきちんとできるのかな?と思っていて少し不安なのですが、三菱UFJ国際投資がそんな下手な運用はしないと思うので、ここは見守りたいと思います。
2018年7月から、早速買付してみたいなと思っていますが、「つみたてNISA」の再設定をする必要がありますね…。