最近、NASDAQ100に積立投資をするようになり、これまではS&P500を中心に指数の動きを見ていましたが、NASDAQ100も気にするようになってきました。
円建て資産なので為替も重要なファクターですから、為替の動きも気になるところですが、為替ばかりは本当にどう動いているのか、さっぱり分からないです。
日米金利差が一番効いているという話ですし、それはその通りだと思いますが、それ以外の思惑的な動きもしているような気がします。
円建ての投信を積み立てているので、今の資産からすると円安になる方が嬉しいのですが、一方で、これから積立をすることを考えると、円高の方がたくさんの口数が買えますから、そちらの方が嬉しいわけです。
目の前の喜びを取るのか、今後の喜びを取るのか、って話で、いま、もし円高に行ったとしても、積立を継続できるのであれば、その間にたくさん仕込むことができますから、円安に行った時や株価が上がった時に大きな効果をもたらします。
2022年の米国株調整の時に、しっかりと積み立てていた人が、今年利益を増大させているのが、その理由です。
頭では分かっているんですけど、心が付いてこないのが人間というものです。
積立をしている限り、円安でも、円高でも、喜べるのです。
ということは、積立投資をしているなら、毎日の値動きなんて、本当はどうでも良いんですけどね。
最終的には積立の玉が尽きて、その時点で持っている資産を運用していくことになった時、ここからが本当の金融リテラシーやリスク許容度が試されるということです。
サラリーマンでいうと、仕事を辞めた時でしょうか。
ところで、NASDAQ100の特別リバランスがすでに実施され終わっていたみたいで、7月上旬にニュースになっていて、確かに上位銘柄だけが一様に調整されている日があったので変だなと思っていたことがあったのですが、実際の特別リバランス実施日は何の問題もなく無風で終わっていました。
ニュースになっていた時は、YouTubeなどを始め、様々なところで、アレコレ言っていましたが、実際に実施されると肩透かしのようなものですね。
■7銘柄のウエートが55%から43%へ
特別リバランスがどんな結果だったのかなと調べてみたら、きちんとレポートになって報告されていました。
ナスダック社が特別リバランスを実施すると発表したのは7月7日です。
そして、実際に実施されたのが、7月24日の取引開始前に行われたということです。
今回、2023年のNASDAQ100の急上昇から、GAFAMとエヌビディアとテスラの7銘柄の合計が55%に達していました。
それにより、特別リバランスが必要と判断されたわけのようですが、実際に7月24日に実行されたことにより、これらの7銘柄の合計が43%まで低下したそうです。
何が、どのように変わったのかというのが、7月7日時点のウエートと7月24日時点のウエートで比較されていました。
- アップル 12.5% → 11.6%(▲0.8)
- マイクロソフト 12.9% → 9.9%(▲3.1)
- アルファベット 7.4% → 5.5%(▲1.9)
- アマゾン 6.9% → 5.1%(▲1.8)
- エヌビディア 7.0% → 4.2%(▲2.8)
- メタ 4.3% → 3.5%(▲0.8)
- テスラ 4.5% → 3.3%(▲1.2)
アップルやマイクロソフトって、リバランス前は12%以上もあったのですか、凄いですね。
リバランス後は、マイクロソフトは1桁台までウエートを下げていますが、アップルはそれでも11%以上のウエートなので、またもアップルが大きく占めるという構図は変わりそうにないです。
■発表後もしっかりとした値動き
7月7日に発表があってから、世間ではこれらの7銘柄が大きく調整するのではないか?と言われていましたが、実はそれほど影響は無かったみたいなのです。
逆に大きく上がっている銘柄もあり、リバランスの影響は取引に対してはそれほど影響していなかったみたいですね。
下記は、7月7日から24日までの各銘柄の騰落率を示しています。
- アップル 1.1%
- マイクロソフト 2.3%
- アルファベット 1.7%
- アマゾン ▲0.8%
- エヌビディア 5.0%
- メタ 0.4%
- テスラ ▲2.0%
リバランスの実施に関係なく、良い銘柄はしっかりと上げていますし、上がり過ぎていた銘柄はしっかりと調整されています。
特にテスラは、決算により大きく調整しました。
逆にエヌビディアは、半導体株が生成AIによって急騰していましたので、こちらもしっかり上昇していたようです。
■資産運用をする者としない者
私自身、この特別リバランスは好意的に受け止めています。
今回リバランスの対象になった7銘柄が、これからも上昇していくのであれば、リバランスによりウエートを小さくしてもらっておいた方が、特定銘柄による指数の影響が小さくなります。
指数に投資しているインデックス投資家としては、特定銘柄の割合が大き過ぎると、分散投資している意味が薄れてしまいますからね。
このようなリバランスがあったことは、後からすると良かったとなるかもしれません。
NASDAQ100は時価総額加重平均となっていますが、それでも特別リバランスを実行しなければならないほど、これら7銘柄が強烈だったということです。
米国の資本主義経済って凄まじいと思います。
このリバランスが意味することは、しっかりと投資をやっている者がしっかりと資産を蓄えられたということです。
これは資産運用をしている者と貯金だけで賄っている者の長年の差を物語っていると感じています。