なんでも道しるべ

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【全国学力テストの物議】4年ぶりの英語のテストで4技能が前回を下回った理由の個人的考察

毎年、小学6年と中学3年に行われている全国学力テストですが、中学3年の結果が相当な的になっています。

結果だけを取り上げて、アレコレ言うのは結構ですが、ハッキリ言って的外れです。

先日、Xでもポストしましたが、あの試験、やり方が悪いんですよね。

テストの内容や受験者の質の問題ではないです。

あのテストそのものの体制が悪いんです。

私は、英語力は年々上がっていると思っています。

実際、中学生の英語力は、一昔前の高校生レベルになっています。

もちろん、英語が得意な人、好きな人、に対して、英語が苦手や嫌いな人というのがいると思いますが、今の子どもは英語に触れる機会が増えていますし、親も英語は必要だと感じている人が多いので、英語力は下がるどころか、さらに力を入れている家庭が多いことでしょう。

しかしながら、今回、英語力が下がったと様々な新聞や雑誌などで標的にされています。

これらで取り上げられているのは、結果だけを見て、悪かっただの、点数が下がっているだの書かれていますが、もうね、現場が分かっていないからそんなことが書けるんですよね。

このテスト、英語力の前に、状況が悪いんです。

日本人って、基本的に主張しないことが美徳だというのがあるじゃないですか。

英語力ってその主張力っていうのが結構強く出てきます。

何しろ、言語が違うんですからね。

自分の話したいことを口から出す前に、まず必要なことは羞恥心を取り除くことなんです。

英語力が上がったことにより、さらに英語に対してネガティブな印象を持つ子が増えたのは事実だと思います。

日本人にとって英語の勉強はどのようにすれば良いのか、さらには、勉強内容よりもテストのやり方について考えた方が良いです。

■評価されないテストの在り方

今回の全国学力テストですが、英語4技能のテストは4年ぶりだったそうです。

今回の結果と4年前の正答率の結果が出ていましたので、まとめました。

カッコ内が4年前の結果です。

  • 聞く力 58.9%(68.3%)
  • 読む力 51.7%(56.2%)
  • 書く力 24.1%(46.4%)
  • 話す力 12.4%(30.8%)

散々な結果で、これを見ると4年前から全ての英語力が落ちていることになります。

大人ならおそらく、10人いたら9人はそのように捉えるでしょうね。

けどね、この4年間の差で、何が変わったか、それは英語力ではないです。

日本人って、目の前に出されたものを一生懸命に取り組むっていうのが大事だと教えられますよね?

仕事でも周りのことを考えて一生懸命仕事することが偉いとされます。

けれども、世界を見渡すと、日本人の感覚ってちょっとおかしいところがあるんですよ。

そもそも、仕事で対価も無いのに一生懸命時間を費やしているのって変な人なんです。

日本人は対価を求めるのは汚いとか、お金のことを言う人は人情が無いとか、変な価値観があるのですが、海外では何かをしたら対価が貰えるのが当たり前です。

今のこどもは、SNS等によって、海外の人の考えというのが徐々に根付いてきていると思います。

なので、対価のない労働なんてあり得ないという考えがあるのだと私は思っています。

今回の結果、結果よりもテストの在り方の方が問題で、この全国学力テストは成績(通知表)に入らないということをあらかじめ宣言されていました。

成績に入らないものであっても、目の前に出されたものには一生懸命取り組むというのが、日本の教えだったのかもしれませんが、今の生徒は違います。

とても合理的なので、そんな得もないことになんで一生懸命に取り組まないといけないの?ってなっているのだと推測できます。

■恥ずかしいテスト形式

もう一つ、この結果が注目されているのが、「話す力」です。

この話す力、これだけが突出して下がっています。

そもそも4年前の30.8%も低いのですが、さらに12.4%まで下がっており、今回、注目されたのが、問題数が5問あって、全問不正解だった生徒が6割を超えていたという事実です。

これには、先ほどの成績には入らないって話に加えて、もう一つ、ポイントがあります。

話すテストって、普通、面接官などと1:1で行うのが普通じゃないですか?

受験者が多い場合で、テープ吹込み型の場合でも、区切られたブースなどテストを受けるのが普通です。

実際、学校内で成績に入るテストの場合は、外国人の先生と1:1で話して、それを日本人の先生が別室で聞いているというテスト形式になっています。

けれども今回、このテストの形式が、教室内でいつもどおり前後に座って、個人個人が机で操作をして、みんなに聞こえる状態でテストを受けるって形式だったそうです。

一応、ヘッドホン的なものをしているので、耳をすまさないと聴こえない状況ではありますが、話すと聴こえるので、恥ずかしい人は話さないということです。

さらに、このテストが成績に入らないとしたら、これで必死に吹き込む人って、よほど英語が好きでないと真剣に取り組まないでしょうね。

娘自身、英語が好きなので、今回の話すテストは真剣に受けたようですが、後から、クラスメイトなどに「めっちゃ英語を話してたな」って言われたそうです。

それだけ筒抜けだったようです。

こんな形式がまともな英語力を測れると思うのでしょうか?

本気で学力を測りたいのなら、まずはテストの形式を見直すべきです。