なんでも道しるべ

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シャープレシオでない新たな投資信託判断指標の登場!『見合った』をスコア化する

f:id:anyguidepost:20171222183748j:plain投資信託(特にアクティブファンド)の選び方は、基本的には人それぞれだと思います。

一番大切なのは、運用方針が自分の感覚にあっているかどうか。

他人に推薦されたからといって、何も考えずに選んで、思うようなリターンが上げれなくても誰の責任でもありません。

かといって、何も指標がなく、やみくもに何千本もの投資信託から選ぶことなんて難しいことです。

一つの指標になるかもしれない新しい参考スコアが2017年11月から公開されました。

■新しい指標「QUICKファンドスコア」

2017年11月から、日本経済新聞電子版で公開している「QUICKファンドスコア」です。

それぞれの投資信託が、長期投資にふさわしいかどうかを判断する指標とのこと。

株式会社QUICKが提供しています。

この会社、主要株主が、日本経済新聞社をはじめ、銀行、証券会社に加え、日本取引所グループが入っていますので、信頼性が高いデータを提供してくれると思います。

■シャープレシオとの違い

通常、投資信託の指標は、シャープレシオを使うことが多いです。

シャープレシオは下記の式から算出されます。

リターン÷リスク

運用リスクに見合う収益を得られたかどうかという判断指標となります。

リスク以上に見合うリターンを上げることが運用力ということですので、1以上の値は優秀な投資信託といえます。

単純な値で比較しやすいですが、シャープレシオにはコスト面に関する指標はありません。

例えば、非常に高コストの投資信託であっても、リスクに対し非常に高いリターンを上げている投資信託はシャープレシオが高くなります。

リターンを上げればそれで良いという意見もありますが、コストは大きなリスクとなります。

下げ相場では、コストがさらに下げを増幅させることがあるので、コストは非常に重要な要素であります。

今回のQUICKファンドスコアは、これらの要素等も含めて、総合的に判断した新しい指標らしいです。

■資産別の中で相対評価

QUICKファンドスコアは、投信を投資対象の資産別に15のグループに分けて、その分類の中でどのランクになるかを多角的な視点で「相対評価」しています。

「相対評価」なので、分類内での比較としても良いし、分類間でも比較できると思います。

なぜ、分類に分けているかというと、例えば株式運用と債券運用を同じ土俵で相対評価ができないからです。

リスク要素が全く異なりますので、分類分けをして、同じ土俵の投資対象の投資同士で評価付けをするわけです。

QUICK投信分類は下記のとおりです。

  • 国内株式
  • 先進国株式
  • 新興国株式
  • グローバル株式
  • 国内債券
  • 先進国債券(投資適格)
  • 先進国債券(非投資適格)
  • 先進国債券(格付混在)
  • 新興国債券
  • グローバル債券
  • 国内REIT
  • 海外REIT
  • 転換社債
  • コモディティ
  • バランス

15の分類は少し多いのでは?と思いましたが、分けてみると、やはりこの程度に分類できるのは納得できます。

先進国債券の分類が3つに分かれているのは謎ですが、先進国においても、投資適格と非投資適格では、リスク許容度が全く異なるのでしょうね。

私は現状、債券に投資しているものを積立していませんので、良く分かりませんが、株式より債券の方が判断が難しいような気がします。

その割には、リターンが小さいのので、積立投資の現役年齢層はやはり株式中心の方が良いような気がしますが。

■評価視点は5つで、総合スコアを出す

多角的な視点での評価は、5つの項目で行われています。

判断視点は、長期投資に向く投信かどうかです。したがって、短期筋の高リターン狙いではありませんね。

  1. リスク:運用方針に見合ったリスクを取っているか
  2. リターン:リスクに見合ったリターンを上げているか
  3. 下値抵抗力:下げ相場での価格の落ち込みが小さいか
  4. コスト:コストに見合ったリターンを上げているか
  5. 分配金健全度:元本を取り崩して分配していないか

これらの評価の上で、設定からの経過年数が長いファンドほどスコア(QUICKファンドスコア)が高くなるように調整しているとのこと。

スコア付与対象は、設定後3年以上らしいので、新しいアクティブファンドはスコアが出ていないようです。

インデックスファンドはさらに長くて10年以上とのことです。

どれも非常に重要な評価視点だと思いますね。

インデックスファンドも評価されるとのことですが、使えるスコアなのでしょうか?

インデックスなので、1.リスク、2.リターン、3.下値抵抗力はインデックス指標にからかい離していないことが重要なのでしょうか?

4.コストと5.分配金健全度は、インデックスファンドであっても重要かもしれませんね。

もし、これらの点数が低いインデックスファンドがあったら、最低なファンドだと思いますね。即刻解約すべきでしょう。

■「見合った」という視点で評価される

各項目についてですが、視点が面白いと感じます。

「リスク」に関しても、単に高リスク・低リスクで判断しているのではなく、運用方針に見合っているかどうかがポイントです。

運用方針に掲げている方針と全く違う運用をしているファンドもあるんでしょうね。

アクティブファンドは、素人では運用中身が判断し難いので、とても助かる指標だと思います。

私のなかで重要視したいなと思っているのが、「下値抵抗力」です。

運用しているなかで、一番気になるのは、市場が調整時期になったときです。

ズルズルと市場と一緒に基準価額が下がっていくのならアクティブファンドに預けている意味がありません。

調整時期であるからこそ、抵抗力のある運用をしてほしいので、インデックスファンドよりも高いコストを払っても良いと思っているわけです。

「リターン」と「コスト」も、『リスクに見合ったリターン』や『コストに見合ったリターン』と、『見合った』という概念で評価してくれるのはとても助かります。

私のような弱小投資家は、数字でしか判断できていません。

運用方針で最後は決めているところはありますが、このような評価をスコアで出してくれると客観的な指標で判断もできるので、参考にできると思います。

分配金健全度は、評価されなくても、分配金ゼロが一番良いのは言うまでもありません。

投資信託で分配金を出すファンドは私は買わない方針です。

基準価額を下げてまで分配金を出す意味が、私にはどうしても理解できないからです。

せっかくなので、自分がいま保有している投信のスコアを確認してみようかと思います。どんな結果が出ているのか楽しみです。