ゆとりのある老後生活を送るなら、65歳時点で5,680万円のリスク資産が必要である。
この金額を見て驚きませんか?
正直、私はもっと上を目指しているので、そうなのか・・・って感じでしたが、一般的に老後が始まる時に5千万円以上のリスク資産が必要と言われるとビックリするかもしれません。
この計算の前提は、標準と言われる老後家計22.5万円に、持ち家が無いとして家賃の8.5万円を加えて、さらにゆとりのある暮らしに必要が14万円を足したもので、合計45万円を毎月使う計算です。
それを90歳まで生きるとした場合に、今の年金制度の標準額から少し減ったと想定して、その差額で必要な分をリスク資産で補うとした場合に、算出されたのが5,680万円となります。
なかなか大きな金額ですよね。
そもそも、老後開始時に5千万円という準富裕層並みの資産を持っている家庭が少ないのですが、それに加えて、この5千万円をリスク資産に入れている訳ですから、相当な家庭だと思います。
普通に考えると、資産の全額をリスク資産に入れるのはってなりますから、いくらリスク許容度の高い人でも、80~90%をリスク資産にして、残りの10~20%は非リスク資産にしたくなると思います。
そう考えると、リスク資産割合を90%であったとしても6,300万円以上の資産を持っていることになります。
さあ、あなたは65歳の段階で5,680万円をリスク資産で持つことは出来るでしょうか?
■年齢と積立可能額から算出が必要
65歳の時点で、5,600万円~6,000万円をリスク資産で貯めることを想定してみましょう。
想定利回りはいろいろ考えられます。
米国のS&P500だと、為替を考えなければ、年利平均は11%くらいあったと言われていますし、オルカン(全世界株式)だと6%程度はあったと言われています。
仮に、そこまで高い利回りを想定しないで、年利平均5%だと考えると、30年で積立ながら運用する場合、積立額は毎月7万円で30年後に5,800万円になっています。
35歳の人であれば、65歳までに30年間ありますが、毎月7万円とリスク資産に積立しなければならないということです。
7万円も無理だという人は、平均年利10%であれば、毎月2.5万円で5,600万円になる計算となります。
したがって、リスクが取れる人は、平均年利が10%くらい見込めそうな米国株インデックスに投資した方が毎月の積立金額は減らせるってことになりますね。
とはいっても、平均利回りはあくまで平均であり過去の実績です。
未来のことは分かりませんし、利回りが高いものほど毎日に変動が大きくなります。
自分の膨れてきた資産を、5,600万円を超えるまで握りしめることができるかどうかは、その人のリスク許容度にかかっているってことになります。
■結局はガチホできる強い力
先ほどの生活費試算はあくまで、二人世帯の必要額を想定しています。
単身者であれば、この金額を1.6で割ったくらいの資産額で十分です
したがって、単身者であれば5,680万円も必要なく、3,550万円で足りるという計算になります。
今の時代、単身者で老後を迎える人も多いでしょうし、二人で90歳まで生き続けるのもなかなか稀なことなので、5,680万円というのはあくまで上限の数値です。
実際には、3,550万円~5,680万円の中で自身の状況に応じたリスク資産が必要となってきます。
それでも、3,500万円以上のリスク資産が必要ということですからね。
ゆとりのある老後の生活をしたければ、そのくらいの金額をリスク資産で持てるようなリスク許容度が必要ということになります。
普通にサラリーマンをやって、普通に貯金で資産を増やしている人は、まず難しい状況と数字だと思います。
なぜなら、資産形成や資産運用の教育を受けてこなかったからです。
2024年から新NISAがスタートして、生涯上限が1,800万円の種銭を突っ込めるということは、しっかりとガチホできれば、65歳には3,500万円以上の資産になっている人は多くいることでしょう。
若者であれば、時間を味方にできますから、握る力が強ければかなり実現が近くなってくると思います。
必要なことは、株式相場を知ること、勉強すること、そして、ガチホする強い力と意思です。
それが無いと、一般家庭のサラリーマンの場合、ゆとりのある生活は遠のいてしまいますね。
この数字を見た時、老後2,000万円問題ってどこいった?って思いましたよ。
2,000万円なんて、年金が足りないから補填するだけの資産であり、2,000万円あったからと言って、ゆとりのある老後なんて過ごせないってことですね。