なかなか面白いアンケート結果があったので、紹介をしながら私の意見を書いてみたいと思います。
お金に関するアンケートの解釈は真意のところが難しいですが、直接に聞くよりも、匿名のアンケートの方が、本音が入っているような気がしています。
人間は比較するのが好きな動物です。
比べても仕方ないので、他人は他人、自分は自分、と思うように心掛けるのは良いことですが、気になるものを無視するようにしてもストレスが溜まるだけです。
それなら、アンケート結果などを見て、少しでも世の中の人の行動や考え方を見てみるのはどうでしょうか?
■アンケート概要
調査アンケートは、「キャッシュレスとデビットカードの利用意向に関する実態調査2018」というタイトルです。
タイトルだけを見ると、カードのアンケートなのかと思いましたが、中身は興味深々の内容でした。
有効回答数は1,000サンプルとのことです。
20代~60代までで、各世代において、男女各100名の集計です。
■新年度の目標は「貯蓄」が1位、資産運用は何位?
まずは複数回答形式の新年度(4月から)の目標についてです。
1位は、やはり「貯蓄」で38.9%でした。
貯蓄は過去4年も全て1位でした。だいたい40%前後の回答率ということなので、それほど年々変わらずの結果ですね。
当たり前の結果なのかもしれませんが、私にとっては面白くない結果ですね。
私の気になる「資産運用力アップ」は、13.3%で7位でした。
13.3%なので低い数値の結果でしたが、これは毎年上がっているということです。
2015年は9.8%、2016年は11.9%、2017年は11.8%、そして今年の2018年13.3%ということです。
貯蓄は毎年変わらない値ですが、資産運用力をアップしたいと考えている人は毎年増えているようです。
実際にネット証券などの使い勝手がよくなってきて、NISAやiDeCoなどの非課税ツールが充実してきた結果だと思います。
あとは、貯蓄のアンケート数値を抜くことができれば、日本も変わってくると思いますが、まだまだ20ポイント以上の差が開いていることには、少々残念ではあります。
ただ、低いということは伸び代があるということです。
おそらく、来年はさらに上がるのかと思いますが、市場が冷めてくると上昇の勢いが萎んでしまうかもしれませんね。
■貯蓄目標額
次に、貯蓄目標額に関してです。これは単一回答形式になります。
平均貯蓄目標額は168.7万円だったとのことですが、目標額を設定していない人が16.0%もいます。
逆に100万円台の目標の人が19.3%いますし、500万円以上の人も8.8%います。
500万円以上はさらに細かく設定しているとのことなので、目標額はこれらの高額目標の人が吊り上げているのだと思います。
私の貯蓄目標額は0になると思います。なぜなら、気持ちとしては全額投資に回したいからです。
私のようなへそ曲がりの人が目標額の設定なしと回答している人もいると思いますので、0円の設定額なしに16.0%いるのは分かる気がします。
まあ、そのような投資と考えて0万円とする人は、少数だと思いますけどね。
■男女の貯蓄目標額の違い
男女の貯蓄目標の平均額をみると、男性の平均は212.4万円、女性の平均は124.9万円とのことです。
貯蓄=女性というイメージがあるような気がしますが、男性の方が平均額は高いようです。
ただ、212.4万円というのは、余りにも高いような気がします。
これが平均というのだから、平均収入や所得から考えると、ちょっと願いすぎのような気がします。
逆に女性の方が現実的で、100万出来たら御の字と思っている人が多いのかもしれません。
男性が、家庭の資産状況や家計をあまり理解していない人が多いのかもしれませんが。
年代別に見ると、30代男性の平均が265.8万円ということです。
250万円以上というのは、独身であっても平均収入よりも高給でないと、厳しい数値のような気がします。
家庭に子どもがいる場合に250万円以上を貯蓄するのは、かなり節約を頑張っている人だと思います。
ここまで貯蓄できるなら、投資してほしいですけどね。
■貯蓄増加額
では実際に貯蓄できた金額ですが、増やせなかったという0円の人が36.9%とのことです。
現実というのはそんなものだと思います。
貯蓄を目標に頑張っている人でも、実際に年間で少しでも貯蓄できる人は限られているということですね。
しかしながら、63%の人はしっかりと貯蓄できているということです。
平均貯蓄増加額は59.9万円との結果です。
先ほど示した平均貯蓄目標額が168.7万円ですので、差として100万円以上のギャップがあります。
目標に対しての実際はその程度だということです。
ただ、少しでも貯蓄により増加させることができるのは重要です。
自分がどちらに入ることができるかがポイントです。
少しでも貯蓄増加側に立ちたいものです。
面白いのが、キャッシュレス派と現金派の貯蓄増加額の平均をとっていますが、キャッシュレス派は87.6万円に対し、現金派は32.5万円でした。
キャッシュレス派の方が堅実に貯蓄に励んでいるということが分かります。
それが何故なのかということですが、貯蓄をする仕組みというのがキャッシュレス派の人の方が上手に作れているのかもしれませんね。
さらに、キャッシュレス派の貯蓄増加額は、2016年が47.0万円に対し、2017年は51.8万円、そして、2018年が87.6万円ですね。
毎年増加しているということです。それも今年の上昇が急激ですね。
貯蓄できる人が、さらに貯蓄額を増やしているということです。
お金持ちが、さらにお金持ちになる仕組みに似ているのかもしれません。