所得倍増計画なんて言葉が出ていますが、本当にそんなことが起きるのでしょうか?
まあ、言葉遊び的に言いますと、たとえ所得が倍増しても、物価が倍増したら収支率は一緒なので、得も損もありません。
ただ、借金が相対的に小さくなるとか、現金で持っている預金が相対的に割安になっていくなどの作用は出てくるでしょう。
世界的にはインフレを目指している訳ですから、所得が上がっていって当然ということです。
逆に所得が上がらないと、購買欲が減って、現金を貯める。
デフレになるので、現金が強くなる。
結局、お金が回らずに経済も停滞するという簡単な理屈ですから、何とか購買欲を上げなければなりません。
しかしながら、世は少子高齢化であり、社会保障費が増大していく一方で、将来を担う子どもが少ない、さらに教育費も大学全入時代に突入して、一人1,000万円はかかってくる時代ですから、所得が増えないと結婚することも、子どもをもつことも難しくなります。
政治家も自分たちのポジションを守ることに注力せずに、本当に日本のために動いて欲しいものです。
■平均給与は世界で後れを取っている
みんなが大好きお金の話ですが、日本の平均給与は世界のなかでどのくらいでしょうか?
為替がありますから、円で考えても仕方ないです。
ちょうどドル換算された2020年の平均給与が示されていましたので、そのデータを元に話したいと思います。
- 日本 3万8515ドル
- アメリカ 6万9391ドル
- ドイツ 5万3745ドル
- フランス 4万5581ドル
- イギリス 4万7147ドル
- 韓国 4万1960ドル
このデータはOECD(経済協力開発機構)が示しているらしいのですが、悲しいことに、アメリカの半分強(55.5%)であり、韓国にも負けているのが日本の現実です。
OECDの中では最下位グループらしいのですが、日本より給与が安い国は、ギリシャ、イタリア、スペイン、メキシコ、チリくらいだそうです。
これまで日本から海外旅行や語学研修にいく人が多かったのですが、これからは、日本で働いた給与では、海外に行けなくなるかもしれませんね。
また、海外旅行に行ける人は、富裕層のお金持ちに限られるようになるかもしれませんし、最近はコロナ禍で海外から来る人が減っていますが、結局は日本に来るのがお得になったのだと思います。
これは、給与の問題だけでなく、物価の問題です。
日本はインフレが起きていないので、相対的に日本が安くなったのだということです。
■ビックマック指数でも日本は最低ランク
ビックマック指数というのはご存知でしょうか?
世界の物価を比べるのに、マクドナルドのビックマックの値段を比べるのが最も簡単だという指標です。
これも為替が関係しますから、ドルで換算した2021年のデータをみてみます。
- 日本 3.55ドル
- アメリカ 5.65ドル
- ユーロ圏 5.02ドル
- イギリス 4.5ドル
- 韓国 4.0ドル
このデータからも、給与の関係性とほぼ同じ傾向であり、日本のビックマックはアメリカの62.8%となっています。
ユーロ圏やイギリスも日本より高く、さらに韓国も日本より高いので、給与と同等の水準になっていることが分かります。
日本人は日本が経済のトップを走っていて、日本が世界をリードしていると勘違いしている人が多いと思いますが、確実に給与も物価も抜かれています。
確かに科学技術的な部分は、ノーベル賞を受賞するなどして、日本の研究や技術水準は最高なのかもしれませんが、給与に関してはジリ貧というわけです。
せっかく良いものを持っているのに、お金が持てない日本人がこれから世界と戦っていくのが難しくなり、海外旅行も楽しめないなんて悲しいですね。
■自分で何かできることを考える
私個人の意見ですが、政府は所得倍増計画なんて言っていますが、個人ベースでは政府や企業をアテにしても無駄だと思っています。
給与が安いと言われている日本でも、稼いでいる人は稼いでいます。
ですから、他人任せではなく、自分で稼げるツテを作っていくべきだと思います。
副業が認められる風潮になってきていますが、コロナ禍でそもそも雇用が不安定になって、副業どころではない雰囲気になってきていますし、そもそも会社も何かあったら嫌だから、全面的に認めるというところも少ないです。
したがって、公然に認められていない会社であっても、NGではない会社であれば、自分で何かを始めるのも一つだと思います。
また、副業ができなくても、投資や運用はできます。
これをNGという会社は、インサイダーの問題があるところ以外は無いと思います。
お金に働いてもらうという考えも一つです。
国をあげてインフレ対策をしていますから、日本円が安くなっていく可能性が十分に考えられます。
たとえ為替的として現状維持や多少円高になったとしても、投資や運用によるインカムゲインは非常に大きく、副収入としては絶好です。
この世の中、指をくわえて給与を上げてもらうことだけを考えずに、自分でできることを始める努力と度胸が重要だと感じます。