英検に新設級が誕生するというニュースが出ました。
英語に関する仕事をしている人は、以前に英検協会の集まりがあったようで、そこである程度の情報を仕入れていたみたいです。
それをX(昔のツイッター)で先走って情報を出してしまったという教育関係者がいたようで、それが原因なのか分かりませんが、プレスリリースが延期になるという事態になったようです。
結局のところ、数日遅れで発表されたので、そんな大きな問題ではなかったような気がしますし、ちょっとした周囲との調整という感じではないでしょうか。
発表のタイミングって結構難しく、自分達の組織よりもより大きな組織が何かを発表すると、それにかき消されてしましますし、報道も枠がありますから、取り上げてもらえない、順番が低いという不都合があります。
それらの調整だったような気がしますね。
■新設級は準2級と2級の間
さて、新設級の内容に関してですが、驚きの準2級と2級の間に新級ができ、それが2025年から開始されるということです。
少し前に発表された2024年からはライティングが2問に増えるって発表内容から、それがまだ実際に動き出していないタイミングで、2025年から新設級の発表です。
英語にまつわる事情って毎年変わっている印象です。
これって、私の見立てでは、今の小中高生の英語のレベルが上がっているからだと思っています。
表面的な事情としては、現代にあったような試験方法や新設級という話になっていますが、その背景としては英検がこれまでよりも年齢の低い層からチャレンジするものになってきている部分があると思っています。
というのが、簡単にいうと、英語が話せる小さい子は、リーディングの文法を知らなくても、リスニングとライティングがある程度できれば合格してしまう状況が成り立っているからです。
合格点の正答率からしてもそれは仕方のないことです。
正答率(いまはスコア換算されていますが)を上げてしまうと、中学から英語をスタートした人たちは合格できなくなってしまいます。
そのギャップを埋めるために、ライティングの数を1問から2問に増やすことや、今回発表されたような新設級によって、英語を始めるのが遅かった層もやる気を失うことなく英語に取り組んで欲しいというメッセージだと思っています。
更なる背景には、教育費や親の英語への関心という部分があります。
結局のところ、英語って語学なので、お金をかければかけるほど出来てしまうという事情があります。
なので、小さい頃からインターナショナルスクールに通っているとか、国際系の学校に通っているとか、親が国際的な仕事をしていて帰国子女であるか、そのような事情によって英語力ってかなり変わってきます。
逆に、何も対策をしていない家庭では、現在では小学校5年から英語を習い始めます。
文科省はそれで良いと考えていますが、語学なので、その学年より下の年齢で始めた人に勝てるわけがないのです。
もちろん、単語や文法という部分では体系的に勉強した方が良い面もありますが、英語の感覚ってものは、小学5年では遅いです。
特に、英語耳と呼ばれるリスニングの部分では、小学生に入ってからだと遅すぎます。
当たり前ですが、日本人の中でも方言があるように、小さい頃に聞いていた言語というのは一生涯残るものです。
国内を移動すれば徐々に方言が和らいでいくので、ある程度は今住んでいる場所に馴染んでいくものですが、やはり根本的な発音みたいなものは抜けません。
それと同じで、英語を小学校から始めた人は、リスニングとスピーキングで苦労するのは当たり前なのです。
それを分かっている親は、乳幼児期から英語を開始しようとします。
それはあくまで、英語のリスニング力やスピーキング力を鍛えようと始めるのですが、何でも同じですが、何かをやると、目標とゴールが欲しくなるので、ちょうど良い英検を取り組み始めるってことです。
■英語教育の家庭格差
この流れはおそらく、今後も変わらないでしょう。
いくら乳幼児期の英語の弊害を唱えても、一回しかない子どもの人生を考えると、様子を見るよりも、やってみるという子育て教育の考えの方が強いに決まっています。
お金がない家庭は様子を見るしか方法はないですが、ある程度お金がかけられる状況で、時間もかけられそうであれば、英語をやることに無駄はないですからね。
中学校から英語を始めて英語が好きになった人は中学からでも大丈夫と言いますが、それはその人が好きだったからです。
自分の子が英語を好きになるかどうか分からない乳幼児の段階で、好きになるかもしれない方にかける親がどこにいるのでしょう。
教育費がかけられる家庭がそのようなリスクを負うとは思えません。
なので、英語教育の熱は収まらないですし、それによりここから何十年もの間は過渡期ということで、受験での英語の学力差や、今回のような英検に関する騒動は収拾つかないと思います。
英語格差は時代の流れであり、変化なのです。
そこについていける親が子どもの将来を考えた教育をしていると言えると思います。
今回の英検の新設級に関して、もう少し詳しく書きたいので、次回の記事で紹介していきます。