前回の記事で老後2000万円問題に対し、子どもに世話をしてもらう前提でなくても大丈夫っていう話は変なのでは?という話を書きました。
本日は理由が真逆になりますが、結局のところ、子どもに迷惑というか、子どもにツケを払わせているという件について書きたいと思います。
最近、様々なところでクローズアップされている「奨学金」に関してです。
つい先日、娘の中学校で三者懇談があったのですが、そこでも奨学金の案内を再度されました。
先生から、「このプリントは見られましたか?」という話が出て、当然読んでいるし、別に興味が無いというか、奨学金を受ける必要はないかなと思って放置していたのです。
奨学金を利用する意思がなければ連絡も不要ですしね。
けれども、学校で再度その奨学金の案内をするということは、相当必要になる人が多いというか、教育費が無くて困っている家庭が多いのかな?と思ってしまいます。
そのような人って、困っているのにも関わらず、このような奨学金には関心がなく、お金が無いっていうのを主張するのかな?と思います。
本当に必要な人には利用されず、無理に利用しなくても良い人が使っている印象もあります。
親の責任として、奨学金を利用しなくても良いのであれば、利用しないに越したことはないと思っています。
自分自身が学生の時に奨学金を貰い、それを40歳まで返還してきた経験からも、奨学金と言いながらも借金を背負って社会に出るというのは相当辛いものです。
子どもが高校生の時の奨学金は親が借りますが、大学生になると本人が主体で借りることになり、返還義務も本人がメインです。
もちろん、親権者は連帯保証人になる必要がありますが、返していくのは基本的には本人なので、借りる時はそれほど深刻には考えないけれど、実際に返すようになって、この奨学金の重みが感じられるようになってきます。
借りずに子どもが大学に通えるなら、借りる必要は無いと思います。
少し倹約な生活をすれば出せるのに、奨学金があるなら借りたら?って安易に考えている親や家庭が多いのではないでしょうか?
■親のマネーリテラシー
奨学金っていわば借金なのに、借りることに慣れてしまっている親や家庭が多いような気がします。
確かに、住宅ローンや自動車ローンに比べると低額なのかもしれませんが、奨学金は借金に変わりありません。
奨学金という名称が良くないのかな?って思ってしまいます。
奨学金って、大学に行くために必要なものという認識があると、奨学金という借金を借りることに躊躇しないのかもしれません。
先ほども申し上げたように、倹約な生活や節約をして、奨学金を借りずに大学に通えるのであれば、そうするべきなのですが、親は自分の使いたいお金を確保するために、数百万円の学費を捻出しないで、子どもに借金である奨学金を背負わせるのです。
金利が安いから安易に借りてしまうのもあるのかもしれませんが、借りているのはあくまで子どもです。
親が借りているならまだしも、子どもが借りるものだから、親は「将来、稼げるようになれば、返せばいいんじゃ?」ってなるんでしょうね。
この記事からのフレーズを引用すると、「親のマネーリテラシーの低さが子どもを奨学金地獄へ落とす」、「理想と現実のギャップを埋めるために、子どもの未来から前借りする」。
まさにその通りだと思います。
親からすると、子どもを大学へ進学させることが子育てで必要なことだと分かっているわけです。
その費用を子どもに背負わせて、自分の子育てを理想像どおりにするというのは私が許せないのです。
子どもは、親の言葉を信じますからね。
将来、この奨学金が大きな重荷になるなんて、思ってもみない子どもが多いと思います。
■奨学金は必要な人には必要なもの
大卒と高卒では、生涯年収は6000万円の差があると、ある調査結果からは出ています。
したがって、年間150万円の私大を4年通うことや、年間70万円の理系国立大や大学院を6年通うことで、500~600万円の学費で、生涯賃金の6000万円を手に入れるということになります。
ざっと、投入費用の10倍の返しがあることになります。
お金だけを考えて大学に進学しないと思いますが、現実はそうであり、年収差や生涯賃金の差を分かっている親も多いでしょう。
だからこそ、親は子どもに大学に行けるなら行って欲しいと考えているのだと思います。
結局のところ、大学に行くことは間違いではないわけですが、その行き方に課題があるわけで、奨学金という本来なら本当に費用に困っている苦学生のための仕組みを、安易に利用している家庭が多いのではないかと感じます。
私自身のことですが、私の場合、本当に親は大学進学を考えていない家庭だったので、自分自身で行くしかありませんでした。
大学進学のルートを示してくれた高校の先生にはかなり感謝しています。
奨学金が無ければ進学できなかったので、奨学金という制度には悪い想いはありません。
けれども、一方で、奨学金返還の重みは感じています。
やはり借金を背負わずに進学できた方が良いに決まっています。
親の責任として、子どもには奨学金を背負わせずに進学させてあげたいと思います。