日経平均がバブル以来の三十何年ぶりの高値とか、何日連続上昇とか、ウォーレン・バフェットが日本株や商社株を買っているとか、そのようなニュースが増えてきました。
それにつられて、乗り遅れまいとする人が増えてきた印象です。
本屋に株関連の本が平積みされると天井サインというのは有名な話ですが、今の市場環境とニュースの状況を見ると、かなり盛り上がっている状況であるのは間違いなさそうです。
さらに、最近は米国株投資ブームがあって、S&P500を中心とした投信への投資が流行っています。
こちらも、円建てだと最高値更新ということで、S&P500指数自体はまだまだ最高値には距離があるのですが、円安効果というのはかなり大きく出ています。
投資は自己責任なので、今から投資を始める人がいても良いと思いますし、今が天井だと売り抜けるのも一つの考え方です。
さらには、投信への長期積立投資ブームでもありますから、このような市場情勢でも全く動じずに、毎日や毎月投資を続けている人も多いでしょう。
つみたてNISAをやっている人が増えて行っていますから、積立投資の基本に帰ると、毎日の値動きに翻弄や狼狽しないで、コツコツと資産形成をやっていくという信念の人も多いのではないでしょうか。
それでも、利益が乗っていたり、乗り遅れが気になったりすると、ソワソワするのものです。
そのような時は、きちんと情報を取って、整理して、冷静に考える必要があるものです。
■日本市場が上がってるのは何故?
日本株が上昇している火付け役に海外投資家やウォーレン・バフェットなどの機関投資家の存在があると言われていますが、私の個人的な考えからいうと、その一つに円安があると思っています。
日本は輸出企業が多いから、円安による業績アップが見込めるって話は有名ですが、そこももちろんあると思いますが、それだけでなく、投資目線から考えた円安の効果です。
ドルサイドで考えると分かると思いますが、円が安いということは、ドルが強いということであり、ドル建てでは日本株が割安になるということです。
S&P500が円建てで最高値更新しているのと逆の話ですね。
なので、ドルが強いうちに、円が安いうちに、日本株を買うというのはとても意味があることなのです。
そして将来、アメリカの金利が引き下げられたり、日本の金利が引き上げられたりしたときには、日本株を売ってドルに換えれば良いということですね。
米国中心の海外投資家の考えはそうであると思っています。
日本人は円で生活しているので、そのような感覚は反対になりますが、日本の円が安くなるのは海外から見ると魅力的だということです。
■株式相場サイクルのどこにいる?
日本株が大きく上がっているので、日本株だけが上がってるような偏ったニュースになっていますが、実は米国株もしっかりと上がり調子です。
上げ幅からすると日本株の方が上昇率は高いですが、それに負けないくらい米国指数も上がってきています。
ここで頭に入れておく必要があるのが、株式相場のサイクルです。
下の図は、コモンズ投信が作成していた図を参考に、私の方で再作成させてもらいました。
今は、どの場所にいるのか、分かっている人はどのくらいいるでしょう。
今いる場所は、「中間反騰」の場所だという意見が多いです。
米国指数のS&P500は2021年年末が最高値で、2022年1月から下落になりました。
そのピークが業績相場から逆金融相場の転換だと言われています。
それはまさしく米国のFRBがインフレを止めるために金利を引き上げたからです。
その後、2022年10月が底を打っており、10カ月間は下落相場だったのです。
今は2023年6月ですが、すでに8カ月間かけて徐々に回復しています。
下落相場でも回復相場でも、上下をしていますが、後から見た指数の波はそうなっているということです。
そして、まだ逆業績相場というリセッション(景気後退)にはなっていませんから、今の地点は中間反騰の場所だと言われるわけです。
■リセッションが来た時の心と資金の準備
リセッションが必ずくるかどうか分かりませんし、底から20%上昇して、ブルマーケットを呼ばれる市場となりましたので、もしかするとこのまま上昇トレンドが続き、過去最高値まで突っ走るかもしれません。
FRBの金利操作が上手であれば、失業率のコントロール、インフレ率のコントロールが上手くいき、最高のソフトランディングができる可能性も残っている訳です。
けれども、確率的な話をすると、リセッションになると言っている人の方が多いです。
失業率は急激に上昇するので、金利操作が上手くいかずに失業率5%を突破して、リセッションになるという考えが根強いということです。
株式投資をしている人は、ほぼ間違いなく稼ぎたい人が多いはずです。
なので、そのようなリセッション暴落時にしっかりと追加投資ができる現金を保有し、つぎ込む心の準備が必要だということです。
もし来た場合は、リーマンショック並み、もしくはそれ以上の下落になるかもしれないと言われています。
その理由は、逆イールドカーブが過去にないほどに大きな現象になっているから、ということです。
とはいえ、もし逆業績相場が来なかったら、それはそれで寂しいのか、嬉しいのかって感じですね。
リセッションが来たとしても、今年中なのか、来年なのか、それも分かりません。
けれども、心の準備だけはしておきたいですね。
PS:ところで、どうでもいい話ですが、日本ってなんで上昇が赤色で、下落が緑色なんでしょう?
いつも米国株のヒートマップを見慣れているので、日本株ヒートマップで全面真っ赤だとビックリするのですが、全面赤だと全面高なんですね?
世界共通にして欲しいんですけど笑