今年の株価上昇に皆さん付いて来れていますか?
私自身としては、うーん、5割くらいですかね。
フルインベストメント状態ではないので、完全に利益を取り切れているかと言われれば、取り切れていませんが、まあまあという感じでしょうかね。
ここまで株価が上昇してくると、これから気になるところは、ポジションを持っていない人は乗り切れていない焦りがでてきますし、リスク許容度以上のポジションを持ちすぎている人は暴落が怖くなってくるものです。
加えて、YouTubeなどを見ていると、自分の資産よりも総資産が多い人が配信しているので、その収益に焦りが出てくることもあるでしょう。
私自身も、煽られるので、自分の今のポジションが低すぎるのかな?と思ってしまうことがあります。
けれども、そのような煽り、気にしたらダメですよ。
他人が多くの利益が出ていても、それを羨ましく思うのは仕方ないですが、急に一括投資で一発勝負するのもリスクが高いですし、これまで地道に積み上げてきた利益があるのなら、その含み益バリアを大事にしておく必要があります。
他人を羨み、急な一括投資をして時、自分の投資戦略がガラガラと崩れ落ちる可能性があることを考えておく必要があります。
■含み益バリアは収益額ではなく収益率で考える
皆さんは、含み益バリアというものを知っていますか?
今の株価上昇の時、下落で耐えられるように含み益バリアを作っておこうと言われます。
この含み益バリアは下落時の心の平穏にはとても大切で、人間という生き物は損をするのを一番嫌がりますから、自分の元金がマイナスになるのが一番ストレスかかります。
なので、含み益があれば、その分を食い尽くすまでは何とか耐えられるものなのです。
けれども、その含み益バリア、大事なのは金額ではなく、%です。
含み益などの話になると、すぐに金額の話になるのですが、実は利益率がとても大切で、これが含み益バリアになります。
例えば、10万円の利益があった場合に、元金20万円で10万円の利益の場合は50%の収益率になりますが、100万円が元金の場合は10%の収益率しかありません。
同じ10万円でも、元金が違ったら全く異なってくるのです。
利益率が50%もあれば、大きな下落があっても、それなりに耐えることができますが、10%の利益率だと、実は1年に1回は10%のマイナス調整がくると言われているので、どこかで現金割れの可能性があることを考えておかなければならないのです。
ですから、大事なのは利益率です。
決して、他人の含み益額を羨ましく思って、元金を増やすものではないのです。
■せっかくの含み益率が急激に下がってしまう
もっと具体的な話を出した方が分かりやすいので、毎日Xでアップしている私の投資信託の収益率のデータを使って説明してみます。
下記が直近の運用収益率と収益額になります。
この時点で32.9%の収益率がありますが、これが含み益バリアで、仮に明日30%の暴落が来たとしても、含み益バリアによって元金はマイナスにならずに堪えることができます。
けれども、ユーチューバーの煽りに負けて、ここで、増資をした場合、どうなるでしょうか?
仮に、今の評価額と同額程度の入金をしたとします。
現状が、評価額が750万円くらいで、その内、評価益が180万円くらいなので、ここに750万円を足すということになります。
そうなると、入金直後の評価額が1,500万円くらいになり、その内の評価益は変わらず180万円くらいになります。
すると、収益率はどうなるのか?
先ほどまで32.9%の収益率があったのですが、入金直後に『12%』にまで一気に下落するのです。
こうなると、いくらその後の収益額の増え方が大きくなったとしても、もし、12%の下落があった場合にはこれまでの含み益は一気に吐き出してしまうのです。
これが一括投資の恐ろしさです。
せっかく、何年もかけて、コツコツと積み上げてきた収益が、このちょっとした煽りに負けたことで、大きなリスクに晒すことになります。
もちろん、逆もあるので、上がった時には収益の伸び方が2倍程度になりますから、その場合は勝負に買ったということになりますけどね。
そうなんです、これまでは積立投資で頑張ってきたものが、一括投資をすることで、投資が投機に変わってしまう瞬間なわけですね。
投資はいかにリスクを下げて、継続できるかが勝負です。
リスクを取らなければ、リターンが無い世界なので、必要なリスクを取ることは大切ですが、自分が決めた方法を崩す時には、リスクが高まる可能性があることだけは心得ていた方が良いですね。
相場から退場しないことが最も大切なことです。
そのためには、コツコツと長期に渡って継続することが大事なので、もし少しでも早い収益を目指すのであれば、徐々に積立額を上げていくなどの方法を取った方が、少しでも安全サイドになっていくはずです。
投資は自己責任なので、攻め続けることに反対はしませんが、このような側面もあることを念頭に置いて、最終決断をしてほしいと思います。