なんでも道しるべ

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「副業推進」の一方で、「管理職になりたがらない人」が増えていることが問題視されている現実

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副業推進という政府の方針発言もありつつ、一つの会社で働いているサラリーマンが多いのも事実です。

私の感覚では、副業と管理職というのは相反するものだと思っています。

というのは、管理職というのは会社内でマネジメント業務をしなければならず、通常の業務時間以外での仕事も多いと思っているからです。

ケースバイケースなので、完全にそれには当たらない職種などもあると思いますが、会社の経営者にとっては、管理職に対する役割期待はそれに相当すると感じています。

当ブログでは、夫婦正社員共働きのダブルインカムを推奨し、様々な記事を書いています。

また、ダブルインカム家庭に子育てを付加させると、ライフワークバランスという考え方は非常に大切であり、各家庭で状況が異なって当然だと思うわけです。

管理職というポジションは、そのワイフワークバランスや副業という観点から考えると、役割期待の業務レベルが高くなり、家庭と両立できないリスクも上がり、精神的・体力的に辛い人生を送る可能性も高まります。

管理職に上がりたいと思っている人の動機は、やりがいだったり、マネジメントだったり、挑戦だったりと、各人の思いは様々ですが、それに相応する対価・報酬がもらえるということもあります。

最近は、『管理職になりたがらない人』というのが増えてきて、問題視されています。

私自身は、「そんなに問題なのか?」と思っています。

厚生労働省から労働経済の分析という資料が出ています。

その中から、管理職に関するアンケート結果を抜粋し、管理職について考えてみたいと思います。

■「管理職に昇進したいと思わない」では無く「推薦したいがなってもらえない」が現実

資料の中に、「役職についていない社員等の管理職への昇進希望と管理職を希望しない理由」という題目でアンケート結果が載っていました。

まずは、管理職に昇進したいと思うか/思わないかです。

  • 管理職以上(役員を含む)に昇進したい 38.9%
  • 管理職に昇進したいと思わない 61.1%

管理職に昇進したいと思わない人が60%以上もいるということで、問題にされています。

でも私がこの結果を見ると、38%も人が管理職になりたがっているのだから良いのでないか?と思えるのです。

なぜ、そう思うかというと、全員が管理職になってマネジメントしても、会社は成り立たないし、そもそも希望しても全員がなれるわけではありません。

このアンケート結果に抜けているのは、経営者目線での見方がないことです。

本来なら、「管理職に推薦したい人がいるが、本人がなりたがらない」というアンケートの数値結果が欲しいものです。

結局は、本人が管理職になりたい/なりたくないというよりも、管理職能力をもっている人材が管理職になりたがらないのが問題であるのでしょう。

「そんなに管理職が不足しているなら俺がなろう!」と意気込んでも、管理職の能力を持たない人が管理職になるほど、会社にとっても、他の従業員にとっても不幸なことはありません。

これまでの日本の企業というのは、年功序列で、新入社員で入社し、新人教育を受け、30代前後でそれなりの成果を出し、マネジメント教育を受けて、管理職に上がり、部長や役員のポジションを狙っていくというスタイルが基本路線であり、今の役員は、「サラリーマンはそんなものだろう?」と思っている節があります。

しかしながら、仕事というものは、お互いの条件が一致してこそ成り立つわけですし、各人の多様な働き方があって良いわけです。

それゆえに、副業元年と呼ばれる2018年になっているのですが、会社都合の「管理職になりたがらない奴はおかしい」ということにならなければと思うのです。

■管理職を希望しない理由

管理職を希望しない理由の上位5つが載っていました。

  1. 責任が重くなる 71.3%
  2. 業務量が増え、長時間労働になる 65.8%
  3. 現在の職務内容で働き続けたい 57.7%
  4. 部下を管理・指導できる自信がない 57.7%
  5. 賃金が上がるが、職責に見合った金額が払われていない 34.1%

これらの結果は複数回答可だと思いますが、やはり上位に来るのは責任や時間に関するものが多いということです。

確かに、私の職場でも、管理職の方々の責任は非常に大きいと思います。

それに対する報酬が支払われていたら問題はないと思いますが、現在の定年間際の人はそれなりの報酬をもらっていると思います。

しかしながら、現在の30代・40代の人に同じだけの管理職報酬が行くのか?と言われると、おそらく保証できないでしょう。

それだけ、日本は成熟国であり、経済成長は鈍化しているのです。

それに対し、コンプライアンスや世界基準などの守るべきルールが増え、何か問題があれば管理職は責任を負わされます。

また、過去のルールが緩い時代に残された負の遺産というのも埋蔵されていますし、安全面、防災面、環境面に関しても緩いままの部分もあり、自身が認知しているだけでもリスクは相当あるけれど、「自身が知らないリスクはあとどれだけあるのだろう?」と思えるとその不安は無限です。

■管理職になりたがらないという内心には何がある?

これらのリスクを負いながら管理職になろうと志す人には、それなりの報酬を支払って頑張ってほしいと個人的には思うのですが、実は現実はそうではないです。

何も知らずに、単に「管理職になりたい」というだけで、能力なく管理職になる人もいます。

そういう人に限って、何も会社の実情を知らずに管理職になっているのですから、自分が想定していなかった問題が表面に出てきた時に、文句を言ったり、言い訳したり、逃げたり、黙ったり、するものです。

私はそんな管理職を何人も見てきました。

結局、私が思うのは、「会社にとっては管理職になって欲しい人が管理職を受けてくれない」というのが現実問題で、実は会社の実情を知っている仕事をバリバリする人ほど、業務によって表面に出ていないグレーな部分やブラックな部分を知ってしまうので、管理職になるリスクをよく把握しているということだと思います。