なんでも道しるべ

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低金利の長期ローンを繰上返済することは正しいのかな?もっと運用リスク取ろうよ!

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昨日の記事で、共働きの住宅ローンについて書きました。

我が家は「連帯債務」で、私と妻の比率を50:50にして借りています。

団信も半分の割合、住宅ローン減税はお互いに正社員で税金はまともに払っていますから、減税もMAXで返ってきています。

各家庭で一番良いローンの形態というのは違うと思いますので、それぞれの家庭で一番都合の良い借り方をすれば良いと思います。

ただし、将来構想は重要です。

何も考えずに、マイホームが欲しいために、保証協会の審査を通すことだけに注力するのはとても危険な行為です。

共働き家庭の『住宅ローン』およそ3つの中での選択は「団信」と「住宅減税」の点からコレ! - なんでも道しるべ

本日は、住宅ローンの繰り上げ返済や退職金一括返済に関する考え方です。

これも人それぞれの考え方ですが、私は個人的に、一般論を語るFP(ファイナンシャルプランナー)の方々が、ネット記事等でお勧めしている返済方法は好きではありません。

日本人はリスクがとても嫌いな人種だと思います。

それは先祖代々からの遺伝子と教育によるものだから仕方ないのですが、もう少し冷静にリスクを取った生活をしながら、家計全体のパフォーマンスを考えてみるべきだと思います。

■リスク大嫌いかつデフレ感覚の住宅ローン返済の発想

一般的におすすめされている住宅ローンの返済方法は、①借入金をできるだけ減らすこと(頭金を準備する)、②老後にローン残高を残さないこと、です。

これは確かにリスクを極力減らすためには重要なことですが、手元に資産が無くても、平気で生活できる感覚が私には分かりません。

資産というのは、単に現金だけでなく、有価証券や不動産なども含まれてきますが、不動産を資産でたくさん持っている人は、住宅ローンを早期返済する感覚はあまりないと思います。

やはり一番のターゲットは、主に現金の預貯金で資産形成をしているサラリーマン家庭です。

預貯金で資産形成をしているので、資産運用ははっきり言って、全くできていないのに等しいです。

なぜなら、金利がほとんどつかない銀行に預けているからです。

したがって、最も、金利を考えた行動というのは、住宅ローンの残高を減らすことが、金利を浮かすテクニックとなるわけですね。

預貯金の金利がほとんどないので、負の金利の住宅ローンの元金を減らすことで、マイナスを減らす運用となるわけです。

資産形成の手法の一つであると思いますが、プラスの金利も小さく、マイナスの金利も小さいこの時代に変なアドバイスだと思いませんか?

私の感覚では、結局、FPの方々は、①以前の高金利時代の感覚が抜けていないか、②できるだけリスクの低いアドバイスに留めているかだと思います。

まあ、おそらく、②でしょうけど。

若いうちに頭金を貯めて、住宅ローンの元金は極力少なく、退職金で一気に返済し、老後は年金と預貯金を崩しながら生活する・・・というアドバイスを見ると、なんと、リスク大嫌い、かつ、日本人のデフレ感覚が寄り集まった発想だなと感じます。

■無利子の奨学金を貯金ゼロになっても繰上返済する人

住宅ローンとは少し異なりますが、借入金という括りで「奨学金」があります。

私の世代の30代は、大学への進学率が上昇している過渡期で、親は大学に行ってないけど、子どもは大学進学させなくては就職が無いという時代でした。

特に就職難の年に当たってしまった年代は、大学に行かないと、高卒では仕事がないということがありました。

私が高校を卒業する年はそうでした。

そうなると、親は大学進学費用を全く考えておらず、奨学金を借りることになります。

奨学金は世帯年収が低いと、無利子で借りることができます。

私の知り合いで、奨学金の借金がとても嫌で、社会人になってから一生懸命繰上返済をして、「貯金ゼロだけど、奨学金の返済を終えた!」と喜んでいる人がいました。

確かに、借りたものは返すという発想からすると、その人は素晴らしい行動をしたと思います。

でも、無利子の奨学金を必死になって返済しているというのは、資産運用的に考えると、どう思いますか?変だと思いませんか?

繰上返済したお金を運用しておけば、元金+リターンが得られたかもしれないのに。

確かに、運用は元本割れリスクを伴いますので、借入金がある人は安全に元金を減らすことを先に考えるべきと言われるかもしれませんが、無利子の奨学金でもそれが言えるでしょうか。

借金を返すという素晴らしい行為によって、資産運用という人生に大切なものを勉強できる機会を失ったということです。

■低金利かつ長期間の借入金を一気に返す必要あるの?

現代の住宅ローンは、長期のデフレとマイナス金利政策によって、歴史的にも低いローン金利です。

リスクを取らない人のアドバイスなら、この低金利の時に、ローン元金をどんどん減らすことが将来において意味のある行為だと言うかもしれません。

私はそうは思わないです。

低金利で長期のローンを借りられるチャンスは余りありません。

我々のような一般人であれば、住宅ローンが人生で一番の低金利かつ長期間の借入金であるかもしれません。

短期の高金利ローンはさすがに早く返さないと家計が火の車になりますが、「低金利かつ長期返済で良いよ」と銀行が許可してくれているのに、一気に返そうという感覚が私には分からないのです。

もちろん、急な金利上昇で、返済額が一気に上がりそうなときは、これまで運用していたマネーを負債元金に当てるのは一つの方策だと思います。

住宅ローンで家計がギリギリの場合は難しいですが、資産運用できる家計の場合は、トータルで考えた方が賢明です。

家計がギリギリの家庭は、家計簿のやりくりで1万円を浮かしてローン返済努力をするのではなく、労働インカムをもっともっと増やすことです。それが一番の打開策です。