日経新聞のニュースで、厚生年金のパート労働者への適用対象を拡大するという検討が開始されると書かれていました。
夫婦共働きの家庭が増えている中で、このニュースは非常に大きな影響を与えそうな気がします。
■パート労働者の月収要件引き下げ
ニュース記事によると、これまでは「月収要件が8.8万円以上」だったのに対し、「月収要件6.8万円以上」に引き下げるということです。
2017年現在では、パート労働者は1,900万人いるとのことです。
現状は8.8万円なので、年収106万円の壁という言い方をされていますが、これが実現すると、年収82万円の壁というように一気に壁が下がってきます。
これにより、年収の壁を気にせずにいっぱい働く人が増えるのかどうか、それが大きな問題になってくるでしょうね。
意外と反発が大きそうな気がします。
今回、厚生年金の適用対象を拡大することで、最大で厚生年金加入者200万人増を狙っているそうです。
200万人も増えることは凄いことですね。
一気には難しいかもしれませんが、これからの人口割合を見ると、このように適用対象者を増やしていくのは当然の流れだと思います。
業界によってパート労働者を多く抱えるところは大きな反発があると思いますが、最終的にどこ辺で落ち着くかだと思います。
■厚生年金の運用はかなり深刻
厚生年金は加入することで、将来、老後における年金額が増えるので、厚生年金に入る方が望ましいことは確かですが、かといって、直近の手取りが減ることも困るわけです。
それは、労働者だけの問題ではなく、厚生年金は労使折半ですから、企業側としても負担が大きくなることになります。
政府にとっては、年金問題はかなり深刻で、少子高齢化により、ここから数十年にかけて年金はどんどん運用が難しくなってくるのは明らかなことです。
今回の検討は、年金問題に対し少しでも国民全体から負担をしてもらうために、検討していることは間違いないでしょう。
まあ、予想できた話ではあるので、私はそうは驚かないですが、実際に共働きで片方がパートタイム勤務である家庭は、控除額の算出に頭を悩ませることは間違いないと思います。
■正社員が増えることによる問題点は大丈夫かな?
少子高齢化で、年金問題や労働者不足問題が常にありますので、これにより、年収の壁を気にせずに、共働きが共に正社員で増えていってくれると良いのですが、そのために必要な行政サービスもあるわけです。
結局は、子どもが少なくなってしまってはいけませんから、夫婦共働きの正社員が増えて、出生率が低下してしまっては何をやっているのか分からなくなります。
そういう意味では、今から検討していく段階ではありますが、様々な意見が出てくるでしょうね。
しかしながら、何もしなければ、何も生み出さない訳で、検討して、リスクだけを抽出しただけでは何も変革は起きないです。
年金問題は目の前に見えている大きな課題ですから、おそらく、様々な想定による意見が出てきたとしても、年金問題を解決するために突っ走る可能性は十分にあると思っています。
■いつまでもパート労働者でいないことが大切かも
さて、家庭としてはどうするか?です。
国が制度を変えようとしていることに文句を言っても仕方ないです。
様々な制度のなかで、一番自分に都合の良い家計を見つけていかなくてはいけません。
ただ、私が思うのは、控除対策で働き方を変えるのは、あまり良い選択をしているとは思えません。
結局は、制度によって自分のスタイルを変えなくてはいけなく、それによって八方塞になる可能性があるからです。
特にパート労働者は、今後もこのような制度変更によって右往左往させられるのは間違いないと思います。
家庭環境や地域環境によって正社員で働き難い人も当然いると思いますが、少しの努力や変化によって、夫婦共働きのダブル正社員が可能であれば、その環境を作り出した方が家計にとっては良いサイクルが回せると思います。
パート勤務時間に慣れている人が、急に、正社員になるのは様々なところで歪みが出てくるのは間違いないです。
自分自身はなんとか順応できたとしても、配偶者が慣れないとか、子どもが慣れないなどといった問題も当然出てくるでしょうね。
でも、そこは耐えないといけないと思います。
変化に対応できない人や家庭は、結局は、将来において周りから置いていかれる可能性が高いわけです。
ネット環境、最新家電、節税対策、老後資金準備など、この10年・20年を見ても、当然変わっています。
共働きの家庭も、私が子どもの頃はかなり少なかったでしょう。
平成時代が終わりますが、昭和時代と同じ働き方の環境に慣れている人は、新しい時代にも年号を2世代も超えて遅れていくことになります。
パート労働者の働き方も変えていかなくてはいけませんね。