投資後進国の日本です。
私も投資を始めた頃は「投資」って何?という感じでした。
おそらく、投資をやっていない人は、「投資」という言葉を聞いただけでも、「あー、無理、無理、私には関係ない」「あ、騙され話が来た」なんて思う人もいるでしょうね。
私自身、「株式投資」は面白半分で始めたのがきっかけですが、株式投資をしていても銀行窓口の「投資信託」ってコーナーには近づきたくない恐怖心がありました。
なぜか、「投資信託」って手数料などが高く騙されるってイメージが私のなかにありました。
投資を食わず嫌いな人は、「株式投資」「投資信託」もどっちも拒否している人も多いのでないでしょうか。
■日本が信用できないなら、自分が運用すればいい
一つの考え方として、『リスクを冒してまで資産を増やす気がない』という感覚がある人が多いのは確かだと思います。
日本人は、①コツコツ貯金をして、②預貯金内で自分のできる生活をする、という雰囲気が漂っていますから。
なので、日銀がデフレマインドなんて言葉を使いますが、いくら日銀が頑張って緩和をしても、手取りが増えない、物価は下がる、老後負担が大きそう、年金が不安、子育てにお金がかかる。
そんな環境下で、「預貯金を止めて、運用にお金を向けてください」とアナウンスしたところで、「元金割れする投資なんて、そんなの無理」「政府・日銀が国民を騙して運用させるようにしている」「なにか裏があるのでしょ?」なんて思われているのではないでしょうか?
まあ、それは違います、なんて言えません。
当たっているような、外れているような、未来なんて分からない、そんな感じが私もしますから。
でも逆に考えると、「日本が信用できないのなら、自分で運用しておいた方がいいのでは?」とも思えるのです。
国民の中には、「国の政策は信用できないけど、結局は自分が最低限生活できるための保障はしてくれる」と思っている人がいるのではないでしょうか。
それは、国を信用しているということでしょうね。
私は国の方針は信用していますが、日本が今後、さらなる急成長を示して、自分の生活が楽になるような環境になるとは到底思えないです。
それは、今働いている会社に対しても同じで、会社が存続してくれるだろうということには、一定の信頼はしています。
信頼していなかったら、現在の会社勤務をすぐにでも辞めないと意味ないですから。
でも、自分の働き方における未来はあまり感じません。
簡単にいうと、おそらく現状維持の感覚です。
当然、定期昇給や昇格というのは、制度がありますから、一定のものまでは得ることができます。
でも、夢がないんですよね。
「これがしたい」「こうなると面白いだろうな」「もっと稼ぎが多くなるだろうな」「もっと成長できるだろうな」
仕事をしていて、そんな気分になれないという感じです。
それって、何が原因なのだろうか?と思う時があります。
結局は自分が原因なのだと思いますが、周りの環境もそんな感じがします。
「働いている人の活力」「お客様の活力」「労働環境の活力」そして「自分自身の活力」
自分自身を見つめる時に、そんなことを思うことがあります。
■仕事ぶりと資産運用は似ていると思う
「投資」というのは、「活力」だと思うのですが、投資に興味が持てないというのは、「日本」や「企業」に対して「活力」が見いだせないと思うことだと感じるのです。
日本の企業ってこんなに弱いのかな?と自分が働いている環境にいると、そんな気分になることがあります。
自分自身は、自分の会社内の雰囲気しか見られないわけですが、周りの人が、リスクを冒さずに淡々と仕事をしているところみると、そんなものなのかなと感じます。
会社という組織内なので、ちょっとくらいリスクを冒しても自分の財産まで差し出す必要がないわけですが、自分の立場・雇用環境を守りたいという意識が働くのか、リスク局面では、意見を言わない、何もしない、逃げて帰る、という人も多いのが確かです。
これが、日本人が「貯蓄から投資へ」という、日本のスローガンに逆行する動きの最たるものだと思います。
自分の財産にリスクがない環境でも、立場のリスクが取れないために、ホールド(貯金)の方を選択するということです。
■r>gとマネージメント能力
この記事で愚痴を書くつもりではなかったので、ちょっと誤算ですが(笑)、そんな環境の日本企業内で自分がモチベーションを保つために掲げている活動方針があります。
それが、資本収益率(r)は経済成長率(g)を上回るということです。いわゆるr>gという法則ですね。
これを自分に当てはめると、資産運用収益率が労働所得アップ率を上回るということです。
これを解釈して、自分の仕事に当てはめると、結論としては、業務は自分で抱え込まずに、できる限り、上司・同僚・他部署・部下に任せるということです。
「なんて、無責任な」と思う人もいるかもしれませんが、実はそれが「マネージメント能力」の基本中の基本なわけです。
仕事を抱え込んで、他人を信用せずに、責任も権限も与えない上司が多く、企業の成長を阻害しているということです。
自分の業務や役職にしがみ付いている人は、結局は、資産運用においても、成長できないということが、私の出した結論です。
「r>g」と「マネージメント能力」、この2つをうまく使いこなせば、仕事には省エネ対応をしながら適切な業務をしながら、家族との時間を取ることで、将来的には幸せになると思っています。
まあ、この考え方には、私と逆の動きをしてくれる人たちがいないと、バランスが成り立たないわけですね。
どっちの自分が、自分自身にとって心地良いかは人それぞれですよ。