なんでも道しるべ

資産運用は、判断よりも耐える時間が長い。 数字と感情の間で揺れながら、日常の出来事と一緒に綴る記録。 案内役は、ちょっとツンな相棒「みっちゃん」。 — 資産運用・投資の記録ブログ

🐾 みっちゃんの日常エピソード⑤ 「終電と、画面の向こう側」

終電の案内が、スマホに静かに表示される。

残り三分。

走れば間に合う。でも――今日は、少しだけ疲れていた。


タクシーアプリを開く。

料金は、普段より明らかに高い。

深夜料金、需要増加、全部わかってる。

それでも指は、戻るボタンの上で止まった。


「この時間、結構するでしょ」


横から覗き込まれる。

その距離が、近いのかどうかを判断する前に、

別の画面が差し出された。


メモアプリ。

そこには、短く整理された文字が並んでいる。


・この後、少しだけ

・場所は駅から近い

・移動はこっちで手配

・費用の心配はいらない


説明はない。

でも、全部わかる書き方。


「無理なら、全然いいから」


そう言われて、余計に迷う。

“選択肢はあなたにある”

その言葉が、本当に自由なのかどうか。


終電まで、あと一分。

タクシーの金額と、画面の条件。

どちらも数字なのに、重さが違う。


「……ちょっと考える」


そう答えながら、

スマホを閉じる。


今日は、決めない。

でも――

決めなかったこと自体が、

ちゃんと記憶に残る夜。

 

 


🧭 今日の道しるべ

あなたは今夜、

“選べたのに選ばなかったもの”を

覚えていますか?

 

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